魔界理解編 第6話 後 ストラップでございますか?
とりあえず、ドラゴンさんで家族を村の外に避難させた。
司祭から渡された地図に面白い施設の名称を目にした。人工魔人研究所……。ここでならもしかすると魔人の体を奪った人工魔人の情報を得られるかもしれない。
ゴーストとの対決が避けられないのなら、魔王はきっと私達の前に立ち塞がる。その際に、魔王の体を乗っ取った魔人の情報を知っていれば交渉ができるかもしれない。なにより、情報がどれほどのアドになり得るのか、司祭に嫌というほど教え込まれたからね。
アサとそこの資料を読み漁った末に、それらしき人物の資料があった。この人を利用する計画書も見つけた。
名前はアルヴィン、私達と同じ国の出身で、移植元はミアという魔人で、その固有魔法は夢遊。
住所も書いてあったので、アルヴィンさんの家に行ってみることにした。
絵が⋯⋯。女の子の絵がいっぱい。飾られている絵だけにとどまらず、壁に、床に、天井にも描いてあった。この女の子が多分ミアさん。
日記とかあるのかな? ホラーゲームでもないし、ないか⋯⋯。
ただ、一つ言えることがあれば、このミアさんって子はきっとアルヴィンさんの行動原理そのものに違いない。そしたらさ、アサと一旦帰国するのはどう? しばらくケルベロスには戻れないし。アサは手配されてるけど、変装すればどうにでもなれるし、アサの実力なら逃げられる。ドラゴンさんもいることだし。
とりあえずアサの意見も聞いてみよう。アサは金魚の糞でもなければ、私のストラップでもないから、ちゃんとアサの考えも知ったほうが良い。答えは見えてるかもしれないけど⋯⋯。
「ねぇ、アサ。私はアルヴィンのこと調べるために国に戻ってみたいのだけれど、アサはどう思う?」
「いいよ」
「アサはついててくれる?」
「もちろん!」
「でもアサって手配されてるのよ? 大丈夫そう?」
「大丈夫。返り討ちにするから」
「でも⋯⋯」
「お願い。置いて行かないで!」
アサは私への感情は恋だと言ってた。それならアサはきっと恋愛脳なのでしょ。そうだね。改めて考えてみるとアサに関しては、理解するまでもないことだったのかもしれない。だって、私はアサが何を考えているのか、ずっと気づかないふりをしていただけなのだと思う。ずっとそれを無視し続けて、自分を騙していただけ。
アサが聞きたい言葉を口にするのは簡単で、ずっとそうしてきた。今もこうするつもり。ただ、今回からは打算抜きの本音で伝えたいと思う。
「アサ。あなたが必要なの。アサといると安心感があって、楽しい。私と一緒に来てくれる?」
「⋯! う、うん!」




