第85話 第3ターミナルとIターミナル
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『第3ターミナルは第2ターミナルと一体になっていたようですね』
調べて回った狐人間たちの報告を聞くジュアル。どうやら、第3ターミナルは独立していなかったようで、第2ターミナルと一体だったらしい。第3ターミナルは、もぬけの殻でスライム1匹見つからなかった。
『こんなものがありました』
狐人間がジュアルに1枚の紙をもって現れた。
=ジュアル=ラィシカーラクセンへ=
我は、この飛行場の主であるフッククーである。ソウア=シダヨ閣下に敵対する不届き者である貴殿を我は許さない。Iターミナルで待つ。尋常に勝負だ。
なお、Iターミナルは貴殿以外入れないようにしてある。一人で来るように。
クオカフ飛行場主 フッククー
(なんだこりゃ?)
子供のいたずらのような文面に呆れたジュアルであったが、この飛行場の主が自ら名乗り出て、居場所を伝えてきたので、大助かりである。
ジュアルは、集まって来た狐人間に向かって、
『狐人間の皆様、加勢ありがとうございました。無事、第1から第3ターミナルまで開放できました。私は、これからIターミナルに行って、この飛行場の主である“フッククー”なるものを倒しに行ってきます』
『『我らも一緒に!』』
狐人間たちが一斉に返して来たその時、何故か、ジュアルの目の前にコチュカが現れた。
『大変~!』
場の雰囲気を破壊するコチュカの声に苦笑いするジュアルに
『ガサ飛行場にソウア=シダヨの軍勢が向かっているのですわ』
コチュカから予想しない話が出てきた。
『ガサ飛行場は結界があるから大丈夫なのでは・・・』
ジュアルが言い掛けたのを遮るように、
『魔族が加勢しているのが確認出来たわ。彼らなら、結界を抜けられる可能性が高いわ』
コチュカの話に、狐人間たちが動揺し始めた。
(狐人間たちでは、魔族と戦うのは厳しそうだ・・・そうか、この空港に脱出できるのだから、狐人間たちに先に戻ってもらい、ガサ飛行場が危なそうなら、クオカフ飛行場に避難して貰おう)
『狐人間の皆様。今からコチュカと共に、ガサ飛行場に戻ってください。そして、守りを固めてください。万一魔族が結界を超えて攻めてきたときは、ここに避難してきてください』
ジュアルの言葉に頷く狐人間たち。
『ちょっと~。私は、イツカイ城を消し去る作業があるんだから~』
どうやら、コチュカは別に行くところがあるらしい。
『解かった。コチュカはイツカイ城を破壊してくれ』
ジュアルの言葉に ニカっと笑ったコチュカは
『では、行ってきますわ』
と言うと、何故か、その場から忽然と消えてしまった。
『えっ!』
驚くジュアルであったが、狐人間たちはそれどころではないらしい。
『我々は、今からガサ飛行場に戻ります』
狐人間の言葉に頷くジュアルを確認した狐人間たちは、急いて、ガサ飛行場に繋がる魔法陣へと駆け出した。
(魔石は沢山あるから大丈夫だろう)
ジュアルは駐機場に出てから、Iターミナルに向かって歩き出した。
・・・
Iターミナルに入ると、何と、大きな吹き抜けになっていた。そして、何故か上の方から声がしてきた
『よく来た。我がフッククーだ』
よく見ると、吹き抜けの上の方に短い滑走路のようなものが接地されており、その上に双発のジェット機のような何かがいたのである。
直後、滑走路からフッククーと思われる双発機が離陸した。まるでラジコンである。だが、その速度は速かった。小さいが、ジェットエンジンであるらしい。唖然としてその様子を見ていたジュアルであったが、何か気配を感じて飛び退くと、フッククーから発せられた、ファイヤーボールがジュアルのいた場所にクレーターを作っていた。
(こいつ、攻撃出来るんだ)
高速で飛び回るフッククーを必死に追いながら、
(これは、狙ってもあたらないぞ)
どうしたものかと考えているジュアルに容赦なく魔法攻撃が飛んできた。
(うっ!)
ジュアルの方に僅かであるが痛みが走った。どうやら、雷撃を受けたらしい。おかげで、ジュアルの反撃は威力が大きくなりそうなのだが、
(当たらなければ意味がない)
おまけに、飛行中のジェット機は、雷撃が直撃しても、逃がしてしまう機構があるので、雷撃を返しても十分にダメージが与えられない可能性が高いことに気が付いた。
『ははは・・・気が付いたようだね。君の雷撃はそう簡単に当たらないし、当たっても我にはまず効かない』
勝ち誇ったように言うフッククーに対して、
『アイスエリア』
魔力を目一杯込めて発動させた直後、
『ガード』
を自分に掛けたジュアル。Iターミナルが極寒の寒さになった。
『ははは・・・そんなの効かないよ』
フッククーが言った直後、フッククーの左右についているジェットエンジンから火が出たのち、エンジンが停止した。
『えっ!なんでええ』揚力を失って落下していくフッククーに、
『ウインドカッター』
三日月の刃が落下していくフッククーに直撃した。それでも避けたのか、胴体ではなく右主翼が切り離されて、フッククーは錐揉み状態で床に激突、爆散炎上した。
直後に、何か覆っているものが消える感触があった
(結界が無くなったな)
炎上しているフッククーから
『我の負けだ・・・無念』
ダンジョンが消え去り、3階建てのターミナルに戻ったのであった。
とりあえずクオカフ飛行場は開放されたようです・・・。




