表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
国を巡る旅
27/43

なぜ彼は勇者になれたのか

シゲイの城壁付近の検問所、馬車の列に並んで何時間経ったろうかエルナで買った本をなんども読み返すのにも飽き吸血鬼や竜、悪魔を倒したルイスとゼンの話を聞くしかない

「私はやっぱりドワーフの国が楽しかったかなー」

「あそこの何処がいいんでやすか、狭くて乾燥した洞窟その上製鉄の熱でろくに眠れなかったでやすよ」

渓谷にできたマンションの様な所に住むドワーフの国、元々数が多く渓谷の部屋も限られる進化の過程で狭い場所でも生活できる様に身長が低くなったそうだ

雪国出身のルイスはそういった暖かい気候が好きだが逆にゼンはエルナの様な涼しい国が好みの様だ

「結構な実力者なんだな、遅刻はするけど」

「それを言われたらぐうの音も出ないでやす、でも一応宮廷ギルドにも入ってやすしランクはAでやすよ」

少したち俺たちの馬車に数人の兵士が来た。チェインメイルを着て軽装で腰にはショートソードを携え機の名簿帳を見ている

「降りてギルドカードと積荷のリストを」

「何があったんだ?そんなに詳しく調べるなんて」

1人の兵士が面倒くさそうにギルドカードを見て返した、すると俺たちの馬車の後ろの方を指差し

「魔族が出たそうでな。ああ、おいそこ動くな何してる?!」

何者かが麻袋に包まれた何かを取り出し兵士に向けた

ズドン

発砲音が平原に響く、その反応は2つに分かれた。聞いたこともないような大きな音の方を向く者と聞いたことあるような音に俺の方を見る者

馬車を飛び出し発砲したものを睨むとその正体はフードを深くかぶった者、ケルアだった

「動くな!!」

盾を構えた兵士が囲むとケルアはフードを脱ぎ捨てると麻袋から細長いものを出した

それはバレルとコッキングレバーなどの機械部以外はすべて木でできたボルトアクションライフル、この世界には無いはずの銃を持っている

ケルアは構えると盾に向けてトリガーを引く、鉄の盾すらも撃ちぬき瓦解していく兵士たち

「クソ野郎が!!」

UMPを撃つとこちらに気づきケルアは上に跳躍し盾を蹴りもう一度跳躍する、だが飛んだならこちらが下に行けば弾は避けられないはず

「死ねやダボが!!!!」

連射しケルアに弾丸が迫るがギリギリで俺から見て左側に発砲するとスライド移動のように横に回避し地に足を付けこちらに銃口を向ける

ズドンと発砲するとケルアの銃が弾かれた、その方向を見るとエルザがドラグノフを撃ったようだ

「リック!ケルアを任せる!」

わかったというとリックは剣でケルアに斬りかかるが銃のストックで防がれる

先ほど撃ち抜かれた兵士の死体から弾丸抜く、見た感じは普通の7.62㎜弾だが不規則に並んだ棘があることが気になる幾ら硬い金属でも小さなトゲだから欠けたりする筈だがそれは1つもなくまるで体に刺さった瞬間に生えたようだ

「リック!馬車に隠れろ!!」

ケインの指示でリックは馬車の陰に隠れ少し息を整え機会をうかがっている

そこにケルアの銃弾が撃ち込まれる、同じような場所に撃ち込まれため馬車にヒビが入っていく

エルザが狙撃するとスキップするかの様に簡単に避ける

「お前ら離れろ!!!」

魔力倉庫からグレネードを出しピンを抜く、1、2、3、とカウントダウンし4秒目の段階で投げケルアの周辺に投げると爆風が舞う

ケルアが着ていたマントが爆風に攫われ太陽を隠す砂埃が収まると奴の素顔を見た

赤い目と白の髪、どこかでケルアに向けて声が聞こえた「魔族だ!」

「魔族と呼ぶな、下等な人種どもが」

そういうとケルアはライフルに手を重ね何かを詠唱すると俺が転移スキルで銃を出す様に黒く渦巻き形を変える

形が整っていくとそれはウィンチェスターショットガンになり魔力倉庫からもう一丁出した

「くそが、なんでもありかよ!!」

UMPをリロードし連射しながら突っ込む、ウィンチェスターショットガンをこちらに向けると発砲しアクションレバーを回転させる

いつの間にか変わっていた散弾が俺の胴体に撃ち込まれる

「ぐぁ?!」

後ろに倒れ意識が曖昧になる、視界が揺らぎ俺の脳みそがかき回される様な感じに襲われる

「ひぃ、ふはぅ?!ゲェ!!」

散弾が当たったところが裂けていき臓物が溢れる、必死に掻き集めようと手を動かすが痺れて動かない

意識は曖昧になるだけで薄れず痛みは続く、痛みによるショック死や出血多量で死ぬことも出来ずただ痛みに耐えることしかできずいつの間にか下半身が濡れている

死にたく無いのに死にたい矛盾、ヴェノムドラゴンのせいだろうか

(ここで死んでは困る、少し死んでおれ)

視界がクリアになると腕や足などが膨れ上がり吐瀉物が口から漏れる、四肢が痺れる感覚

『化け物、化け物、化け物、化け物』

何処からかその声が聞こえると地面からクモが這い出てきて俺の腕を登り食いちぎっていく

あまりの激痛、それでも死ねず俺は気を失った




エルザは落ち着いて呼吸を揃えアイアンサイトを覗く、マガジンはあと4つそれまでに決着を着けなくては呉島が不味い

あちらが銃なら弾切れがある筈だ、リロードする瞬間に撃てば当たる

ケインを見るとこくりと頷きこちらもアイコンタクトで了解と返す、ケインが飛び出すと同時にドラグノフを連射する

タッチー(橘)は拳銃を構えこちらがリロードしているときに援護射撃と敵の撹乱を任せている、リュー(桐生)はレイナと共に魔法で援護しリックも拳銃で攻撃

ケルアはケインの盾に撃つが防がれリロードする、その瞬間に撃つと右手の甲に当たる

銃を落としたケルアは撤退していく、今の内にとM4を構えたリューは撃とうしたがケインに止められ始めての魔族との戦いは勇者1人と兵士数人の犠牲により幕を閉じた

「おい、呉島まだ生きてるぞ!かなり弱ってるが毒のお陰で傷が塞がってている、ヴェノムドラゴンが助けたのか?」

いや誰1人欠けることなく兵士数人の命により幕を閉じた


兵士に連れてこられたのはシゲイの王宮癒し手の部屋、落ち着かせる効果のある薬草の香が置かれ部屋の中に広がる

灰色の髪の毛の老人が持ってきたのは二束の薬草と聖水の入った瓶と鹿の角、狼の頭蓋骨

穴の開いた頭蓋骨に薬草と聖水を入れ鹿の角でかき混ぜるそれを肥大化した呉島の皮膚を裂き塗り込む

「しかし、こんな平原で毒サソリと毒蛇の毒を同時に受けるのか?」

「この毒は2つの毒なのか?」

「ええ、毒は基本1つで完成されたものなのですがそれに別の物が入ると変異しこのように体が肥大化するんですでも薬を入れたのであと数時間で意識は戻るでしょう」

その後リックは剣の刃こぼれを治すために武具屋に行きレイナと桐生橘は部屋に戻りケインとエルザは城壁で少し話していた

「ケイン、クレッシーについてどう思う?」

「具合の方か?それともあいつが帝国側に銃を渡したかもしれないってことか?」

「それもあるけどさっきの毒は2つで変異するってこと、もしかして取り憑かれた人が暴走するのは完成された人とヴェノムドラゴンの毒で変異したんじゃないかな」

「完成された人ねぇ、人なら完成されてるだろ」

「あいつは未完成どころじゃなんだ」

その声の方を見ると橘がこちらに向かって歩いてきた

「あいつは完成された作品を眺めてばっか、自分の作品を組み立てようとせず他の作品のパッチワークな人生なんだあいつが物語を好むのもその所為だ正義も悪も物語の基準で見てる」

橘は空を仰ぎ見ると少し呟いた

「毒で侵されるはずの人生があいつには無いだからヴェノムドラゴンに乗っ取られないじゃないか?」

「お前らの人生は?」

ケインの問いに少しはにかみながら答える橘

「さぁ、だが骨組みはできてるだろそこからどう完成していくかはこの世界を救えばわかるだろうな」

現代の日本の学生にとっては人生なんて勉強すれば開いた筈、人生を考えると勉強が浮かぶが今はどう生き残るかが重要だ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ