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第73話 イタオオターミナル(その2)

謎生物の正体は・・・。

(しかし・・・なにも無いな)

2階を散策したものの、時たま現れる“鬼”たちを“ウインドカッター”で切り刻んで始末していくだけで、何一つ見つからない。

『面倒なので開放・・・って書いてあったけどさ』

ジュアルは行き場のない不満を呟いていた。幸いなことに魔族の気配はなく、当然、魔方陣も出てこない。だが、ここは九千防の勢力下ではなかったらしい。2階には、この飛行場周辺と思われる半島全体を示した巨大な地図が掲げられており、そこには、鬼たちの拠点と思われる“テラ”と表示がされている。本当であれば、この拠点を除去する必要があるのだろうか・・・

(面倒くさい)

神様と同様、ジュアルにとっても面倒にしか見えなかった。

(しかしなあ・・・ここを開放してから北上していくとなると・・・)

ジュアルは、3階に上っていった。


・・・


3階には、広い空間が広がっていた。よく見ると、レストランのようにも見えるが、何故か、椅子やテーブルは隅に片付けられており、厨房と思わるところは、閉鎖されていた。

(滑走路がよく見える)

ジュアルは、窓から見える滑走路を眺めていると

『おい、よくも、俺の手下たちを倒したな。許さん!』

奥から声がした。


『お前は誰だ?』

ジュアルは、声のした方を向いたあと、首を捻りながら言った

(なんだこいつは)

全身緑色で、頭部と思わる部分とその下と思われる胴体以下がほぼ同じサイズ。頭には葉っぱらしきものがあるが、花はないようだ。黄緑と緑の縞模様の尻尾が不気味に揺らめいている。服は来ていない・・・と思ったら、ズボンというか、寝間着の下半分だけは履いているような感じである。興奮しているのか頬と思わる部分がオレンジ色になっている。


『僕はサキチ。このターミナルは僕が支配したのだ。さっさと出ていけ!』

どうやら、ターミナルの入り口に張ってあった張り紙にあった“サキチ”であるらしい。

どうみても、強そうには見えない。

『“鬼”たちも、“石化ゴーレム”も倒して来たぞ・・・お前を守る奴はもういないみたいだが?』

ジュアルが呆れたように言うと、


『僕が一番偉いんだ!僕の言うことを聞かない奴はいけない奴だ!』

サキチが言った。


(コイツ・・・己の状況を理解していないらしい)

ジュアルはサキチの言葉に呆れながら


『神様の指示により、このターミナルは開放する。お前はどうする?俺と戦うか?』

ジュアルがサキチに言った。


『神様の指示だと・・・僕は1000歳なんだぞ!もっと敬え!』

サキチは叫んだ。


『ファイヤーボール』

『アイスエリア』

『サンダーボルト』

『ウインドカッター』

ジュアルは、サキチに向かって攻撃をしてみたが、何故かサキチにダメージがない。

(こいつの弱点ってなんだろう・・・緑色しているからひょっとして・・・)


ジュアルは、異次元ポケットにしまっていた、今まで旅の途中で発生したゴミなどを一斉にサキチに向かって放出した。あっという間にサキチはゴミの山に埋もれてしまう。


『ううっ・・・苦しい』

何やら力ないサキチの言葉が聞こえてきた。ゴミの隙間から見えるサキチは少し姿が薄くなったように見える。


(なるほど、そういう事か)

ジュアルは、異次元ポケットに収納していた、骨付き肉の焼いたものを取り出し、食べ始めた。サキチを見ると、徐々に姿が薄くなっている。

骨付き肉を食べ終わったジュアルは、残った骨をサキチに向かって投げた。


『やめろ!』

サキチの力ない声がした直後、ジュアルが投げた骨がサキチにあたった瞬間、サキチの姿は消え、ごみの山はサキチがいなくなったことで崩れた。


(こいつはゴミや汚れに弱いということか)

ジュアルは呆れながらその様子を見ていると、サキチのいた奥の空間が光出した。ショートソードを握りしめ、警戒するジュアルの目の前に、見覚えのある生き物?が現れた。


『僕は“マーくん”この飛行場の主である。サキチを倒してくれてありがとう』

黄色い何かを持った入り口にいた生き物は、そう言った後、ゴミの山を厨房の奥にあるゴミ箱に転移させた(らしい)。だが、ジュアルにインストールされた知識が、そっくりな何かを思い出させていた。


『なあ、お前。王都の東にある巨大遺跡にあったペンギンのキャラクターデザインとそっくりだな。親戚か?』

ジュアルはインストールされた知識をもとに何故か言葉を発した。その言葉を聞いた生き物?である自称“マーくん”は全身を真っ赤にし、


『関係ない!関係ないんだ!許さん!俺とそっくりなキャラクターを知っている奴を許さん!』

と叫びだした。


『なんだ、やっぱり猿真似か。他所のパクリはいけないな』

ジュアルはショートソードを構えながら、平然と言った。


生き物?である自称“マーくん”は、ジュアルに向かって、飛んできた、その姿は赤いミサイルである。


ジュアルは、ショートソードを構える。正面に来た生き物?である自称“マーくん”を左に躱した直後、ショートソードで上から叩きつけるように切り裂くと、生き物?である自称“マーくん”は、上下2つに分離。上半身はそのまま壁まで飛んで行き激突して形を失った。


・・・


 5分後、生き物?である自称“マーくん”は消え去った。あとには黄色い板のようなものが残った。

(こいつは魔石もないのか・・・この変な黄色いのは何だ?)

ジュアルは、消えた生き物?である自称“マーくん”の残した黄色い何かを回収して異次元ポケットに収納すると、ターミナルの出口に向かった。

(これで、ターミナルの外に出られるはずだ)

他所にそっくりなキャラクター・・・。ありなんでしょうか。

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