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自分でやるから
「ここにいたくない。家に連れて帰って」
母を父に預けてから十日経った。
母は私の顔を見るたびに懇願した。
「ダメだよ。また何か起きたらどうするのさ」
「何かって?」
「トイレから出てこれなかったじゃん」
「そんなこと覚えてない。ねえ、家に帰らせて」
くり返しくり返し、母を説得した。
自分の眉間にしわが寄っていくのがわかった。
「一人で死んでも構わないから帰らせて」
「母さんが死ぬのは勝手だけど、そんなことになったら困るんだよ」
「どうして言うこと聞いてくれないの!」
「もういい! わかった! そのかわり、母さんの面倒は一切見ないよ!」
母は一瞬口籠るが「いいよ。自分でやるから」と言った。




