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悪役令嬢な魔王の娘と優等生生娘な女聖騎士の板挟みになり、町長の息子の気苦労が絶えません  作者: ヘラジカ
第六章:聖騎士様の動向

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聖騎士様の動向 その3

女聖騎士がこの町に左遷された存在だという事を知った俺は、当然ながら魔王の娘に報告する事にした。


「まあ、そんな理由であの女聖騎士は頑張っているそうだ。だから、上手く彼女の柵を取っ払ってしまえば抱きこめそうだと思ってな」

「わかるなー、女聖騎士のその気持ち。私は一応お父様の実の娘だけど、それでも魔王の娘って立場の重荷が時々嫌になるし」


魔王の娘が何やら複雑そうな表情を浮かべている。

知らない土地で頑張っているという立場は、女聖騎士も魔王の娘も同じか。

それ故に何かしらのシンパシーで思うところがあるのだろうな。


「口止めこそされなかったけど、一応これ内緒にしておいてくれよ。ましてや俺から聞いたとか言うのは勘弁な」

「言えるわけないじゃん! そんなの、女聖騎士が可哀想過ぎて誰にも話せないよ」


魔王の娘なのに、御優しい事だ。

いや、悪サイドだから優しくないという俺の認識が間違っているのか?


「それはそうと、ダンジョンの入口に何か建てるって聞いたけど」

「ああ、衛兵の本拠地をダンジョン入口に作るって話の事か」

「それそれ。ダンジョンに入る冒険者を管理する目的なら別にいいんだけどさあ。もしかして、町の衛兵をダンジョンに入れるのかな?」


今のところ、そういう話は聞いていないなあ。

いや、ダンジョンで訓練なんて話も聞いたような気もするし、うーん。


「それについては、改めて女聖騎士に話を聞いてみないと分からないな」

「そっか。町の人間でもダンジョンに入って修行するとかそういうのは全然問題無いし、別にいいんだ。けれど、女聖騎士が衛兵を使ってダンジョンで何かを調べたりしないかってのが少し気になって」

「分かった。俺の方からさりげなく聞いてみるよ」


やれやれ。

女聖騎士が明らかに嫌がらせで飛ばされた身だと分かった今でも、念には念をという事か。


「うーん、それでもいいんだけど、今回は私から聞いてみようかな?」


はぁ?

幾らなんでも油断し過ぎではないか?

いや、今回も魔王の娘なりに何か考えあっての事か?


「いったい、どういう風の吹き回しで?」

「ほら、この前女聖騎士と一緒にダンジョンに入ってから私、ちゃんとお話する機会が無かったし」

「ああ、そういう事なら」

「それに、少しくらい仲良くなってもいいかも……って思ったから」


今まで女聖騎士には比較的否定的だった魔王の娘なのに、一体どうした!?

まさか、さっき話した女聖騎士の身の上話にでも同情したというのか!?


「ほ、ほら。こっち側に抱き込めそうなら、私も直接会えば何か策を思い浮かぶかもしれないしさあ」

「そうですか」

「そ、そうだ。また三人でお茶会なんてのはどう?」

「分かった。女聖騎士にも予定を聞いて、都合の良さそうな日にセッティングしてみるよ」


意外な展開になってしまったなあ。

上手く行くといいが、果たしてどうなる事やら。


「あっ、そうだ。大事な事を忘れてた。ダンジョンに裏口を作るアイデア、ナイスだよ。どうして今まで思い浮かばなかったんだか」

「それは町長である父上の提案だ」

「へー。じゃあ、魔王の娘が褒めてたって伝えといてよ」

「ああ、父上も喜ぶと思う」

「えへへ。今度から、二人っきりでダンジョンで密会する時は裏口を使えるね」


密会って……言い方、もうちょっと何かあるだろうに。


「しかし、そう頻繁にドワーフのところにまで行く用事とかあるのか?」

「何言ってんの!? これからは町長さんに代わってアイスくんが定期的にドワーフさんに地上の事とか衛兵の様子とか報告するんだよ」

「えっ!?」

「ダンジョンの表口を衛兵が守るようになったら、ダンジョンの入口近くで町長さんとドワーフさんたちがこっそり会うってのができなくなっちゃうの。だから、私と一緒にアイスくんがドワーフさんの拠点の出向いた方が簡単なんだよ」


つまり、今まで父上が行っていたドワーフへの連絡業務を俺にやれと。

まあ、いつかは俺が引き継いでやらなきゃいけない仕事だが、衛兵の件で早まってしまったか。

衛兵の一件、色んな弊害も出てしまって思ったより面倒だなあ。


「ドワーフさんもダンジョンの外にはあまり出たくないみたいだから、私たちからダンジョンに行くしかないし」

「そうでなくても、女聖騎士にドワーフが見つかったら面倒だしな」


こりゃあ、父上がダンジョンの裏口を提案しなかったら、ドワーフたちと一悶着あっただろうな。

何だかんだで、俺もまだまだ父上には敵わないと思い知らされる。


「ふうー。この前、アイスくんをドワーフさんたちに会わせておいて丁度よかった。流石はエイラムちゃん、偉い偉い」


魔王の娘は何やら自慢げな表情を浮かべ、褒めて欲しそうにしている。

ここは、素直に要望に応えるべきか。


「いやあ、エイラムさんのおかげで助かったよ。ありがとう」

「えへへ、もっと褒めてもいいんだよ」


魔王の娘も満足そうで何よりだ。


さっきの話だけじゃないが、魔王の娘も立場的に色々と背負って大変なところもありそうだしな。

気が付いた時だけでも、彼女の功績も称えておくか。


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