第34話 第二格納庫
律儀に張り紙が多いダンジョンのようです。
外から入れないようにしてしまったので、来る人がいなかったようです。
隣りの格納庫入り口まで来た所、ここにも張り紙があった。
=第二格納庫=
第一格納庫をクリアしたもののみ入ることが許される
(大きなお世話だ!)
ジュラルは扉を開けた
(???)
なんと、中には、かなり広い空間に池が10個あった。湯気が出ているもの、気泡のようなものが出ているのかポコポコと音を立てているものもある。
『侵入者よ!10の池を冷ました時、第二格納庫の鍵は与えられるだろう・・・ハハハ』
どこからともなく声がジュラルに聞こえてきた。
(さっき覚えた“アイスエリア”を使えってこと?)
ジュアルは早速一番近くの池に近寄ってみた。
すると、池の中から老人が湧き出てきた
『ほほほ・・・驚くでない。我は、イラアユーユーランドというものじゃ。歳でな、隠居の身じゃ・・・若返りを謀ろうと画策していたところじゃ』
そう言うと何かをジュアルに向けて打ち込んで来た。咄嗟ジュラルが避けると、避けた先の壁が溶けていく・・・。硫酸のような水玉らしかった。
(はあ?まずは試してみるか)
ジュアルは、池の縁までくると、
『アイスエリア』
とちょっと魔力を多く込めて発動させた。池の面があっと言う間に凍りつき、沸き上がって来た老人も氷の彫刻のようになっていた。
ジュアルが、おっかなびっくり、凍り付いた池面に足を置いてみたが、出来た氷は頑丈らしく、ジュラルが乗っても割れるようなことは無かった。ジュアルはそれでも警戒しながら池面を老人の所まで来ると、ショートソードで袈裟懸けにしようとした・・・。だが、ジュアルのショートソードが凍り付いた老人に当たった瞬間、何故か老人はバラバラに砕け散ってしまったのであった。
(何で?)
池面の氷に亀裂が急に広がったので、ジュラルは慌てて池の外に飛び退いた。
・・・
残り9個の池もほぼ同様で、現れたのが
クラサと名乗る中年女性
コウプラザケンと名乗る若い男
タカユと名乗ったおじさん
マデラヤと名乗った商人風の男
イヘイタと名乗ったおじさん
レアイフと名乗った老婆
ゲンコンと名乗った爺さん
ピルランドア=カモトサ男爵と名乗った男
イメイスと名乗った若い女性
と僅かな違いこそあったもの、いずれもジュラルが池に近づくと水の玉を投げて来た。恐らく、当たれば無事で済まないであろうことは想像できたが、1つもあたらなかったので威力は不明である。試しにいくつかは異次元ポケットにそのまま収納したが、特に何事も無く収納されている。
何れも
『アイスエリア』
とちょっと魔力を多く込めて発動させたて、池の面があっと言う間に凍りつかせた。沸き上がって来た人も氷の彫刻のようになったところを、ショートソードで粉々にしていったのである。
10個の池を全て、倒すと、風景が一変し、第一格納庫で見たような碑が立建っていた。
“恋人たちの整地 =偽物=”
(偽物って自ら名乗るのか?)
そして、碑の手前には、一冊の本とその上に1枚のカードがあった。
(何か嫌な予感がする・・・)
ジュアルは、碑に
『アイスエリア』
を掛けた後、
『ファイヤーボール』
を打ち込み、再び
『アイスエリア』
を掛けた後、
『ファイヤーボール』
と5回繰り返したところ、碑は砕け散った。
すると、何となくジュアルが感じていた嫌な予感は消え去った。
(一体なんだったのだろう・・・よくわからない)
ジュアルがカードと本を拾うと
“第二格納庫のカード”
と刻印されていた。
(やっぱり)
本は、表紙を確認すると、
“吸雷の魔導書”
と書いてある。
(聞いたことがないな)
ジュアルは本を開いてみる。魔導書の頁を全てめくった結果、魔導書は謎の炎を上げて燃え、消滅した。
(うん。使えそうだ)
どうやら、雷属性の攻撃を吸収して、魔力として一時保存出来るらしい
(でも試しようがないな・・・)
ジュアルがそんなことを思いつつ顔を上げると、草原は消え去り、何もない格納庫内部の風景になっていた。
・・・
格納庫の出入り口の脇には人が一人通れるだけの小さな扉があった。ジュラルが扉のノブに手を掛けて押すと、簡単に開いたのである。その先には見覚えのあるノヤカの飛行場の光景が広がっていた。
(2つクリアだな)
ジュアルは次の格納に向かうことにしたのだった。
妙な魔法を得たようです。
落雷をエネルギーとして使えたら・・・ちょっと厳しいかな。




