表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/88

第63話 ヤザキミ飛行場に帰還と再出撃・・・そして宴会

毎朝6時更新予定です

 とりあえず、無事、ヤザキミ飛行場に着陸したところ、昼間にも関わらず、誘導路で灯火を持った者たちが沢山待ち構えていた。よく見ると、河童たちが灯火を持ち、機体を誘導しようとしているようである。灯火に指示されるまま指定の駐機スペースに到着、エンジンを切ったところで、河童たちが押しかけて来た。ジュアルは慌てて操縦席から降り、右主翼の上に立ったところ、河童たちは何か期待するように集まって来たのである。


後部座席からシートベルトを外した河童が貨物室から機体の外に顔を出し、

『作戦は成功でやす!』

と叫んだところ、大歓声となった。


『なにか一言お願いします』

貨物室から声が聞こえた

(えっ?どういうこと)

ジュアルは困惑しながらも


『クブコの軍勢の投石機を破壊し、米の投下を行ってきた』

ジュアルが叫ぶと、


『ヤッター』

『よかった~』

『すっきりしたぞ~』

『ざまあみろ~』

河童たちが大騒ぎとなった。


『皆、九千防様の命を全う出来て嬉しいのでやす』

後部座席から再び声が聞こえた。


そんな状態がしばらく続いたあと、管理棟から走ってくる河童が見えた。

彼は、機体のところまでくると、

『只今、連絡がありました。投石機を破壊されたクブコの軍勢は混乱。これに乗じて、ヤコノジョウミの街にいた軍勢が襲撃を掛けた結果、クブコの軍勢は敗走したそうでやす』


(しかし、どうやって連絡をとっているのだろう・・・謎だ)

ジュアルは河童の報告を聞きながら思っていた。

『更に連絡が来ていまして、食料がまだ足りない。も1回米の投下をしてほしいとのことでやす』

その報告を聞いた、他の河童たちが、一斉にターミナルに走り出した。

(まさかな・・・)


・・・


ジュアルは、再びBE36で離陸していた。あっという間に、貨物室に積み込まれた落下傘が付いた袋が積み込まれたのである。そう、さっきは5㎏を20袋、つまり100㎏を投下したのだが、足りなかったらしい。既にクブコの軍勢は敗走したとのことなので、今すぐの分さえどうにかなればいいらしい。


離陸から10分後、ヤコノジョウミの街を低空で、フラップを降ろして80㏏で飛行するBE36から、20袋の落下傘付米袋が投下された。投下されるのを街の人は知っているのか、建物の中から覗き込むようにBE36を見ていて、投下されるや飛び出してきて、回収し始めるという姿がジュアルにも見えた。無事、回収されたのを上空から確認したジュアルは、翼を2回振ってから帰還した。


・・・


駐機スペースで停止したBE36を、河童たちが出迎えてくれた。エンジンを止めて出てきたジュアルに歓声が上がる。


と、管理棟にいた河童が再びやって来て、

『今日は、管理棟の宿舎に宿泊ください。食事はターミナルで用意させていただきます』


何故か、その声の後、他の河童たちから大きな歓声が上がった。

『祝勝会ですよ』

後部座席から声が聞こえた。


・・・


沢山集まっていた河童たちの大半はターミナルに移動していった。これから宴会の準備らしい。ジュアルは駐機スペースで、貨物室のドアの取り付けと、後部座席を元の状態に戻す作業を行った後、異次元ポケットにBE36を収納した。不思議なことに河童たちはBE36が突然消えたにも関わらず、驚くものがいない。

(ひょっとして彼らは何か知っているのかも)

ジュアルが河童たちの行動を見ながら思うのであった。


・・・


『ささ、こちらへきてくださいやす!』

ジュアルはターミナル1階の特設ホールの演壇に立たされていた。脇には、管理棟にいた河童が何やら準備している。


しばらくするとほぼ揃ったらしく、管理棟にいた河童が一歩前に出た


『本日は、九千防様の盟友、一反木綿様の主であるジュアル=ラィシカーラクセン様をお迎えし、一反木綿様を支援するヤコノジョウミの街襲った、クブコの軍勢を敗走させることができました。九千防様からもお褒めの言葉を頂きました。今回の勝利により、九千防様と一反木綿様の信頼関係は更に深まり、狐稲荷様を含めた同盟関係が強固になったと確信しています。本日は、九千防様より特別の支援物資配給をいただきましたので、皆さまでこころ行くまで堪能しましょうでやす!』


会場が管理棟の河童の演説により大歓声となった


『では、本日の主役、ジュアル=ラィシカーラクセン様に開始の音頭を取っていただきます』

管理棟の河童がそう言うと、皆が立ち上がり、一斉にジュアルの方を向いた。皆、いつの間にか、手にグラスを持っていたのである。

(おい。こんなの聞いていないぞ)


脇にやって来た河童がグラスをジュアルに渡した。

(これって、酒?)

ジュアルは酒を飲んだことが無かった。孤児院を出た後は飲む機会はあったのだが、それまでの生活習慣から飲まなかったのである。

(ええい。どうにでもなれ)

『皆さまの協力による勝利に乾杯!』

ジュアルはグラスの中身を一気に飲み干した。それを見た河童たちが驚きながらも、


『皆の勝利に乾杯!』

と一斉に唱和し、宴会が始まった。

・・・


『これも、一反木綿様も主、ジュアル=ラィシカーラクセン様の力によるものが大きかったと理解しています』

管理棟の河童は、会場の隅で誰かと話していた。

管理棟の河童は誰と話していたのでしょう・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ