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ジュアル=ラィシカーラクセンの冒険=異世界転生?した自家用パイロットの数奇な人生=  作者: OPPA
第1章 ボナ誕生(ジュアルになるまで・・・)
28/88

第28話 トレアセントからゴシマカへ

毎朝6時投稿予定です。

 ボナは温泉に浸かった後、脇にある小部屋に戻って、異次元ポケットに収納していた干し肉とパンを取り出し食べ始めた。ユウに干し肉を与えると、そのまま丸呑みしてしまった。体の大きさに対してどこに干し肉が消えたのか謎である。どう考えても手のひらサイズの布に干し肉の塊は入る余地がない。

(まあ・・・考えても分らないし)

温泉施設を出ると、ダンジョンはその姿を変えていた。何故か沢山の売店が並び、コボルトもどきやケットシーもどきが店員として愛想よく店番をしている。先ほどまで闘っていた記憶のあるボナにとって、違和感を感じる光景であった。

(まあ、客はだれもいないし・・・)

2階を見ると、何人かの冒険者らしき姿が見えた、ダンジョンではなくなってしまった姿にただ呆然という感じである。


・・・


1階まで降りると、滑走路への出口の扉が用意されていた。ボナが扉を軽く押すと、それは簡単に開いた。


『おおっ。駐機場に滑走路だ!』

目の前には広大な駐機スペースがあり、その奥には立派な滑走路があったのである。


ボナは、セスナ172を取り出した。マキコ村の飛行場で仕舞ったままにしていた機体である。ボナは燃料の残を確認すべく、主翼によじ登って燃料口を開けてみた。


『えっ! なんで!』

何故か、左右の主翼には満タンの燃料が入っていたのである。念のために水抜きを行うと、それは、間切れもなくAVGAS100LLであった。


『ねっ大丈夫でしょ』

ユウがボナの周りを飛行しながら言った。


(こいつ何か知っているのかも・・・)

ボナはユウを見つめていた。


・・・

エンジンオイルの量は勿論、計器その他異常はなさそうである。つばをつけてその指を立ててみれば、僅かに北風が吹いていることが判る。この滑走路は南北方向に3500mあるので、滑走路の南端36と書いてある部分から北に向かって離陸滑走することにした。


左側のドアを開けて室内に入る。離陸準備を開始した。フェイルセレクタバルブをBOTHにセット。サーキットブレーカーがオールインしていることを確認。プライマリーを数回動作して燃料を送り込み、エンジンをスタートさせる。

セルモータで数回回転した後、エンジンが掛かる。アビオニクスパワーを入れて、無線のスイッチを入れる(でも交信する先がない)QNHはわからないので、このあたりの海抜4mを参考にセット。

とりあえず、121.5MHzに合わせておく、エンジンの温度計がグリーンの中に入ったことを確認。エンジンの回転数を1700rpmまで上げたのち、マグネトーチェック。回転数現象は30rpm程度(50rpm以内だから大丈夫)、その後、1000rpmまで回転数を下げた後、ミクスチャーを引いてエンジンが止まりそうなになるのを確認。元のとおり奥まで押し込んでから、アイドルチェック、700rpmをちょっと下回るくらいなのを確認してから、アクセラレーションでフル回転にしてみる。問題なさそうなので、直ぐに1000rpmに戻し、パーキングブレーキを解除して滑走向きに合わせた。

滑走路になにもいないことを確認して、ミスクチャーのフルリッチを確認してから、スロットをフルに押し込むと、セスナ172が滑走を始めた。速度が56㏏で操縦桿を僅かに引くと、機体が浮き上がった。ふとターミナル(元ダンジョン)を見ると、赤い帽子を振っている何かが、展望デッキにいるのが見えた。

(まさかフーくん?)

そのまま速度が70㏏を超えるまで待ち、その後は70㏏を維持するように上昇する。高度3000ftで水平飛行に以降、燃料節約のため、ミクスチャーをリーンにセットする。

進路を南西にとって、薄っすらみえる半島を目指して飛んで行く。ユウは、狭い機内で飽きたのか、右席でおとなしくしている。

(まあ、しばらくは海上だし・・・)

半島に近づくまでは、景色はあまり変わらない。それでも、1時間後には、半島を横断、半島の西側にでたのである。ここからは、進路をほぼ西に向け、海の先にある大きな島、コクシ島を目指しての飛行になる。ボナが右席を見ると、ユウはおとなしくなったまま、ピクリともしない。

(極端だな・・・)

離陸してから2時間くらいコクシ島の南海岸を飛行していると、地上に滑走路が見えた。どうやらウチコ飛行場らしい。ここは、周辺に街がないので、そのまま通過すると、再び海上へ。遥か遠くに、ヤザキミ地方と思わる陸地があるが、ここから約1時間はひたすら我慢である。何せ、前方の景色にほとんど変化がないのである。VOR1を112.4MHzにセットして、計器をチェックしながら高度と飛行姿勢を確認しつつ、ひたすら陸地を目指して飛行すると、離陸してから3時間30分くらいしたとき、目の前にヤザキミの飛行場が見えてきた。ここには、直ぐ北にタバルニュウ飛行場がある。ここで、VOR1を115.7MHzにセットして、ゴシマカ飛行場を目指していく。山間を抜けていくと、丘の上に滑走路が見えてきた。

『もうすぐゴシマカ飛行場だそ』

ボナの言葉にユウがむっくりと起きた。と思ったら、窓ガラスの外を嬉しそうに見ている。調度、ベースターンに入ったところ、前方、左斜め先には、この地方の象徴ともいえる活火山がある。ユウの目にも入ったのだろう、嬉しそうに飛び回っている。

(飛行中は、大人しくしておいてほしいのだけど・・・)

ボナのそんな願いもむなしく、ユウはファイナルコースに入っても室内を飛び回っている。そして、離陸してから4時間ちょっと過ぎたころ、セスナ172は無事、ゴシマカ飛行場に着陸した。ここも広い駐機スペースがある飛行場である。ターミナルのすぐ脇にセスナ172を止め、ボナは飛行機から外に出た。ユウは嬉しそうにボナの周りを飛び回っている。ユウの地元をここから南東に少し行ったとこころにあるはずなので、彼を帰還させるのもあと一歩ということ来たのである。

(ここのターミナルはダンジョンなのかな・・・)

ボナは半ば判っているはずなのであるが、何事もなく飛行場の外に出れることを願っていた。

(無理だよね・・・はあ)

4時間操縦したあとはヘトヘトです(実体験)。

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