第67話 巨大狸と魔方陣
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2階は1本の通路と右側にいくつかの部屋があった。
(虱潰しに見ていくか・・・)
ジュアルが一番手前の部屋に入ると、そこは事務所のような作業机と椅子が整然と並んでいた。ここにいたと思われる狸たちの姿はない。ジュアルはショートソードを構えたまま、部屋の中を捜索し始めると机に散らばっている書類が目に入った
“ガサ飛行場、植民地化計画”
どうやら、ここを占領して、開放するのではく、狸たちの支配する場所にするつもりだったらしい。入念に調べたが、魔方陣は勿論、大事そうなものはなにも無さそうだった。
(このままではヤバそうだ)
部屋の入り口まで戻ったジュアルは
『ファイヤーボール』
を放つ。部屋の中が火の海になった。
(次の部屋に行こう)
ジュアルは隣の部屋に入った。
ここは宿直室のようなものだったらしい。ベッドとシャワーがある。が、ここにも何もなかった。
部屋の入り口まで戻ったジュアルは
『ファイヤーボール』
を放つ。部屋の中が火の海になった。
(次の部屋に行こう)
残りも同じような部屋だったので、中を確認した後、
『ファイヤーボール』
で火の海にしていった。
一番奥の部屋に入ろうとすると、何故か鍵がかかっている。そして、その先から魔力を感じたジュアルは、
扉に
『ウインドカッター』
を放った。三日月の刃が扉を切り裂くと、どういう訳か、粉々になって扉は消えてしまった。その直後、部屋の中から火の玉が飛んできた。ジュエルはそのままやり過ごすと、ショートソードを右手に構えて部屋に入っていった。
(ありゃ・・・)
そこには、床に大きな魔方陣があり、その上に先ほど見た巨大狸がいたのである。だが何か様子がおかしい・・・。
『な・・なんで起動しないんだ!』
巨大狸が叫んだ。どうやらガサキナ飛行場に脱出しようとしたが、魔方陣が機動しなかったらしい。
『なあ・・・その魔方陣、向こうには行けないのか?』
ジュエルは、思ったことを口にしてみた。が、巨大狸は、ジュアルの言葉を聞いて気が付いたらしい
『そういえば・・・こちらから転移したことは一度も無かった』
床にある魔方陣は、マクサアの飛行場で見たものによく似ていたが、ジュアルに細かい仕様はわからない。
『で、どうする?』
ジュアルが巨大狸に向かって、呆れながら言うと、巨大狸は先ほど溶かした剣とは違う大剣を振りかぶって、ジュアルに襲い掛かって来た。
『アイスエリア』
ジュアルの放った魔法にとって、巨大な冷凍狸が出来た。
(さて、どうするか・・・)
ジュアルが巨大狸の処置を考えていたとき、魔方陣が光出した。
(何か来る!)
ショートソードを右手に構えてか様子を見ていると、そこに現れたのは1体の魔族だった。
『様子を見に・・・げっ!なんでこいつ、凍っているの!』
魔族は、巨大狸が冷凍になっているに気が付いた。
『魔族さん。一体なにがしたいのかな?』
ジュアルが話しかけた。
その言葉に魔族は気が付いたのか、雷撃をジュアルに放ってきた。そのまま受けたジュアルは方に僅かな痛みを感じたが、構わずに
『ウインドカッター』
を魔族に放った。それに気が付いた魔族は、咄嗟に躱しのだが・・・。ジュアルの放った三日月の刃は、魔方陣を切り裂いた。
『あっ!』
思わず魔族から声が出た。かなり動揺しているらしい
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
『ウインドカッター』
ジュアルは、ウインドカッターを連発して魔族の両手、両足を切断した。魔族も血は出るらしい、真っ黒な何か(多分血だろう)が切り口から流れ出ていた。
『お前たちは一体なにをしようとしているのだ!』
ジュアルは、魔族にショートソードを向けながら叫んだ。
『そんなもん・・・』
言い掛けたそのとき、背後から気配を感じたジュアルは、飛び退いた。直後にジュアルのいた所に大きな塊が落ちてきた。
(溶けてきやがった・・・)
それは、冷凍にしたはずの巨大狸からの体当たり攻撃だった。そして、ジュアルが避けた結果、巨大狸の塊は、瀕死の魔族を直撃したのである。
(情報が聞き出せると思ったのに・・・)
ジュアルは思わず舌打ちした。魔族は巨大狸体当たりで絶命したらしく、何故か、その体は砂のように消えてしまった。
(あいつら、死ぬと砂になるのか?)
ジュアルは驚きながらも床に転がっている魔石の存在をも逃さなかった。
(ひょっとして、魔族を倒すと魔石が手に入る?)
それは、オークよりも立派な魔石であった。
もう一体の瀕死になっている狸・・・巨大狸はもはや意識が残っていないようだった。
(仕方がない)
ジュエルは、巨大狸の首をショートソードで切り倒し、部屋の入り口まで戻ると、
『ファイヤーボール』
を放って火の海にした。
(これで、ここは大丈夫だろう)
ジュアルはターミナルに戻ることにした。
・・・
ターミナルに戻ると、どういう訳か、内部は元通りになっていた。狐人間たちに案内されるまま、ターミナル3階の部屋に行くと、そこには、元通り、神舎のような建物が置かれており、その中に真っ白な何かがいたのである。
『ジュアル殿、救援ありがとう。助かったのだ』
話しかけてきたのはまぎれもなく、狐稲荷だった。
このお話は、全てフィクションです。
(念のためにあえて書きました)




