第35話 第三格納庫
吸雷とくれば・・・
隣りの格納庫入り口まで来た所、ここにも張り紙があった。
=第三格納庫=
第一、及び第二格納庫をクリアしたもののみ入ることが許される
(大きなお世話だ!)
ジュラルは扉を開けた
(???)
入った瞬間、かなり広い空間・・・何故か地面が白い雲のような何かである。どういう訳か、普通に立っていられる。そしてよく見ると、看板が1つあった。近寄ってみると
=さるっがのダンジョン=
ダンジョンを歩いていると雷雲から電撃を受ける。5回電撃に耐えると、エリア中央に碑が現れ、雷神と戦うことができる。
(さるっがって何だ?)
不明なところはあるものの、とりあえず歩き回ることにした。先ほど習得の“吸雷の魔導書”は常時発動らしく、特に呪文はない。勝手に魔力変換されるらしい・・・。
(ちょっと不安だけど)
しばらく歩いていくと、上空から雷が飛んできた。あまりの速さに避けることが出来ずに直撃・・・のはずだったのだが、雷がジュアルの体に当たった瞬間、雷は消滅。今まで減っていたMPが全快に回復している。
(これはずごい力かも・・・)
痛みも傷も全くないので、全て変換されたらしい。
(これは楽勝だ)
ジュアルがそう思った次の瞬間、黄色い子犬のような何かが数体、襲い掛かって来た。咄嗟に身を躱し、ショートソードで切り掛かる。何故か全く効果がない。剣がそのまま通り過ぎ、切り口はなにごとも無かったように再生してしまう。
(こいつは面倒だ)
と思った次の瞬間、電撃を放ってきた。全く躱せていないが、全て魔力変換されて、一時的に大量の魔力を保有している状態になっていた。
(この魔力ってつかわないと、ヤバイのでは?)
『アイスエリア』
一時的に保有していた魔力を放出して発動させた結果、周囲のかなりの範囲が凍ったようである。すると、周辺の雲が突然消滅し始めた。ドーナツ型に空いた空間に、黄色い子犬のような何かは全て落下したのかいなくなっていた。
(ひょっとして雲を冷却したら、氷になって落下していった?)
状況を理解しきれないまま、ジュアルはしばらくそのまま立ちすくんでいると、1分としないうちに、雲は再生されてしまったのである。再生された雲は、特に問題なく歩くことも出来た。
(さっぱり解らん)
ジュアルは黄色い子犬のような何かがいなくなった空間を歩いていくと、再び、雷が飛んできた。今回も躱すことも出来ずに直撃だったはずなのだが、全く痛みも傷もない。全て、魔力に変換されていた。
(まさか、また攻撃してこないよな・・・)
と思った直後、今度は、星形をした何かが急接近してきた
『ピカー』
星形をした何かが叫んだあと、雷撃はジュアルを襲った。
(多分大丈夫)
とジュアルが思った次の瞬間、雷撃が当たった個所に痛みが走った。ジュアルは慌てて確認すると、特に傷はない。だが、痛みはあった。変換された魔力は増えていたので、威力のほとんどは魔力に変換されたのだろうが・・・。
(よくわからん・・・早く倒そう)
『アイスエリア』
星形をした何かの周辺に発動させた結果、星形をした何か周辺の雲は無くなった・・・にも関わらず、星形をした何かはその空間に浮いていた
(こいつ落ちていかない!)
そう思っていると、星形をした何かはジュアルに向かって突進してきた。星形角をジュアルに向けて・・・。
(ヤバイ!)
ジュアルには、咄嗟に、異次元ポケットから水筒を取り出し、投げつけた。特に意味があった訳ではない。何か投げるものと思って取り出したのがたまたま水筒だったのである。
水筒は、星形をした何かに当たると、その拍子に栓が緩んだのか、中に入っていた水が星形をした何かに掛かった。それを見たジュアルは
『アイスエリア』
を星形をした何かに向けて発動させた。その結果、水筒の水が凍ったのか、星形をした何かは動きが止まり、落下?していった。何故だかよくわからん・・・。
・・・
その後、落雷ごとに、黄色い子犬のような何かか、星形をした何かが現れたが、いずれも、同様に撃退した。5回目は、黄色い子犬のような何かと、星形をした何かの両方が現れたが、異次元ポケット内に収納していた飲み水とアイスエリアを使うことで撃退したところ、白い雲は消え、格納庫内になった。ただこの真ん中に碑があること以外・・・。
ジュアルが碑に近づくと、輝きだしたかと思うと直後に爆発した。爆風に耐えながら収まるのを待つと、そこには1冊の本とその上に1枚のカードがあった。
(あれ・・・どうして怪我していないのだろう?)
近くで碑が爆発したにも関わらず、無傷であることに気が付いたのである。
いろいろ理解出来ないまま、カードと本を拾うと、ジュアルは破顔した。
カードは、予想通り
“第三格納庫のカード”
と刻印されていたである。
そして本には、
“サンダーボルトの魔術書”
と書いてあったのである。
(これで攻撃魔法が増える)
ジュアルはにやけながら本を開いてみる。魔導書の頁を全てめくった結果、魔導書は謎の炎を上げて燃え、消滅した。
(うん。使えそうだ)
予想通り雷撃を打てるらしい。
・・・
格納庫の出入り口の脇には人が一人通れるだけの小さな扉があった。ジュラルが扉のノブに手を掛けて押すと、簡単に開いたのである。その先には見覚えのあるノヤカの飛行場の光景が広がっていた。
(3つクリアだな)
ジュアルは次の格納に向かうことにしたのだった。
黄色い子犬のような何か、星形をした何か・・・ご想像にお任せします。




