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悪役令嬢な魔王の娘と優等生生娘な女聖騎士の板挟みになり、町長の息子の気苦労が絶えません  作者: ヘラジカ
第七章:魔王と勇者殺し

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魔王と勇者殺し その2

俺は門の近くにいた衛兵に話を聞く。

すると、冒険者の出入りを紙に記録する係が今日のリストを確認して答えた。


「うーん、今日は勇者さん入っていませんなあ」

「そうか。すまない、時間を取らせてしまって」


そう上手くはいかない……な。

しかし、当てが外れたのは仕方ないとして次は何処を探そう?

無難に酒場にでも行ってみるべきか?


「ああ、でも例の第八階層まで行った冒険者二人組なら今ダンジョンに入っていますよ。彼らなら居場所を知っているかも?」

「……? どういう事だ?」

「あの勇者、一人で第八階層まで行ったって噂にはなっていまして、実際入った時こそ一人だったんですが、ダンジョンから出てきた時はあの二人と一緒だったんですよ」


つまり、勇者は元より強い二人の冒険者に付いていっただけという可能性が高い。

一人でこんな短期間にダンジョンを奥まで攻略するなんて変だと思ったら、そういう事なのか。

これは、その時の事も含めて先に二人から話を聞いた方がいいかもしれないな。


「成る程、そういう事なら例の冒険者二人組がダンジョンから出てくるまで待たせてもらおう」


俺は魔王の娘にその事報告しようとして彼女を探す。

付近を歩きながら見回すと、魔王の娘は衛兵たちが訓練する様子を眺めていた。


「へー、人間ってこんな風に訓練するんだ」

「と言っても、元が自警団だから我流の訓練だと思うぞ。もしかすると女聖騎士から騎士団の訓練方法を教わっているかもしれないが、あまり参考にはならないんじゃないか?」

「そっか。ところで、勇者はどうだったの?」

「ダンジョンには入っていないってさ。だが、あの勇者どうやら一人で第八階層まで行ったわけでは無さそうだぞ」

「詳しく聞かせて」


俺は、勇者が別の町から来た冒険者二人と一緒に第八階層まで進んでいた事を魔王の娘に話した。


「それで、先に今この町にいる最強の冒険者二人の話を聞きたいの?」

「最強の冒険者……? ああ、確かにそうだな。その二人の話を聞きたい」

「でもさあ、アイスくん。私はダンジョンの第八階層で勇者がお荷物だったとは思えないんだ」

「えっ!?」

「いい? 大切なのは勇者が第八階層のモンスターを倒す実力を持っている事なの。だから、ダンジョンを何人で攻略しているかはあんまり気にしていないんだよ」


そう言われればそうか。

これは俺が迂闊だったな。


「それでも、確証があるわけじゃないから一応話を聞こうか。もしかすると、勇者の能力が私たちの想像を遥かに超える変なもので、本当に最強の二人にくっ付いてただけもしれないし」

「そ、そうか」

「それに、手がかり無しで勇者を探すのも面倒だし」


どっちだよ!?

まさか、俺に嫌味を言いたかっただけじゃないだろうな?


まあ、そんなこんなで俺と魔王の娘はダンジョン入口の衛兵の拠点で、勇者の手がかりとなる冒険者二人が出てくるのを待った。






待つ事暫くして……と言うか半時間も経過しない内に目当ての冒険者二人がダンジョンから出てきた。

単に運が良かっただけだと思うが、半ば拍子抜けしながら俺は魔王の娘と一緒に二人から話を聞く。


「それで、勇者と一緒に第八階層まで行ったのは本当なのか」

「ああ、本当だとも。俺たち二人だけが第八階層に到達していて悪目立ちしてしまったから、他にも到達者が欲しかったんだ」


二人のうちの格闘家風の大男が俺の質問にすんなり答えてくれた。

しかし、まさかそんな理由だとは。

こりゃあ本当に勇者は付いて行っただけなのか?


「ああ、でも無理やり連れて行ったわけじゃない。勇者が第八階層まで行きたいって言うから渡りに船だっただけだ」

「実際、第八階層のモンスター相手に余裕で戦っていたし。でも勇者ならこれくらい当然かな? 前の町の勇者くんもそうだったから」

「あいつの事はあまり思い出したくない」


大男に続いて、小柄な女魔術師の方が質問に答えた。

となると、魔王の娘が危惧した通り、勇者は結構な実力者か。

しかも、話を聞けばそういうのが珍しくないとなると魔王の娘が勇者を警戒する理由にも納得が行く。


「勇者の能力について、何か分かる事はあるか?」

「それなら本人が自慢げに言っていた。聖属性の強化だとよ。どういう意味かは分からん」


聖属性?

真っ先に思い浮かんだのは聖騎士団と女聖騎士だが。

それを強化となると、例えば女聖騎士を無茶苦茶強くできたりするのか?


「そうか、ありがとう。後、勇者の居場所を知っていれば教えて欲しいんだが」

「奴が泊っている宿の情報でいいか?」

「充分だ」


勇者の居場所も分かった事だし、そこで本人を待つのが確実か。


「もうっ、ビックリした。衛兵さんに町長の息子さんが探しているとか言われて、てっきり私たちまた何かやっちゃったのかと」

「また?」

「う、ううん。何でもないから気にしないで」


小柄な女の方は、何か余計な事を言ってしまったと言わんばかりに慌てて訂正した。

あの二人の冒険者が前の町でやらかしたという父上の予想は当たっていそうだな。

だが、正直この町で大人しくしているならば別に問題ない。


そんな事よりも、今は魔王の娘に知らせてさっさと勇者の泊る宿に行かないと。

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