魔界理解編 第7話 前 調査でございますか?
アサと資料を読み漁った。資料を確保したあと、私はドラゴンさんにお願いして、地下施設を含む村の施設を全部壊させた。
私の出身国も家族のこと狙ってるから、国に返すこともできない。もちろん、これからケルベロスと魔法国との接触も増えるし、探るために工作員やスパイを派遣する可能性もあるからケルベロスにも置けない。ブレイク公爵に相談して、隠れ家を用意させて貰った。これで家族の身を案じる必要はなくなった。
目下の問題は、どうやってアルヴィンの情報を調べ上げるか。さすがに情報が少なすぎる。あの司祭どうやって私のことを調べ上げたのかな? あの司祭なら、どうやってアルヴィンの情報を調べ上げたのかな?
今把握してる情報は名前と出身国だけ。これでどうやって調べるというの? ほぼ戸籍を調べるしかない。しかもアルヴィンって名前そこまで珍しい名前でもない。ミアだってそう。そもそもさ、ミアって子は魔人なのよね。あの村に入った記録はなかったけど。同じ夢遊って固有魔法を持つ唯一の魔人は18年前にこの村を出て以来、その固有魔法を持つ魔人は村に入ってない。その魔人の名も、ミアではなかった。アルヴィンの部屋も一人部屋。もちろん私達が確保した資料が、これで全部だとは思わないし、偽名を使う可能性もある。
魔王の体を乗っ取ったのは戦争がはじまる直前、これらの資料は正しい、尚且つこれで全部だと仮定して、アルヴィンは18歳前後。なんとかして、戸籍省の職員をゾンビにして⋯⋯。
他に手はないのか。今更人を殺すことに躊躇いはないけど⋯⋯あっ、そうだ。ほら、ゾンビは広く知れ渡ったし、前回は貴族の支援を得て、報酬として不老不死を授けたということになっているけれど、さすがにただの職員を不老不死にする理由はない。そうよ。だからゾンビにしちゃだめ。
他の手としては⋯⋯。
「アサの叔母は現役の王立魔法学院の教員よね? 過去の生徒の名簿とかアクセスできたりしないのかな?」
「できなくはないとは思う⋯⋯でも⋯⋯」
「でも?」
「私、お母様を⋯⋯その、殺めて以来、叔母様とお話したことないの。叔母様は母の性格を知ってはいて、私に気にかけてくれたけど、さすがに私を許してくれるとは限らない」
「ね、アサ。私と一緒なら、先生とお話できる?」
「⋯⋯リリーナがそう⋯⋯言うのなら」




