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第51話 マクサアターミナル

新しい章の始まり・・・

 ジュアルは右手にショートソードを手に持ち、ターミナル外の階段を駆け上がって、2階に飛び込んだ。


『ほう・・・いきなりここに来るとは』

事務所のようなところの奥には、角の生えた人間のようなもの・・・魔族がいたのである。


『いきなり駐機場から攻撃とは、酷い歓迎だね』

ジュアルは少々頭に血が昇っていた。


『ツマサ島から来たのだろう。なら話は聞いているはずだ。私は、君たちと交戦したくはない』

魔族はそう言ってほほ笑んだ。


『いきなり攻撃しておいて何を言う』

ジュアルはそう言うと、ショートソードを右手に切り掛かっていった。何かがジュアルに当たる。だが、ジュアルにはダメージは無かった。その様子に驚く魔族。


『まさか・・・』

ジュアルが切りかかるのを避けながら、攻撃が効かないことを驚いていた。そして、


『今回は私の負けだ』

そう言い残すと、忽然と消えてしまったのである。ジュアルが床を見ると、魔方陣が消えかかっていた。


『逃げられた』

地団駄を踏むジュアルであった。


・・・


その後、事務所を出て一番奥の部屋に行くと、

巨大な鶏が待っていた。茶色の毛に赤いトサカ、黒い尾をした巨大な鶏であった。


『我は大王。かつてこの地にいた鳥である。邪悪な者どもに滅ぼされ、消滅した。が、我が怨念はこのダンジョンで再び体を与えてくれた。ここは、我ら最後の安住の地、誰にも邪魔させん』

そう言うと、鶏は、目からビームを出して来た。


『おい。鳥が目からビームかよ。猫なら聞いたことがあるが・・・・』

ジュアルはビームを躱すと、


『ファイヤーボール』

『ファイヤーボール』

『ファイヤーボール』

を周囲に放った。多少魔力を多めに込めたので、ファイヤーボールは直ぐに消えずに燃えている。


鳥は避ける先が無くなったのを感じたのか、ジュアルに向かって突撃してきた。

ジュアルは跳び上がると、


『サンダーボルト』

を浴びせかける。突撃していた鳥は、サンダーボルトの直撃を受けて、動きが止まった。

『ウインドカッター』

着地を待たずに、風の刃を放った。


『所詮、似せただけの体だったのか・・・』

鳥が何か呟いた直後、鳥の首を風の刃が跳ねたのだった。


(あっけない)

大王と名乗った鳥は、魔石を残して消えた。と同時に、ターミナル全体にただよう瘴気とでもいうのだろうか、魔物の気配が消えていった。


・・・


ターミナル1階に降りると、クラザキマの廃飛行場(発電所)から魔方陣に繋がっていたケーブルそっくりなものが繋がっている装置が置いてあった。


よくわからないが、電気をため込み、雷撃を打つ装置らしかった。よく見ると、駐機場に空いた大穴の方角に大きな穴が開いていた。

(きっとここから狙ったのだろう)

駐機場に空いた大穴を見れば、セスナ172など一撃で破壊できるだけの威力はあるようである。

このまま放置しておくのは危険だと判断したジュアルは、この謎兵器を異次元ポケットに収納したのであった。


・・・


ターミナルの外は、道が1本あるだけで、他には何もなかった。確か、街まではかなりの距離がある。どうしようかと思ってジュアルが思案していると、声を掛けられた。


『あの~もしかしてターミナルから出てきました?』

ジュアルが驚いて声のした方を見ると、頭に獣人特有の耳をつけ、長い尾っぽを持った少女と思わしき人物が立っていたのである。


『いつの間に・・・』

思わず声の出てしまったジュアルに


『飛行場に何か降りてきたので、慌ててきたんですよ・・・もう・・・これでも冒険者なんですよ』


そう言って、冒険者カードとジュアルに見せた。


『わかった』

その勢いに圧倒されながら答えたジュアルに


『で、こっちの質問に答えて』

猫女が睨むようにジュアルをみたのだった。


・・・


『ついさっき、上空からやって来て、中からターミナルを開放したのは私ですよ』

ジュアルは、仕方なく最低限の事実を話した。勿論、セスナ172の話とかはしていない。


『猫の獣人さん。中を確認しますか?』

ジュアルの言葉に

『私は、コチュカっていうの!』

と言って猫の獣人は、何故か怒っている。

『ではコチュカ。ターミナルの中は確認しますか』

ジュアルの言葉に

『ええ。何が有ったのか説明して』


そう言うと、コチュカはジュアルを引っ張るようにターミナルの中に入っていった。


・・・


『なんか変ね』

駐機場に空いた大穴をターミナルの1階から見ているコチュカが呟いた。先ほどの兵器は、ジュアルが回収済みである。流石に見せるわけにはいかなかった。


『ここにあった何かから攻撃されたのよね。でも、不自然なほど、ここには何もないわ』

当たり前である。


『2階から入って、全てが終わって1階に降りてきたときには、なかったんだ』

ジュアルは同じ説明を繰り返した。


コチュカは納得していないようであったが、

『2階に行きましょう』

コチュカはジュアルを引っ張るように階段を登って2階に移動した。


『で・・・ここで頭に角の生えた人間にあったというのね』

事務所を見ながら、ジュアルの説明を確認するコチュカ。魔族はおとぎ話レベルでしか語られていない種族なので、全く信じてもらえていない。


『ここに魔方陣があって、消えたのね』

今や、痕跡すら残っていない魔方陣のあったところを指さしながら、コチュカはジュアルに確認するように言った。


その勢いに圧倒され、黙って頷くだけのジュアルであった。


・・・


『ここに鳥のお化けがいたわけ?』

大王と名乗った鳥のお化けの説明に、呆れながら質問するコチュカ。

『目からビームなんであるわけないでしょ』

と言い放つコチュカに

鳥が放ったビームで焦げた壁を指さして


『こ・・これが、そのビーム跡だよ』

と説明するジュアルであったが、コチュカは目を細めてジュアルを見るのであった。


(はあ、なんでこんなに面倒なんだ)

ジュアルは心の中で叫んでいた。

新しい章になって、新しいキャラクタ(コチュカ)の登場です。身体能力抜群の猫の獣人です。ですが・・・


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