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悪役令嬢な魔王の娘と優等生生娘な女聖騎士の板挟みになり、町長の息子の気苦労が絶えません  作者: ヘラジカ
第四章:聖騎士のダンジョン視察

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聖騎士のダンジョン視察 その2

翌日の夜、俺と魔王の娘に女聖騎士の三人は約束通りダンジョンに向かった。


「今更ですが、昼間の見回りでお疲れではありませんか?」

「大丈夫です。むしろ、こうしてダンジョンに行く方が息抜きになりますので」


確かに、昨日の様子からして普段は読書ばかりしていたみたいだし、結構楽しみにしていたのかもな。


「あら? 息抜きだなんて、そんな気楽で大丈夫ですの? ダンジョンはそんなに甘くはありませんわよ」

「これでも騎士ですので戦闘ならば御心配には及びません。むしろ、私は御二方の方が心配なのですが……」

「それでしたら、わたくしたちを御守りくださればよろしいのでは? 聖騎士様の民を守る勇士、見てみたいですわ」

「わかりました。これも修行の一環としてやり遂げてみせましょう」


おいおい、二人共喧嘩しないでくれ。

くそッ! 魔王の娘の奴、女聖騎士を挑発しやがって。

目立ちたいのか内密にやりたいのか、どっちなんだよ!?




そんなこんなで、俺たちはダンジョンの入口に到着した。

女聖騎士は俺と魔王の娘の二人を守らんとばかり先陣を切っているが、道順とかちゃんと覚えているのだろうか?

いや、絶対に適当に進んで迷子になるパターンだな、


「さあ、ダンジョンのモンスターたち、私が相手になります。かかってきなさい!」


何か変なスイッチが入ったのか、女聖騎士が恥ずかしい台詞を吐いている。

意外と自分に酔うタイプだったのか?

そんな女聖騎士の様子に呆れながら、魔王の娘が俺にヒソヒソと話しかけてきた。


「あんなに叫んだら、モンスターも怯えて逃げちゃうよ」

「だが、あの様子だとモンスターに出くわさないと収まらないだろうな」

「まったく、何であんなにイキっちゃっているんだか」

「あんたが女聖騎士を挑発したからだろうが!」


思わず大きな声で叫びそうになったが、そこは声を押し殺して小声で話す。

何でもいいから早くモンスターが出てこないかと思いながら、俺たちはダンジョンの奥へと進んだ。




中々モンスターに出くわさないと思いながら進んでいた俺たちだった。

しかし、大広間に出たところで大量のモンスターが屯しているのを見つけてしまう。


「ようやく見つけました。これで、お二人に私の勇士をお見せできます」


そういって、女聖騎士は腰にさしていた剣を抜いた。

抜き始めのその剣は木刀に見えたが、女聖騎士が一度気合を入れると金属めいたものに変化する。

そして、そのまま剣を片手にモンスターの群れに対して飛び込んだ。


「うおおおおお!」


女聖騎士は勇ましく、しかし女性としての可愛さを残した声の雄叫びを上げ、その剣でモンスター共を次々と切り裂く。

そして、それと同時にモンスターから繰り出される攻撃を素早く可憐に回避する。

その一連の動きはとても美しく、町の女たちが彼女に夢中になるのも分かる気がした。


「へえー。一応、口で言うだけの実力はあるんだ。でも、所詮は第一階層のモンスター」

「あれでも、駆け出しの冒険者は苦労する相手だし、普段から訓練していたってのは伊達じゃないのか」

「そうみたい。でも、私はそれよりも女聖騎士の持っている剣の方が気になる。ドワーフが鍛えた武器とは明確に違うけど、アレのおかげで彼女は戦えているようだし、それなりに強い武器なんじゃないかな?」


ドワーフの武器とは異なる。

そして、聖騎士がエルフと繋がっている事を考えると……そういう事か。


「あれはきっとエルフの武器だよ、アイスくん」

「今、俺もそれを言おうと思っていた。だが、それがどうかしたのか?」

「どうかするも何も大アリだよ。あの剣の強さによって、聖騎士への警戒度も変わっちゃうし、場合によっては聖騎士団そのものを早々に潰さないと危険かもしれないよ」


魔王側が警戒する事情はよく分かるが、俺にとっては割とどうでもいいから今一ピンと来ないんだよなあ。


「何? アイスくんたちだって他人事じゃないよ。アレが量産されて流通したらダンジョンのアイテムの相場も下がっちゃうんだから」

「それは多分無いと思うなあ」

「どうして?」

「聖騎士の武器が出回っているなんて聞いた事が無いし、エルフにしたって聖騎士が例外で大多数の人間は避けられているから交流も無いしで、市場にあの武器が流れて来る事は無いと思う」

「そうなの? でも、この件は気になるから後で私の方でも調べなきゃ」


とまあ、女聖騎士の強さとその秘密となる武器について俺と魔王の娘が話している間にも、モンスターとの戦闘は続いている。

女聖騎士は決して弱くはなく、多勢相手にも不利になる事ない。

だが、多過ぎる数の相手を自分一人で一点に引き受けるには限度があった。


「しまった!」


モンスターの何体かが女聖騎士をすり抜ける。

そして、こっちへ向かって来た。


「アイスくん、気を付けて。貴方に死なれたら私も困るし」

「やれやれ、この程度の相手なら何とかなるかな」


俺と魔王の娘は、襲ってくるモンスター相手に身構えた。


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