第47話 海の魔物とキングオーク
シーサーペントを思わず・・・
ジュアルは、思わず海を見た。すると、海上に、巨大な白蛇が浮かんでいる。とその時、白蛇がこちらを向いた。よく見ると、何かを口に咥えている。
(げっ!人)
次の瞬間、白蛇は口に咥えていた人を飲み込み、ゆっくりと沖移動を始めた。
(これはダメだろ)
ジュアルは、最大に魔力を込め
『サンダーボルト』
を放った。
白蛇に向かって、雷が飛んで行く。白蛇も気が付いたのか、避けようとしたが、躱しきれず、水面から上で出ている胴体に直撃した
(げっ!頭を狙ったのに・・・)
ジュアルは、頭部に命中しなかったことに驚いた。それでも、直撃を受けた胴体にはダメージがあったらしい。何やら白蛇が奇声を上げている。
(こうなったら連続攻撃だ)
『ファイヤーボール』
を白蛇の左右に放った直後、
『ウインドカッター』
を放つ。
白蛇もファイヤーボールに気が付いたのか、体を左右に振って避けて見せた。が、その直後、首付近を通過した風の刃が直撃、完全に切断されなかったものの、明らかに面積の半分は切れたと思われる状態になった
(普通なら生きていないはずだが)
ジュアルは白蛇の生命力に驚きながらも、傷口にファイヤーボールを打ち込み、再生を阻止した後、アイスエリアで白蛇の周辺を凍らせ、傷口に向かって
『サンダーボルト』
を叩き込む。すると、辛うじて繋がっていた白蛇の首は部は爆発し、切断れた頭部は空中
跳び上がった後、海岸に落ちた。
ジュアルが白蛇の頭部に近づくと、さすがに、白蛇は絶命していた。沖には、氷漬けにされた胴体が氷の塊の一部になって浮いていた。
『爺さん。仇は取ったぞ』
呆然と白蛇を見ている老人にジュアルは言うと、一目散に西に走り出した。
(さすがに目立ち過ぎた)
やがて、街道の右側に広く広範囲に光るものが見えてきた。光るものは長さ約800mの長方形をしている
(間違いない。クラザキカの飛行場跡だ)
ジュアルは昔の飛行場に向かう道を見つけ近づいた。
・・・
(昔のまま?)
クラザキカ飛行場の時のままの建物がジュアルの目に入って来た。2階建てのこじんまりした建物である。見える範囲で観察すると、滑走路、及び駐機場だったところは、全てソーラパネルが敷き詰めてある。光って見えたのはこれであった。
(ソーラパネルまでそのままか・・・離発着は無理だな)
昔、ここにあった使用事業会社のエリアがヘリポートになっている。格納庫も色を塗っただけでそのままらしい。
(で・・・入れるかだが)
予想通り結界が生きており、中には入れない。ゴマシカの軍によって破壊されたようには見えない。恐らく見栄で話を持ったのだろうと思われた。そうしていると、建物に入り口が黒く歪み始めた。そしてどういう訳か、オークが3匹現れたのである。
(入れないけど、魔物は出てくるのか!)
ジュラルは
『ウインドカッター』
を強めに放った。風の刃が3匹並んで立っていたオークの首を刎ねた。その場に倒れ込むオーク達。とその奥・・・オーク達が現れた黒い歪みが消えかかっていた。
『インライトメント』
ジュアルは咄嗟に黒い歪みに対して放った。通常であれば、効果が無いはずなのだが、
“バリーン”
ガラスが割れるような音がしたかと思うと、黒い何かが玄関前に散らばっていた。
(ひょっとして)
ジュアルが入り口の扉を引くと、あっけなく開いたのである。
・・・
意外にも中は明るかった、南側はガラス張りであることもあって証明が無くても明るい。
そして、対して広くないエリアには、オーク5匹と奥にいる2倍近い大きさのオークがいた
(あれば、キングオーク?)
ジュアルは、オークやオーガには、通常よりも大きい特異種がいるという話を聞いたことがあった。だが、実際に見てみると、2倍とだけでは言い難い、強そうなオーラに満ちている。
(先手必勝!)
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
手前の5匹にファイヤーボールを打ち込むと
『ウインドカッター』
を広範囲に発動させた。
『サンダーボルト』
を発動させようとした瞬間。何か強い力をジュアルの体は感じた。よく見ると、キングオークが何か右手を上げ放ったらしい。が、何故かジュアルは何ともなかった。正確には、何か当たったという感触だけは感じた程度である。
(よくわからんがそのまま続行)
残っている魔力を使って、
『サンダーボルト』
を発動させた。
(えっ!)
今まで見たことが無いような、光の壁・・・いや、柱のような何かがオーク達向かって飛んで行く。魔力を使い切ったジュアルはその場にへたり込んだ。そして、オーガ達を見ると
(跡形もない)
オーガ達はもちろん、キングオーガですら完全に消えていた。
(逃げたのか?)
残った力で、ショートソードを右手に警戒しながら観察すると、6個の魔石が床に落ちているのを発見した。そのうち1つは明らかに大きい。
ジュアルは魔石を回収すると、魔力を回復させるため、しばらく休憩することにした。
シーサーペントを魔法で倒したまでは良かったのですが、あまりに目立ちすぎることに気が付き、慌てて西に逃げていくジュアル。今更な感じなのですが・・・。本人は未だ理解してません。
そして、キングオークとオーク5匹が魔石だけになってしまったのは、
吸魔の魔導書
が発動し、キングオークが発した雷撃を全て吸収して、
『サンダーボルト』
で返した結果です。決して、ジュアルの魔力自体がUpしたわけではないのですが、ジュアル本人は気が付いてません。




