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第64話 タバルニュウ飛行場へ

毎朝6時更新予定です

『お目覚めですか?』

ジュアルはいつの間にか管理棟の宿舎にあるベッドに寝ていたらしい。起きたところ、河童に声を掛けられた


(あれ?口調が違うぞ)

ジュアルがよく見ると、管理棟の河童ではなかった。見た目がそっくりなので、見分けるのが難しい。


『いきなり、倒れてしまわれたので・・・』

河童が申し訳なさそうにいった。そう、人生で初めて飲んだ酒で倒れてしまったらしいのだ。


『でも、宴会は大成功でしたよ。あのお酒を一気飲みする方を初めて見ました』

この河童の説明によると、あの酒は非常に強く、普通、一気に飲みなど不可能なはずのものなのだそうな・・・。だが、何も食べていないためお腹が空いているものの、特に頭が痛いとかズキズキするとかの症状はなかった。冒険者たちの二日酔いを見たことがあるジュアルには不思議な感覚であった。


結局、管理棟で用意してもらったちょっと豪華な朝食、野菜ジュースに沢山のパン、オークと思われるステーキ付というメニューを平らげたジュアルは、2階にある情報官室に来ていた。


『おはようございます。ジュアル様』

管理棟の河童が慇懃に挨拶してきた。


『おはようございます。昨日は失礼しました』

思わず返事をしたジュアルに


『いや・・・豪快でしたね。流石、一反木綿様の主。みごとです』

心から感服したと言わんばかりの発言に


『気になっていたんだけど、一反木綿様の主ってどういうこと?』

ジュアルは気になっていたことを口にしてみた


『はい。一反木綿様からは、ジュアル=ラィシカーラクセン様に“ユウ”という名前を頂いたと伺っております』


(たしかに“ユウ”と名前をつけた記憶がある)

ジュアルは頷いた。


『我々の世界では、名前を頂くことは、その人の配下になることを意味します。いや、非常に重要な配下として扱われます。なので、一反木綿様に“ユウ”と名付けられたジュアル様は一反木綿様から見ると、主にあたります。更に、一反木綿様は、我が主である九千防様、ガサにおられる狐稲荷様と盟友関係にありますので、我々にとっても、特別な方なのです』


『そんな特別なの?』

ジュアルが思わず聞き返すと


『はい。私もいつか九千防様から名前を頂ける日を夢見て過ごしております』

そういって耽る河童の姿に


(これは安易に名前をつけちゃいけないのかも)

ちょっと後悔するジュアルであった。


『実は伝言を預かっております』

『でんごん?』

ジュアルが何か不吉なものを感じた。


『これをお渡しするようにとのことでした』

河童から渡されたのは、封をされた封筒であった。

(とっても嫌な気がする)

ジュアルは封を破って中にあった紙を読んだ



=ジュアルへ=

ヤザキミでの活動ありがとう。実は、タバルニュウ飛行場掩体壕(えんたいごう)が2ヶ所あるのだが、ここに、霊が集まってしまっているらしい。帰りによって、成仏させてからマモトク飛行場に帰ってきてくれ。ここのターミナルは何もいないから、よっても無駄だぞ。結界はタバルニュウ飛行場掩体壕まで拡張してあるから、BE36で行くがよい。


P.S.

コチュカは捕らえたので安心せい



(おい。昔の遺跡に集まった霊の対処だと・・・はあ。仕方ない)

ジュアルの心の中で叫んでいた。


・・・


河童には、タバルニュウに寄ってからマモトク飛行場に戻ることを話した所


『ジュアル様は次の戦いに向われるのですね。ご健勝をお祈り申し上げます』

と真顔(?)で言われてしまった。


・・・


ジュアルは情報官室を出て、階段を降り、駐機場につくと、BE36を異次元ポケットから取り出した。

昨日取り外した貨物室のドアなど入念に点検してが、特に異常はない。そして何故か燃料とOILは満タンだった。

(よくわからんが、考えないようにしよう・・・)

思考を諦めたジュアルは、機体に乗り込みチェックを行う。エンジンを掛け、マグネトーチェック、アイドルチェック、アクセラレーションなどチェックしていく。特に異常はない。タバルニュウ飛行場は僅か12マイル北にある飛行場なので、目視だけでも大丈夫である。

(無風か・・・)

何故か風はほとんどない。


T3からR/W09で離陸したBE36は左旋回して北上する。離陸してすぐ、タバルニュウ飛行場は見えた。

(これでも、歩いて移動したら1日掛かるだろうし・・・)

5分後、タバルニュウ飛行場のR/W28に着陸したBE36は誘導路には向かわず、すぐ左にある、旧滑走路に向けて移動させる。そして旧滑走路上でエンジンを止めてから、ジュアルは機外にでて南側に2ヶ所あるという掩体壕を探すが・・・

(そんなものないぞ?)

だが、飛行場の外にある畑(?)の中から妙な魔力を感じたジュアルは、BE36を異次元ポケットに収納すると、そのまま走ってフェンスを飛び越えた。

(あれ?何故か飛び越えている!)

ジュアルは自分の異常の跳躍力に驚きながら、魔力を感じる方に向かう。基地の外を走っているはずの道の先に巨大な盃を逆さにしたようなものが見えてきた。

(多分あれだろう)

ジュアルは盃を逆さしたような空間に入っていった。

九州には掩体壕が結構残っています。宮崎にも、長崎(大村)にも・・・。中には公園の中にあったりするものもあります。


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