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目を覚ますたび、世界の次元が一つ増えていた。7日目、僕は「現実」の正体を知った。  作者: 不可思議ラボ


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3/7

第3話 元の世界に戻った。でも、僕の人生が違っていた

DAY 3

DIMENSION:3

そして、その下に

昨日までなかった

一行が追加された。

「ORIGINAL:2」

僕は

その文字を何度も読み返した。

「オリジナル……2?」

意味が分からない。

だが

考える時間はなかった。

視界が

突然白く染まった。

次の瞬間

僕はベッドの上にいた。

天井がある。

壁がある。

窓がある。

右も左も

上も下もある。

僕は勢いよく起き上がった。

「戻った……?」

両手を見る。

普通の手だ。

腹に触れる。

何もおかしくない。

昨日の二次元世界では

隠すことのできなかった

体の「内側」も見えない。

窓へ駆け寄った。

外には

いつもの街が広がっている。

道路を車が走り

向かいのマンションには

洗濯物が揺れていた。

空には雲が浮かんでいる。

奥行きがある。

完全な三次元だ。

「帰ってきたんだ」

思わず声が漏れた。

たった二日。

それなのに

何週間も異世界を

さまよっていた気がした。

スマホを見る。

午前7時12分。

日付は

最初に目覚めた日から

二日後になっている。

時間まで正常に

進んでいるらしい。

通知を確認した。

あの謎のメッセージはない。

僕は大きく息を吐いた。

終わった。

そう思った。

そのとき

玄関のドアが開いた。

「起きてる?」

女の声だった。

僕は動きを止めた。

誰だ?

足音が近づいてくる。

寝室のドアが開いた。

知らない女性が

顔をのぞかせた。

「今日早いね」

僕は何も言えなかった。

女性は不思議そうに

僕を見る。

「どうしたの?」

「……誰?」

女性の表情が止まった。

数秒後

彼女は笑った。

「何それ」

僕は笑えなかった。

本当に知らない。

一度も会った記憶がない。

「いや、本当に……」

女性の顔から

笑みが消えた。

「寝ぼけてる?」

彼女は

ベッドの横に置かれた

写真立てを指さした。

そこには

僕と彼女が写っていた。

海を背景に

肩を寄せ合っている。

僕は写真立てを手に取った。

間違いなく僕だ。

だが

こんな写真を撮った記憶はない。

「これ……いつ?」

「去年の旅行でしょ」

去年?

僕は去年

旅行なんてしていない。

女性は

ますます心配そうな顔をした。

「大丈夫?」

僕は答えず

スマホを開いた。

写真アプリを見る。

知らない写真が

何百枚も入っていた。

彼女と食事をしている僕。

彼女と遊園地にいる僕。

彼女の誕生日を祝っている僕。

そして

一枚の写真で

指が止まった。

僕と彼女が

指輪を見せて笑っている。

画面の下には

一年前の日付。

「結婚……してるのか?」

女性は

完全に黙った。

僕はスマホを落としかけた。

元の世界じゃない。

ここは

僕が知らない人生を生きている

三次元世界だ。

その瞬間

昨日の男の言葉が

頭に蘇った。

「君の中にいる

もう一人の人間は誰?」

あれは

このことだったのか?

僕の中に

別の人生を生きていた

「僕」がいる?

スマホが震えた。

あの通知だった。

画面には

短い文章が表示されている。

「DIMENSION:3

同期を開始します」

「同期……?」

次の瞬間

頭の奥に

激しい痛みが走った。

知らない記憶が

一気に流れ込んできた。

彼女と初めて会った日。

告白した夜。

結婚式。

この部屋へ引っ越した日。

全部

僕の記憶ではない。

なのに

自分の思い出のように感じる。

僕は床に膝をついた。

「やめろ……」

女性が駆け寄ってくる。

その名前が

突然頭に浮かんだ。

美咲。

知らないはずなのに

知っている。

好きだった記憶まである。

僕は怖くなった。

このまま同期されたら

元の僕はどうなる?

スマホに

新しい文字が現れた。

「同期率:12%」

数字が上がる。

18%。

27%。

35%。

僕は震える手で

スマホを床へ投げた。

だが

画面は消えない。

42%。

「止まれ!」

50%。

その瞬間

数字が止まった。

そして

別のメッセージが表示された。

「不一致を検出しました」

続いて

見覚えのある文字。

「ORIGINAL:2」

その下に

新しい質問が現れた。

「あなたは

どちらの人生を

本物だと思いますか?」

僕は画面を見つめた。

どちらの人生?

選択肢が表示された。

「A:あなたが覚えている人生」

「B:この世界に存在する人生」

僕は迷わず

Aを押そうとした。

その瞬間

美咲が言った。

「ねえ」

振り返る。

彼女は

泣いていた。

「昨日から

あなた、変だよ」

僕の指が止まった。

「昨日?」

僕は

昨日まで二次元世界にいた。

この世界には

いなかったはずだ。

「昨日の僕は

何をしてた?」

美咲は

涙を拭いながら答えた。

「普通にここにいたよ」

背筋が冷たくなった。

では

昨日

この世界で生活していた僕は

誰なんだ?

スマホが再び震えた。

選択肢が消えた。

代わりに

一行だけ表示された。

「ORIGINAL:2は

あなたを指していません」

僕は息を止めた。

その直後

画面が暗転した。

DAY 4

DIMENSION:4

そして最後に

こう表示された。

「明日

あなたは自分が死ぬ瞬間を

見ることになります」

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