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目を覚ますたび、世界の次元が一つ増えていた。7日目、僕は「現実」の正体を知った。  作者: 不可思議ラボ


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4/7

第4話 僕は、自分が死ぬ瞬間を見た

DAY 4

DIMENSION:4

そして最後に

こう表示された。

「明日

あなたは自分が死ぬ瞬間を

見ることになります」

その文章を読んだ瞬間

世界が止まった。

いや。

止まったんじゃない。

増えた。

目の前に

いくつもの美咲がいた。

ベッドで眠っている美咲。

窓を開けている美咲。

コーヒーを飲んでいる美咲。

泣いている美咲。

笑っている美咲。

全部が

同じ部屋に重なっている。

「何だ……これ」

立ち上がろうとした。

すると

自分の姿まで見えた。

床に座っている僕。

立ち上がる僕。

窓へ向かう僕。

スマホを見る僕。

数秒前の僕と

数秒後の僕が

同時に存在している。

僕は目を閉じた。

だが

消えない。

目を閉じる前の景色も

閉じたあとの暗闇も

同時に見えている。

時間が

前から後ろへ

流れていない。

過去も

現在も

未来も

全部ここにある。

スマホが震えた。

「四次元認識を開始しました」

その文字の後ろに

別の文章が重なっている。

まだ表示されていない

未来の通知だ。

「観測対象を選択してください」

さらにその先。

「警告

観測した未来は

変更できません」

僕は息を呑んだ。

未来が

見える?

部屋の中を見回す。

美咲の姿が

何十人にも増えていた。

その中に

見覚えのない美咲がいた。

黒い服を着ている。

泣いていた。

誰かの写真を

胸に抱えている。

僕は近づいた。

写真に写っていたのは

僕だった。

背筋が凍った。

これは

僕の葬式なのか。

触れようとした瞬間

景色が切り替わった。

道路。

雨。

夜。

赤い信号。

そして

道路の中央に

僕が立っている。

「待て」

未来の僕は

何かを見ていた。

道路の向こう側。

そこにも

僕がいた。

「……僕?」

一人じゃない。

二人の僕が

向かい合っている。

片方は

今の僕と同じ服。

もう片方は

知らない服を着ている。

だが

顔は完全に同じだった。

知らない服の僕が

何かを叫んでいる。

声は聞こえない。

次の瞬間

強い光が

視界を覆った。

車のライト。

衝撃。

体が宙に浮く。

地面に倒れる

僕の姿。

美咲の叫び声。

そして

動かなくなった僕。

「やめろ!」

僕は叫んだ。

景色が

部屋へ戻る。

息ができない。

心臓が

激しく鳴っている。

今のが

僕の死?

スマホを見る。

「死亡時刻

明日 23時47分」

明日。

僕は

明日死ぬ。

だが

それ以上に

気になることがあった。

道路の向こうにいた

もう一人の僕。

あれは誰だ?

昨日の世界で

美咲と暮らしていた僕なのか。

それとも

二次元世界で言われた

「僕の中にいる

もう一人の人間」なのか。

スマホに

新しい表示が出た。

「観測記録を確認しますか?」

僕は迷った。

その下には

「過去」

「現在」

「未来」

三つの項目がある。

未来は見た。

なら

過去だ。

僕は

「過去」を押した。

景色が

再び崩れた。

最初の日。

一本の線しかない

一つ目の世界。

その中に

僕がいる。

だが

僕が見たかったのは

そこじゃない。

さらに前。

世界が

逆向きに流れていく。

自宅。

夜。

僕はベッドで

眠っている。

次の瞬間

部屋の中に

誰かが現れた。

僕だった。

もう一人の僕が

眠っている僕を

見下ろしている。

「何だよ……これ」

そいつの手には

僕のスマホがあった。

画面を操作している。

そして

眠っている僕の横に

スマホを戻した。

直後

画面に文字が表示された。

「転送を開始します」

僕は震えた。

最初の日。

僕を一つ目の世界へ

送ったのは――

僕自身だった?

過去の僕が

ゆっくり顔を上げた。

ありえない。

これは過去の記録だ。

こちらが見えるはずがない。

なのに

そいつは

まっすぐ僕を見た。

そして言った。

「やっと

ここまで来たか」

僕は動けなかった。

「お前は誰だ」

もう一人の僕は

少し笑った。

「その質問は

逆だ」

スマホが震えた。

画面に

あの表示が現れる。

「ORIGINAL:2」

もう一人の僕が言った。

「お前はまだ

自分が最初の人間だと

思ってるのか?」

その瞬間

過去の映像が消えた。

部屋に戻った僕の前で

スマホの数字が

書き換わっていく。

「ORIGINAL:2」

「ORIGINAL:1」

そして

新しい文章が表示された。

「原型個体を確認しました」

僕は画面を見つめる。

原型個体。

つまり

最初の僕が

どこかに存在する。

では

今ここにいる僕は

何なんだ?

画面に

最後の通知が現れた。

「原型個体との接触まで

残り23時間」

23時間後。

それは

僕が死ぬ時刻と

ほぼ同じだった。

そして画面が暗転した。

DAY 5

DIMENSION:5

最後に

一行だけ残った。

「次の世界では

あなたが選ばなかった人生を

すべて見ることになります」

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