第79話 タキュウキ飛行場(その2)
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(なんでこんなに居るのかな)
ジュアルは、オークの群れに襲われていた。ターミナルの1階に30匹はいるであろう、2足歩行の豚・・・オークが一斉にジュアル目指して突進してきたのである。いつもであれば、“ウインドカッター”で一刀両断なのだが、このあと“カンベエ”相手に魔法を使わないといけないので、魔力は温存しておきたかったのである。ジュアルは、ショートソードを握りしめ、オークの群れに飛び込んでいった。
・・・
『はあ・・はあ・・』
まあ、何とかなるもんだな。
ジュアルの周辺は、ショートソードで切り刻んだオークの残骸が散乱していた。しばらくすると、オーク達の残骸は魔石をして消えたので、ジュアルは魔石を回収してから2階に上がって行った。
・・・
2階に上ると、予想しない光景が現れた。広い空間にすし詰め状態の石像がおかれていたである。よく見ると、どれも屈強な兵士のように見える。
(まさか・・・)
そ思った瞬間、一斉に石像が目を覚ました。そして、表面にあった石が、まるで卵の殻が割れるようにひび割れて落ち、大量の屈強な兵士たちが現れたのである。
『そこの侵入者を処分しろ!』
3階と思わる方角から声が聞こえてきた直後、兵士たちが、ジュアルに向かって移動し始めたのである。
『アイスエリア』
魔力を込めた発動した結果、2階全体を凍結させてしまったのである。兵士達はピクリとも動かない。
(こいつら相手にしてられない)
ジュアルは、凍った兵士達の間の抜け、3階に駆け上っていった。
・・・
3階に上がったところで、ジュアルは右側から大きな何かが歩いてくるのは感じていた。そして右を向いた途端
(何で、こんなのがいるんだよ)
と心の中で叫ぶのだった。
ジュアルの目の前には、体長3mはあろうかという石のゴーレムがいた。歩いてきたのを見ているので、オブジェではないことは解っている。
(これ以上、魔力を使うと“カンベエ”を倒す魔力が危ないな)
ジュアルはショートソードを右手に構えると、ゴーレムに向かって突進していった。
(動きは鈍い)
脚の関節にショートソードをしていくと、ゴーレムはあっけなく倒れてしまった。
両足の関節を破壊したジュアルは、そのまま、奥に走っていく。
九千防に言われていた通り、一番奥にある沼があり、そこに鎧兜をした武者のようなものが沼の上に浮いていた。
『ははは・・・ここまで来るとは。ソウアの野望を叶えるため、時を超えてやってきたというのに・・・ジュアル=ラィシカーラクセン。お前に恨みはない。だが、我が悲願のため、死んでもらうぞ』
ジュアルめがけて何か水玉のようなものが飛んできた。水玉と違うのは、色が、緑色していることである。次々に飛んでくる水玉のようなものをジュアルが避けていくと、今度は、目の前に緑色をした水の壁が現れた。
(まずい。これでは避けきれない)
壁の奥から
『くくく・・・これで最後だ』
と言う声の直後、壁がジュアルめがけて移動し始めた。
ジュアルは異次元ポケットから、1本の瓶を取り出すと一気に飲み干した。以前、狐人間から貰った魔力ポージョンの残りがあったのを思い出したのであった。
『ガード』
ジュアルは自分の周辺結界を張った。
『そんなばかな・・・』
沼の上から声が聞こえた。
緑色の水の壁が通り過ぎた後、無傷なジュアルが現れたからである。
ジュアルは“ガード”を解除すると、
『インライトメント』
を魔力を込めて発動させた。
(ちょっと魔力の使い過ぎ・・・)
ジュアルは沼の前に跪いてしまった。
・・・
(んっ!ここは)
ジュアルは気を失っていたらしい。目が覚めると、慌てて周囲を見渡す・・・。どういう訳か、周囲の様子が変わっていた。
沼だった場所は透明な湯が張られており、先ほどまであった異様な魔力は無くなっていた。そして、いつの間にか沼の前には看板が立っており
“足湯”
と書いてあったのである。ジュアルが湯に手を付けてみると、程よい湯加減である。魔力切れに近い状態でもあるので、ジュアルは靴を脱いで足を湯につけてみた
(おお・・・気持ちいい)
ジュアルは、この状態で、魔力の回復をはかることにした。
・・・
『開放。おめでとうございます。そして、ありがとうございます』
ジュアルが足湯に使ってゆっくりしていると、何者かが近づいてきた。慌ててショートソードを握りしめたのだが、よく見ると河童である。九千防の配下と思われた。
『九千防の配下か?』
ジュアルが近づいてきた河童に質問すると
『はい。その通りです』
『2階の兵士たちはどうした?』
ジュアルは冷凍した兵士達のことを思い出したのだが、
『はい。全て我ら九千防の配下が止めを刺して処分しました。ご安心ください』
嬉しそうに言う河童を見ながら
(あまり安心できないのだけれども・・・)
と不安になるジュエルであった。
『いや、ここは魔石だらけだったので、つい・・・』
河童は嬉しそうに言った。どうやら、あの兵士達は、魔石を体に組み込んで、死体を生き返らせていたらしい。駐機場に散乱していた装備と共に、ゾンビにあった魔石も大量に落ちていたという。これらを回収して大儲けの河童たちらしい。
『ということは、もう帰ってもいいのかな?』
ジュアルが河童に言うと、
『勿論、出来るだけ早く、クオカフ飛行場を開放しないといけませんね』
何故か河童が楽しそうに言った。
九千防たちは何か目的があるのでしょうか?




