第26話 化け猫とトレアセントダンジョン2階
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ボナはコナメトの街が開門されるとともに中に入った。冒険者ギルトのカードを見せても門番が何も反応しなかったのを見ると、ゴヤナの街やタチ村のことは伝わっていないらしい。
トレアセント島に向かう橋を目指そうとするボナは、串焼きを2本買おうと屋台に近づくと
『串焼き2本くれ』
『毎度!』
ボナの声に屋台の主から元気な返事が返ってきた。夜通し歩いていたにもかかわらず、何故かテンション高いボナであったが
『トレアセント島に行くのかい?』
屋台の主は焼き上がった串焼きをボナに渡しながら言った
『はい』
特に考えも無しに答えたボナであったが、
『橋の手前に居座る、化け猫を退治してくれよ・・・あいつのせいでトレアセント島に行く冒険者がいなくなっちまって困っているんだ』
(どういうこと?)
ボナは、屋台の主の言葉が理解できなかった。首を捻るボナに
『橋の手前に行けばわかるよ。あいつを何とかしないとトレアセント島に行くことが出来ないんだ・・・全く、商売あがったりなんだよ』
屋台の主はそう言うと、肩をすぼめた。
・・・
(奴か!)
橋の手前まで来たボナは、屋台の主の言葉を思い出していた。2本の串焼きの内、1本は、いつの間にかユウに食べられてしまっていた。どう考えても、ユウの体積より大きい串焼きがユウのどこに消えたのか謎である。
橋の手前、通行を邪魔するように立ち塞がった巨大な白い猫は、何故か、近位との楕円形の板を持っていた。
『あいつねえ~。この葉っぱが好きらしいよ』
ユウがどこから持ってきたのか1枚の葉っぱを持ってきた。
(ん?)
ボナはユウから渡された葉っぱを持ったまま、巨大な白い猫に近づいた。
『おい!邪魔だからどいてくれ』
叫んだ。
巨大な白い猫は、ボナをしばらく眺めた後、手に持っていた葉っぱを見つけると、ボナに向かって突撃してきた。慌てて避けるボナから、巨大な白い猫はボナが持っていた葉っぱを奪いとると、体を葉っぱにこすりつけ始めた。どうやら、ボナには興味がないらしい。
(屋台の主は退治してくれといっていたが・・・その必要ななさそうだな)
ボナは、ユウが纏わりつくように飛ぶのを放置しつつ、橋に向かって歩き始めた。
『ジュアル=ラィシカーラクセン様!』
巨大な白い猫が叫んだ。思わず振り返ったボナに
『トレアセント島のダンジョン3階にいるフーくんによろしくね』
葉っぱをすりすりしながら巨大な白い猫が言った。
(どうして、真名を知っている!)
ボナは、巨大な白い猫に手を振ってから、橋を渡り始めた。
・・・
橋を渡りトレアセント島に入ると、直ぐ右側に建物が見える。これがダンジョンらしい。巨大な白い猫が橋の入り口を塞いでいたため、見渡す限り誰もいない。
(船で来る奴がいてもおかしくないような気がするが・・・)
ボナが建物の入り口に向いながら不思議そうに歩いていくと
『巨大な白い猫は、冒険者では勝てないし、船で渡ろうとすると、あの猫、目からビームを出して攻撃するからね・・・』
ボナの疑問に何故か答えるユウであった。
(ユウは俺の心を読めるのか!)
ボナは無邪気飛び回るユウが少し怖くなった。
・・・
“ようこそトレアセントダンジョンへ”
1階の入り口には、張り紙がされていた。ボナが入り口に近づくと、扉が自動的に開く・・・。
(招かれているような・・・訳がないか)
ボナは中に入った。
広い空間になっている1階は特に何もいない。よく見ると、2階に上がる階段のようなものが見える。
(1階はなにもいない?)
不思議に思いながら階段の方に向かって歩いていくと、視界に小さい塊が浮かんでいることに気が付いた。紫、オレンジ、肌色、黄色の似通った4色の謎物体は
ふわふわと空中に浮かんでいる
(まるで空の雲みたいだ)
ボナが近づいていくと、
『敵発見!』
4色の謎物体はボナに向かって突進してきた。思わずショートソードで謎物体を払うと、
『だめ・・・勝てない・・・ボスに報告!』
4色の謎物体は、2階に消えていった。
(何だったんだあれ?)
ボナは首を傾げながら、階段に向かって歩いていく。
『2階が決戦場!』
ユウが楽しそうにボナの周りを飛びながら言った
・・・
2階に行くと、一面に雲のような何かが充満していた。よく見ると、右側は真っ白、左側は真っ黒である。そして、その境界付近には1階で見かけた4色の謎物体がいた
『あいつなの~』
『勝てないの~』
何から呟いている。
(そのまま通してはくれないか・・・)
ボナは、4色の謎物体に向かって
『ファイヤーボール』
を打ち込んだ。
すると、ファイヤーボールの飛んで行った部分に大きな穴が開いた。その先に3階に向かう階段が見えた。
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
ボナは少しずつ方位を替えながら、立て続けにファイヤーボールを打ち込んだ。徐々に晴れていく雲の切れ目に向かって走り出したボナは、気配を感じて、横に跳び退いた。ボナが跳び退いたところには、直後に稲妻が通り抜けていく。どうやら黒い雲は電撃攻撃をしてくるらしい。といっても、ボナの身体能力で十分躱せるものであった。
(黒いやつからやっつけよう)
ボナは黒い雲に向かってファイヤーボールを打ち込んだ。
化け猫・・・結局味方なのか敵なのか・・・正直あまり重要ではありません。




