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第39話 ノヤカの街

ノヤカの街に入ったジュアルですが・・・

 街の中心付近に冒険者ギルドがあった。ノヤカの飛行場に降りてから、不眠不休で動いてきたのでくたくたである。冒険者ギルドのすぐ脇に、“冒険者の宿 ノヤカ亭”と書かれた扉が目に入った。

(似たような名前が多いんだな・・・まさかチェーン店じゃないよな)


ジュアルが扉を開くと、目の前にカウンターがあり、おばさんが座っていた。


『1人なんですが・・・』

ボアが言いかけると


『1泊銀貨3枚だよ。夕食と朝食を付けると銀貨5枚だ』

(マトヤと同じだ・・・)


『夕食だけだと・・・』

『銀貨4枚だ』

ボアが最後まで言い終わらない内に回答があった。

まだ、パンはあったので、

『じゃあ、夕食のみ付けてください』

ボアはそう言いながら、銀貨4枚を出す。

おばさんは銀貨を回収すると、

『部屋は2階の一番奥だよ。食事の時は、この札を持ってきてね。今からでも食べられるよ』

部屋の鍵と思わる木の板とオレンジに色に塗られている夕食用札を差し出すと、にっこりとほほ笑んだ。

(マトヤの宿そっくりだな)

あまりに酷似した状況に驚くジュアルであった。


・・・


部屋の作りには、ちょっと違っていた。南に位置するためか、窓が大きく、風が通るようになっている。冬の寒さより、夏の暑さを優先した作りになっていた。部屋ですることもないので、夕食を食べようと1階に降りていく。

まだ時間が早いのか、他に客はだれもいなかった。


厨房の入り口で、オレンジ色の札と交換で食事を受け取って、窓側の席に座った。何も説明を聞かなくても、ここまでマトヤの宿とそっくりであれば、聞くまでもない。


『今日は変だね・・・誰も帰ってこないんだよ。何か知らないかい』

先程入り口にいたおばさんがやって来た。


『そうなんですか?この街に来たばかりなので・・・』

ジュアルが口を濁すと


『そうなのかい。いつもだと、冒険者たちが帰って来て宴会を始める時間なんだけどね。こういう時は、何かギルドで大きな出来事があった時くらいなんだよ』

おばさんは、そう言うと、商売上がったりと言わんばかりに両手の平を上にしてからカウンターに戻っていった。

(もしかして、結界が無くなったことが伝わったのかも・・・)

ジュアルは黙って夕食を済ますと、そのまま2階の部屋に移動して、久しぶりベッドで夢の世界に旅立ったのであった。


・・・


 翌朝、起きると1階が騒がしくなっていた。朝食は頼んでいないので、異次元ポケットからパンを取り出して食べ始める。水筒を投げてしまったので、補充しておく必要があることを思い出しながら、宿を出て、とりあえず冒険者ギルドに入った。


(おお・・・ここのギルドは熱い)

ギルド内は異様な熱気に溢れていた。


『おい・・・聞いたか、飛行場の結界が無くなってらしいぜ』

『おう・・・聞いた。それで、調査隊は特別編成されるそうだ』

冒険者たちの話が耳に聞こえてくる。

(やっぱり結界が無くなったことが知れたんだ)

このギルドの様子がおかしいのも、結界が無くなったことと無関係ではないらしい。


冒険者ギルドの受付カウンターに行くと、耳の長い獣人の方が現れた。

『ようこそ、ノヤカの冒険者ギルドへ。見慣れない方ですが初めてですか?』

そう言ってほほ笑んだ。

『ええ、昨日、ここに着いたものです。しばらくここに滞在しようと思っているので、今後ともよろしくお願いいたします』

ジュアルはそう言って頭を下げた。


『まあ。ご丁寧にありがとうございます。そんなに丁寧に挨拶してくれる冒険者の方に始めて会いました。今日は如何されますか?』

耳の長い獣人さんはニコニコしている。


『ここに来るまでに仕留めた魔物の魔石を買い取ってもらえないでしょうか』

『もちろん可能です。出していただけますか』


ジュアルは異次元ポケットから、ゾベミの出張所を出た後、道中で狩った魔物の魔石を出した。


『まあ、かなりありますね。少々お待ちください』

てっきり、預かりで翌日査定額の提示かと思いきや、そのまま、奥にいたメンバーを動員して査定を始めたのである。1時間後、提示された金額で魔石を引き取ってもらい、貰った金は、全て異次元ポケットに収納したところで


『ところで、飛行場の結界が昨日なくなったのはご存知ですか?』

耳の長い獣人のギルド受付職員が言った


『ええ、周囲で話している声が聞こえているので何となく・・・』

ジュアルは口を濁した。


『実は、2日前にクブコの街の兵が一反木綿様の村を襲って返り討ちになったらしいのです。そのとき、空からこの街の飛行場に何か降りたらしいとの情報がありまして・・・』

申し訳なさそうに話す、耳の長い獣人さん。どうやらギルド内部で情報収集の命令が出ているらしい。どうやら、ダンジョンを攻略しているうちに1日経ってしまっていたらしい・・・。


『私は昨日来たばかりですから・・・』

そう言って口を濁すジュアルに

『そうですよね』

と何故か納得している耳の長い獣人のギルド受付職員さんであった。

どうやら、ダンジョン攻略中に1日(一晩)経ってしまったらしいです。冒険者ギルドでの対応が何となく引っ掛かるジュアルなのでした。


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