第83話 第1ターミナル
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(なんだこれは!)
ジュアルが中に入ってみると、そこには、一面の唐辛子が敷き詰めてあった。そして、壁には見たことがない象形文字があった。
(これは、大陸の端にある半島にする人達の言語として、王都にあった本で見たことがある文字にそっくりだ)
ジュアルは、ここが、大陸の端に住む半島人達に占拠されていると理解した。
(たしか、こいつらは、王国の主な人物に取り入っていたはず・・・いい噂は聞かないな)
過去、王国の財務卿がこの国が海外戦略で使っている教団を絶賛するなど、王国の中枢が蝕まれていたことは、王都のみならず、広く王国に伝わる暗黙の事実であった。
敷き詰められた唐辛子をどけながらジュアルが進んでいくと、ジュアルに向かってやってくる一団があった。皆、手には大剣を持ち、非常に重そうな鎧を着ているらしく、動きはやたら遅い。
『●×Ю*%・・・』
意味不明な言葉を口々に叫んで、ジュアルに近づいてくる。
(これは、会話にならないな)
『攻撃するなら容赦はしない』
ジュアルはやってくる一団に警告したが、
『●×Ю*%・・・』
『●×Ю*%・・・』
『●×Ю*%・・・』
口々に意味不明な何かを叫びながら大剣を振りかざしている
(ダメだな・・・)
『アイスエリア』
やって来た一団の動きが止まった。
『ウインドカッター』
三日月の刃が動かなくなった一団の体を上下に分断する。
その後、3回ほど、同じような集団を駆除した結果、隠れていた2階への階段が出現したのである。
(嫌な予感しかしない・・・)
ジュアルはショートソードを握りしめ、階段を警戒しながら登っていった。
・・・
2階に行くと、軍服を着た将校らしきものが4人並んで待ち構えていた。
『我らは、この王国を我らの植民地にすべく、苦労して王国の高官たちを我が手下に洗脳してきた。お前は、その能力を優れていることは解っている。我らの手駒として働くがよい』
そう言って、4人が揃って、ジュアルに右手の手のひらを向けて、何か呪文を唱えている。
(こいつら、俺を洗脳する気だ)
ジュアルは、問題の教団が高官たちを洗脳しているという噂を聞いたことが有ったのである。
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
ジュアルは、4人に向かって、それぞれ三日月の刃を放った。4人とも呪文を唱えるのを止めて、三日月の刃を躱すと金属の玉を投げて来た。
ジュアルがそれらを躱すと、背後で大きな爆発が起こる
(こいつら、爆弾を持っている!)
4人が第2投をしようと構えたところで
『アイスエリア』
掛けてみたところ、4人は、あっけなく、冷凍されてしまった
(ちょっと、魔力を込めすぎたかな・・・)
周囲一面、氷漬けになってしまっていたのである。
4人は右手に爆弾を持ったまま固まっている。生命力は強いのか、生きてはいるらしい。声は出ないか、何か叫ぼうとしている。
『サンダーボルト』
『サンダーボルト』
『サンダーボルト』
『サンダーボルト』
ジュアルは雷撃を爆弾めがけて行っていった。すると、雷撃を受けて爆弾が炸裂していく、4人は脚を残して上半身が吹き飛んでなくなっていた。
(いや~。エグイ光景だと・・・)
ジュアルはその生々しい様子に嫌悪感をいだきながらも、このターミナルにあった邪な雰囲気が無くなっているのに気が付いた。
(恐らく、こいつらが、第1ターミナルの守護者だったのだろう)
2階を捜索していくと、大きな祭壇が出来ており、老人の男と思われる肖像があった。
この肖像の周りからは、黒っぽいなにか異様な煙のようなものが漏れ出ていた。
(こいつは何だ。非常に危険な気がする)
ジュアルは、魔力を最大限に込めて
『サンダーボルト』
を放った。
どうやら、肖像の周囲には結界が張られていたらしい。ジュアルの雷撃はその結界を破壊した後、肖像を爆散させた。
『もう少しだったのに・・・』
ジュアルは何か変な声を聞いたような気がした。
・・・
祭壇の先には、扉のついた部屋らしくものがあった。ジュアルはショートソードを握りしめて、扉を開けて押し入ると、そこには、事務作業をする数人の人間がいた。
『お前たちは何者だ!』
ジュアルが叫ぶ。
『●×Ю*%・・・』
『●×Ю*%・・・』
『●×Ю*%・・・』
この部屋にいた人間たちは違う言語を話すのか、ジュアルには何を言っているのか解らない。ふと、近くの机にあった書類を見ると
”王国民は、教団に全財産を差し出さなければなりません ソウア=シダヨ”
という文が目に入った。ソウア=シダヨの命令書のように見えた。
(これは・・・)
ジュアルが見ていた書類に気が付いた人間たちが、何か投げて来た。ジュアルがそれらを躱すと、背後で大きな爆発がおきたのである。
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
事務所に隈なく三日月の刃が飛ぶように、発動した風の刃は、この部屋にいた事務員の上半身と下半身を分離した。
ジュアルが事務所の書類を見ると、意味不明な象形文字のものが多数見つかった。そしてその中に、
”ソウア=シダヨ”に実権を握らせ、王国の財産を輪が教団に接収して本国に送る
という文を見つけたのである。
どうやら、ソウア=シダヨ は、外国の傀儡(?)になっていたようです。




