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最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
国を巡る旅
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人と人でなし

温厚な地域であるシゲイの風は暖かくとても心地よかった、ここいらで育つ果物なんかは酸味より甘さがある

商人護衛8日目俺たちは平原を渡っていた、しかし油断はできないここがグリフィンの出没地域地面には骨や腐った肉が落ちている

「あれは?」

「ワイバーンが止まり木にしてる木だなあそこで獲物を探しているんだろうな」

グリフィンを倒してみたい半分と怖いもの見たさで色々なモンスターを発見したい気持ちで辺りを散策している

「おい、あれワイバーンじゃないか?」

何かが飛んでくる、2つの羽をはためかせ一度上に上がると急降下してきた

「エルザ、俺の合図で頭蓋骨に1発撃て」

UMPを構え乱射するだが45経弾は弾かれていく、くそやっぱドラゴン系は硬いのか

「いまだ!」

トリガーを引いたエルザ、7,62ミリ弾がまっすぐとワイバーンの頭蓋骨へと向かう…はずだったが弾道はずれ翼を撃ち抜いた

「ごめん、ずれた」

「気にすんな、スコープなしでよく当ててる方だ」

穴の開いた翼は滞空能力を失い地に落ちていくドラゴンは「ケャァー!!」と鳴き声を上げ地面に打ち付けられた

「他には?ワイバーン一体だけはありえない、他の馬車に伝えておけ」

リックの掛け声に合わせてケインが馬車を近づけ伝えていく、UMPを下ろし辺りを見回し警戒する今の所グリフィンの情報はトルフファースと言う特定のモンスターを仲間にする種類らしい、爪の部分には神経毒があり擦れば筋肉が麻痺しその場に倒れワイバーンに生きたまま捕食される

先人たちは『できるだけ距離を取り同種の爪で作った矢で麻痺させてから足を切る』とアドバイスを残している通りグリフィンは同じ神経毒の耐性がなく討伐の際は爪を用意する事が多い、しかし毒が回るのは数分

だし翼に当たらなければ飛び距離を詰められ毒にやられる

要するに距離を取り爪で翼を射りそこから足を切ってリンチで倒す

グリフィンといえばどこぞの一時期流行った音割れのメガネがいる組がグリフィンだった、自分は入るならばスリザ○ンだ

話が脱線したがどうしても戦闘は避けられないらしい、ワイバーンが馬車の周辺を回っているし多分獲物認定されたのだろう。まあ、銃さえあればなんとかなるだろう距離を取ればいいらしいし

「次の村を無視して平原で止まるそうだ、そこでグリフィンを倒すんだろうな」

リックはこちらを見て言った。今のうちにM4と新兵器を確認しておく、やはり狙撃用の高倍率スコープを作らなくてはいけないな…でも仕組みがわからないし、この世界にも望遠鏡とかはあるだろうそれを見て作るしかない

__________________

「なぜワイバーンを殺した!!」

「いや…その…こっちに突っ込んできたから…」

「あれは敵対の意思があるかどうかを調べただけだ!!グリフィンが近くにいなかったから無視していればシゲイに安全に着いていたんだぞ!」

リーダーの冒険者が俺の首元を掴み怒鳴る、あまりの気迫に声が震える

取り巻きが「やめろ、相手は勇者だぞ」の止める声が聞こえないのか掴む力は緩まない

「奴の毒は今ないんだぞ!!俺たちを殺す気か?!勇者に人の心が無いのは本当だったんだな!」

ここ最近流行っている噂、冒険者狩りの一団を掃討した勇者(クラスメイト)は顔色1つ変えなかったそうだそこから人の心が無いから人を殺してもなんの罪悪感も無いなんて噂が出始めた

自分もダンジョンで人間を殺したのに何も感じなかったし本当の事だろう

「すいません…」

「ちっ、お前らが囮になれ!」

掴んでいた首元を離し俺を投げ飛ばす、地面に倒れた痛みや今までの怒鳴り声などよりも怖い

こちらを見た冒険者の1人が呟いた「人でなし」その一言でとてつも無い恐怖を感じた

ヴェノムドラゴンの力で暴走しろくな知識もなく次は人でなし自分がわからなくなる、俺は本当に人間なのか?生きていていいのか?

『人でなし、役立たず』

「やめろ…」

『なぜ生きている?』

「やめてくれ…」

『お前のせいで何人の命を危機にさらした?お前が死んで償っても到底足りないぞ?』

「やめてくれ、やめろ!やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!!」

馬車の裏で自分を責める視線と声を遮る為に隠れた、自分を責める声を掻き消そうと手で耳を防ぐがずっと聞こえ続ける

アリサの力を使い始めてから自分が人間かわからなくなる、今までは人の言葉を喋れるし周りと姿形も一緒

しかし中は同じなのか、自分の考えは異端でおかしいかもしれないと思うと怖くなる

他人から人間として認められない化け物として認められた、それがとてつもなく怖いのだ

「俺は人間だ、化け物なんかじゃない…」

「呉島?大丈夫?」

誰かがやってきた顔を上げるとレイナがこちらに歩んで来る

「ごめん…俺のせいで…」

レイナは近くに座り背中に手を当てた

「気にしなくていいの、私たちが伝え忘れただけだし。怖いよね、人と違うと」

「え?」

俯き彼女は語り出した、冒険者として活動し始めた頃レイナは小さいパーティーに入っていた

最初は扱える属性の多さや魔力の多さでもてはやされていた、だがある日宿屋でパーティーメンバーの話を聞いてしまった

「あいつって人間なのかよ、実は魔族だったりして」

口下手なメンバーの口からその言葉を聞いた時は貶されたかと思ったが後々に褒めていたと知った、しかしそのパーティーが壊滅し命からがら逃げてきた彼女は別のパーティーに入ろうと魔法使いを募集しているパーティーに横暴するも彼女をまるで化け物を見る目で断ったそうだ

あのメンバーを殺したのはレイナ自身で魔族がばれたから口封じで殺したなんて噂のせいでソロで生きてきたそうだ

「リック達が騎士に伝えておいて殺したなんて免罪は消えたけど周囲の目は変えられなかった、けどね誰かが信じてくれてるから…「グリフィンが来たぞ!」行こっか」

「ああ…」

違うんだ怖いのは周りの目じゃない


こんな状況で他を怨む(ヴェノムドラゴン)が怖いのだ


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