崩壊!王国の前線!
「ふぁ〜」
投げやりを肩にかけた兵士が欠伸を漏らした、そこから聞こえるのは松明の燃える音と裏で物資の確認をしている者の声だけ
ここはクータの最前線基地、見張りからは代わり映えもしない相手の前線基地だけで他は森ばかり
兵士は常時スキル月夜の目を使い相手の動きを見ていた、ここにいるのは熟練兵ばかり自分の様な新兵が来ていい場所ではない
敵の基地からどんどん光が出てくる、あれは_
「敵だ!!」
壁にかけられていた鐘を必死に鳴らし襲撃を知らせる、前も一度同じ様に来たが押し返した今回も大丈夫だろう
「深夜に我々の前線基地が襲撃された、上位の魔法を使う者がいるとの報告もある気をつけろ」
近接で戦える勇者は敵の殲滅部隊に、弓や魔法は補給部隊に回され俺たちはシゲイから送ってもらった馬車に基地の修理できる技術者を乗せ補給部隊についていく
「前に使い損ねたこいつを使うときが来たか」
馬車の板を外し隠しておいたPKPを取り出す、7,62m弾をばら撒く機関銃だ三脚は少し高めに作り馬車の後ろの板から銃口を出す形になっている
「これはヤバい時用だマガジン2つしかないからな」
技術者を馬車の前方に寄せケインの隣でエルザが警戒、後方で俺達が一斉射撃と言う状態だ
m4のマガジンは全部合わせて10、UMPは5つハンドガンは確実マガジン2つ毎日寝る前に弾とマガジンを作るを繰り返したおかげでそれなりに弾の備蓄はある
「いいか絶対に敵を近づけるな」
騎士団長から念押しされこの事態の重要性を再確認する、念押しするくらいなら俺達より強い奴にすればよかったのでは?と思ったがさすがに言わなかった
馬車を走らせ軽く1時間程だろうか爆音と咆哮、怒声が聞こえ始めたのは
戦場を交差する数々の魔法と矢、地に転がる血と肉片、武器や鎧の一部、その全てが美しかった、皆が恨み殺意を抱き刃を振るう戦場
「心が躍るな」
「ん?なんか言ったか?」
「いや?何も」
急にエルザが銃を構えたそれを合図に一斉に構える、俺は左を橘は右を警戒した
「左の後方から敵だ!狼みたいなのが来てるぞ!」
「イビルウルフだ、撃ち殺せ!」
桐生が叫ぶと橘がトリガーを引いた、俺も引くが多勢に無勢20匹あまりが縦横無尽に駆け回り銃弾を避けていく
「ラウンドスピア!」
レイナは詠唱なしで魔法を使うと地面から大量の岩の柱が生えてくるそれを避けれなかった狼は突き刺さり避けた狼は土けむりで視界が遮られそこを銃弾が襲う
「クレッシー前!ヤバいよ!」
「どうし…嘘ぉん?!」
前方からは大量のゴブリン、しかも全員が武装し高そうな鎧を着込んでいる
「あれはいゴブリンだぞ?!」
「ケイン右だ!できるだけ距離を離せ!可能な限りこっちで捌く!」
「私はどうすれば?魔法使う?」
「レイナは魔力を残しておけ、エルザ他に敵は?」
エルザは周囲を見渡すが何も見えない様だ、他の馬車は近づいてきたところを剣などで対処しているが明らか押されている
岩場付近までより付いてきたやつをPKPで対処する、鎧は防弾性能が高く破壊すら出来なかったがさすが機関銃、ゴブリンを吹き飛ばし最高の笑いものだ
「おいおいパーティーの余興には地味すぎるんじゃないか?」
「くっさい台詞吐く前に他の馬車を助けに行くぞ」
ひと昔のアメリカ映画にありそうなジョークを軽く返されたがまぁ無視よりはマシだ、車列の左側から前進しリックと橘が剣で切り裂いていく、手を離した者は俺たちが撃ちまくり一番前の馬車で折り返し右側を後にすすんでいく
「止まるな!進み続けろ!」
リックの声を掛けに応じるかの様に馬がいななく、敵は見た限りいない。ここから基地まであと数分程度だ
このまま行けば技術者を1人も死なせずに済むとPKPをリロードしながら考えていた
技術者を基地まで届け周辺の敵を一斉する任務を受けた、最も敵の多い平原と少ない左の森林と右の岩場
「俺と呉島そして桐生とレイナは平原。ケインとエルザ、橘は岩場」
リックが手短にチームを分け俺たちは平原に向かった、敵に押されている味方を援護したり敵の集団にグレネードを投げていると何か見える強そうな白の鎧を着た大剣を持つ者だ軽く2メートルはある巨体だ
「はぁっ!」
リックが切り掛かるが少し揺らいだだけ、背後からUMPを撃つが傷がつくだけ
「貴様、勇者かここで死んでもらう」
その巨体からは想像できない速度でこちらに突っ込んできた男、咄嗟に下にしゃがみ刃を避ける
マチェーテを抜き剣を避けた時点で踏み込み鎧を切るがダメージはない
「ちょこまかと…ふん!」
地面に大剣を突き刺すと足元が盛り上がりあっという間に空に放り投げられた
「リック!アレやるぞ!」
「わかった!」
なんとか体制を立て直し風魔法で少し横にずれる、狙うは俺を放り投げたすべり台の様な形の場所
マチェーテで勢いを殺し滑っていくその間レイナが魔法で牽制しリックがライトニングブレイドを発動したその下からUMPで鎧の継ぎ目を撃って体制を崩した男の頭をリックが消し去った
「さっすが相棒」
「相棒か…いいな」
ハイタッチを交わしまた別の場所へと歩んでいった




