第32話 クブコの街軍勢とノヤカの街の飛行場
一反木綿の実力を知らないジュアルは、一人で軍勢を撃破しようとしています。
セスナ172を出して見ると、予想通り、車輪が少し土にめり込んだ。このままでは、離陸も難しい。すると、村人たちが、セスナ172の滑走する先に板を敷き始めた。瞬く間に500m先まで敷き詰められた板の上にセスナ172は乗っていたのである。
(離陸したら、二度と着陸できないな・・・)
村長には、ユウに話したことを伝えた。村長は悲しそうな顔をしたあと
『村は一反木綿様と必ず守ります』
そう言ってお辞儀をしたのである。
点検を行い、エンジンをスタートさせた。爆音が周囲に響く。ユウは右席に折りたたむように乗り込んだ。飛び出すことが出来るように、後部座席にある写真撮影フライトの窓を開けておく。
フラップを20°まで降ろした状態で、村人たちが敷き詰めてくれた板の上を滑走させ、機体が浮き上がったところで、上昇せずに速度を上げていく、65㏏を超えてから上昇させたころには、敷き詰めた板の外に出ていた。
村を一周旋回し、左右に翼を振ってから、山道上空をクブコの街に向かって飛んで行く。5分もしないうちにクブコの街の軍勢を見つけることが出来た。
(あいつら、飯でも食う気らしい)
どうやら、村を襲う前に腹こなしということらしく、炊飯の煙が数か所から上がっていた。
『ユウ。見ていてくれ』
高度1000ftで60°バンクで旋回を始める。速度は60㏏をキープしながら、軍勢の上空を旋回し始めた。フラップを出さないと失速する速度である。操縦席の窓を開け、下に向かって
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
と5発打ち込んだ。突然、轟音と共に空から現れたセスナ172から飛んできたファイヤーボールに慌てているのが上空からも見える。持ってきた物資を放置してクブコの街に逃げていくのが見える。どうやら上手く行ったらしい。
『ユウ・・・後は頼むよ』
そう言ってジュアルは
後部座席に空けてある、写真撮影フライトの窓を指ささした。
ユウは小さくお辞儀をしたのち、写真撮影フライトの窓から飛び出した。旋回しながら様子をみていると、ユウは逃げていく軍勢を追いかけている。
(あいつ早いんだな・・・)
予想以上の速さで飛行するユウに驚きながら、ジュアルはセスナ172でその様子を見ていたのだった。
軍勢に追いついたユウは、軍勢の前に回り込み、一旦、敗走する人達を止めた後、再びその背後に回り込み、何かを軍勢に投げていた。あてられた兵士は、よろけながらも、そのままクブコの街に向かって走っている。すると、ユウは軍勢を追いかけるのをやめ、セスナ172に近づいてきた。思わず手を振ったジュアルに、どこから出てきたのか、ユウは手の形を作って振って見せた後、村に帰っていった。
(これで大丈夫だろう・・・)
ジュアルはNDBを238にセット。その指し示す方向に飛行するのだった。
・・・
山を越えるとすぐに飛行場は見つかった。街の真ん中にある滑走路。長さと幅の異なる2本の滑走路があった。左側の滑走路の方が広くて長い、手前には28という文字とその更に手前にLという文字が見えた。
(これが、ノヤカの飛行場か・・・)
右側の短い滑走路の更に右に駐機場がある。駐機場までは少し離れているようで、何もない草原のようになっている。
フラップを30°まで下げ、そのまま着陸態勢に入る。速度60㏏を切らないようにして、滑走路に進入、2250mある滑走路の中ほどに無事着陸したセスナ172は、そのまま滑走路端まで移動、誘導路に入って、駐機場に移動していった。
(さあて・・・ここもダンジョンなんだろうな・・・)
駐機場の北側には5つの建物があった。その奥にはいくつか建物が見える。どうやら、敷地全体がダンジョンのフィールドのようになっているらしい。
セスナ172を仕舞った後、ジュアルはショートソードを取り出した。これは、ライガーが、折れた剣の代わりにくれたものである。それは、見た目はマトヤの冒険者ギルドで手に入れた剣とそっくりながら、明らかに魔力の影響で能力が向上しているのがジュアルにも判る業物の剣だった。
一番近くの建物に近づいて見ると、入り口に何やら張り紙があった。
=ノヤカフィールドダンジョンのへようこそ=
誘導路脇にある5つの格納庫にいる中ボス、その奥にある司令部にいるボスを倒すと、シリョウカンに眠る英霊と会うことが出来る。
英霊が承諾しないとこのフィールドは開放されない(結界が外部からの侵入できないようにしてある)
健闘を祈る!
(結果の外に出るには英霊に結界を解除してもらう必要があるということらしい・・・)
ジュアルは張り紙を破いて、その格納庫の扉を開けたのだった。
舗装されていない滑走路を離陸する際は、出来るだけ早く浮上させ、速度が着くまで上昇しないようにしています。
ここにも、街の真ん中に謎の結界があるようです。




