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第42話 ゴシマカ城

城に連れていかれます

ヒサミツに促されるまま、かれの屋敷と思われるところに連れていかれた。距離が近かったせいか、馬車ではなく、人力車での移動であった。


・・・


ヒサミツの屋敷では、恐らく、彼らにとって豪華であろう食事が用意された。蒲鉾の揚げたものなど、ジュアルにとって珍しいものがあったが、焼魚として用意された大きな白身の魚を見て


『これは何という魚なのですか』

ジュアルが焼き魚の切り身を不思議そうに見ているのが気になったのか


『カンパチという魚だど。このあたりで獲れる魚だど』

ヒサミツは上機嫌で答えた。


『ジュアル殿は、旅の途中でしたな。ゴマシカの魚を沢山たべていってもんせ』

そう言いながら、何か透明な液体を口に入れていく。芋で作った蒸留酒らしい。ジュアルは酒が飲めないことにしてあるので、ヒサミツはジュアルに酒を勧めることもせず、楽しそうに飲んでいた。

(警戒するに越したことはない)


・・・


翌朝、パンにスープとベーコンエッグという、ちょっと場違いに思える食事を食べたのち、ジュアルは馬車に乗せられた。

昨日の討伐に関して事情を説明するように言われたからであるが・・・周囲に護衛が10人も付いている。明らかにおかしい・・・。しばらくすると、小高い山の手前に大きな城が見えてきた。この地方最大の勢力らしい大きさである。堀に掛かった橋を抜け、門をくぐっていく。何故か、途中で止められることも無かった。そして案内されたのは、豪華な応接室であった。壁には、昨日見た海に浮かぶ島が描かれた大きな絵が掛かっている。メイドと思われる女性がお茶を置いて出ていった。どうやら、ここで待機らしい。


(おや、このお茶は緑色だな)

発酵させていないと思われる茶葉で入れたと思われるそれは、緑色をしていた。ジュアルは一口飲んでみる。

(美味しいな)


すると、ヒサミツと共に、何人か人が入って来た。皆軍人らしい。軍服を着ている。


『いや。ジュアル殿。待たせたね。こちらが、ゴマシカ軍将軍、イエヒサ様だ』

ヒサミツはそう言って、入って来た軍人の中で、一番身なりの良い男を紹介した。


『レベルDの冒険者、ジュアルです』

失礼の無いように慌てて挨拶すると


『ジュアル殿といったな。今回はサクラ一家を討伐してくれたこと大変感謝している』

イエヒサはそう言って、用意されていたソファーに座った。


『・・・だったのです』

ジュアルは、ルミズタを出港してからの出来事を説明した。その内容に、時々頷くイエヒサに周囲の軍人が何か耳打ちしている。それらが終わると


『君の説明は船頭からの報告、及び、昨夜、サクラ一家の拠点を調査に言ったもの達の報告と整合がとれていた。今回は本当に助かった。改めて礼を言わせてもらおう』

どうやら、船頭からは別に説明を受けていたらしい。更に、夜の内に軍を派遣してサクラ一家の拠点まで調査済みとは・・・

(何かおかしい)

30人ばかりの賊である。これだけの軍があるのなら、簡単に討伐できたはずである。


『我々の様子が解せないという感じだね』

イエヒサがジュアルの様子を見ながら言った。


『実はね。彼らは謎の結界を駆使しながら、点々と場所を移動していたんだ。なので、見つけても結界を張られてしまいいつの間にかいなくなってしまい、どうやっても捕らえられなかったという訳だ』

『結界?』

イエヒサの説明にあった結界という言葉にジュアルは引っ掛かった。

(この世界にある結界は、開放前の飛行場を守ることに使われていた・・・だが、賊の拠点に結界があったというのはおかしい。話の様子だと、この賊は任意の場所に結界を張れたことになり、更に、その結界から別の場所に移動出来たことになる。

『我々は、彼らが使っていた結界がどうやって作られていたのか調べたくてね。だが、今のところ何も手がかりが見つからない。つい先日も、ノヤカの結界が急になくなったらしく、調査に向かうことを検討していたところだったのだ』

本来は、冒険者に話すことなどなさそうな話をするイエヒサにジュアルは戸惑いながら、


『ああ・・・だから、ノヤカの冒険者ギルドの様子がおかしかったのですね。おかしい思ったので、直ぐに出てしまったので・・・』

ジュアルがノヤカのことを話すと、軍人達が反応した。


『なるほどね。実は、ノヤカにやって来た旅の冒険者が、しばらく滞在すると冒険者ギルドに言いに来たにも関わらず、直ぐにいなくなってしまったと報告がきていたのだよ』

(どうやら疑われていたらしい)

ジュアルは内心動揺していた。


『私は旅をしているだけですから、様子がおかしいと思えば、面倒が起こる前に次に移動するようにしているのですよ』

ジュアルは内心の動揺を隠しながら答えた。その後、ゴマシカから派遣されるノヤカの遺跡(結界があったところを彼らは遺跡と言っていた)調査に参加するように依頼されたが、ジュアルは旅を続けたいと言って断り、サクラ一家の報奨金を受け取ってから、開放されたのである。


・・・


(やっぱりな・・・)

城の前から歩き出したジュアルを尾行するものが数名ついてきた。

とりあえず、一旦開放されたようですが・・・

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