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ジュアル=ラィシカーラクセンの冒険=異世界転生?した自家用パイロットの数奇な人生=  作者: OPPA
第1章 ボナ誕生(ジュアルになるまで・・・)
25/88

第25話 大きな布

毎朝6時投稿予定です。

 宿の夕食は、何か野菜らしきものが浮いているスープとパンであった。

(こいつは酷い・・・)

ボナ以外の客の姿はなく、どう見ても繁盛しているようには見えない。パンをスープに付け、飲み込むように食べ終わったボナは、部屋に籠り、どうすべきか考えていた。


(ここから南にある島・・・トレアセント島に滑走路がある。だが、滑走路の手前はダンジョンになっており、何故か3階に沼があるらしい・・・ここにいるボスを倒さないと滑走路に行けないはずだ)

ボナは、何故か頭にインストールされている知識を確認しながら考えていた。そんな中


『バケモンが出た~!』

1階から大きな声が聞こえてきた。ボナは、ショートソードを手に持って、1階に降りていくと、食堂だったところ一面に広がる大きな布がいた。


(おいおい・・・ここは違うだろう・・・て、どうして私は知っているのだろう?)

ゴシマカ地方にいるはずの化け物が何故か出現していたのである。


ボナは、左手にファイヤーボールを出現されると、大きな布がしゃべりだした。


『僕を連れて行ってくれ~』

(???)

まさか大きな布が話をするなど考えもしなかったボナは、驚いて目を見開いた。


『風に流されてしまって・・・こんなところまで飛ばされてしまったんだ。ゴマシカに帰りたい~』

大きな布は、そんなことを言いながら村の外に広がっていた畑に生えていた白い綿のような何かを食べていた。


『おまえ・・・何喰ってるんだ?』

ボナは思わず聞いてしまった。よく見ると、さっきまでいたはずのオーク女は見当たらない。


『僕の体の一部だよ・・・遠くに飛ばされてしまったから、帰るにためにも仲間を増やして力をつけないといけないんだ・・・』


(つまり・・・この大きな布は木綿なのか。だから、綿花を食べて成長させようとしている訳だ・・・)


ボナは左手に出していたファイヤーボールを消すと、


『連れて言ってやってもいいが、大人しく後部座席に畳まれていられるか?』

ボナは、この大きな布をセスナ172の後部座席に置いて移動させようと考えたのである。


『えっ!連れて行ってくれるの?』

大きな布が驚いている。


『ゴシマカ地方まで行けばいいんだろ』

ボナは大きな布に触れようとしたとき


『熱!』

大きな布が声を上げたかと思うと、勢いよく燃え始めた。ボナがふとみると、宿の入り口には村民と思わるものが手に松明を持っていたのである。恐らく大きな布に火をつけたのだろう・・・。


『くそ・・・大事な綿花が大損害だ』

どうやら、この大きな布は、かなりの綿花を食べてしまったらしい。何故r、この宿の食堂に来たのかはわからないが・・・


『熱いよう・・・』

大きな布は、何か言いたそうに灰になってしまった。


大きな布に火をつけた村民は、灰になったのを確認すると、さっさと出て行ってしまった。


(こりゃ・・・宿に泊まっているような状況じゃなさそうだ)

ボナは、部屋に戻って荷物をまとめると、食堂のテーブルに置いてあったパンを2個とって異次元ポケットに収納した。

(朝食は2個だったな・・・)


ボナは、星空の出ている中、村を出て南に向かった。

(大きな布をゴシマカ地方に返してやりたかったなあ・・・)

灰になってしまったことを思い出したボナは、歩き続けたのだった。


・・・


(やっと島が見えてきた)

東の空から太陽が顔を出したころ、ボナは、コナメト街の入り口に着いていた。トレアセント島には、ここから橋を渡れば行くことが出来る。街の門は未だ開門前らしい。門の前で異次元ポケットに収納していたパンを取り出して食べていると、何か周囲で音がした。慌ててボナが周囲を見渡すが、何もない。


(???)

首を傾げたボナの目線の先に、見覚えのあるものを発見した。但し、手のひらサイズになった大きな布であった。


『やあ・・・ついてきちゃった。ゴマシカ地方に連れてって!』

無邪気に言い放った元大きな布・・・手のひらサイズの布に


『お・・・お前無事だったのか!』

思わず叫んでしまったボナであった。


・・・


『驚いたでしょ・・・咄嗟に燃え残った部分だけになって隠れたんだ。そうしたら、ちょうどあなたが現れたんで、服の内側にへばりついていたんだ・・・すごいでしょ』

あっけなく話始める、元大きな布に


『そんなサイズで大丈夫なのか?』

ボナが思わず答えると


『だって、ゴマシカ地方に連れてってくれそうだったし・・・』

どうやら、自力でゴマシカ地方に戻るのは諦め、ボナに連れて行ってもらうらしい。


『お前に食わせる布は持ってないぞ』

ボナがいうと


『大丈夫!大きくならないのなら、パンでいいから』

(こいつ何者?・・・大丈夫なのか・・・)

ボナがどうしたものか考えていると、


『僕に名前をつけてくれよ』

手のひらサイズになった布は、ボナの周りをまとわりつくように飛びながら言った。


(あてもなかったし・・・たぶん。ゴマシカ地方まで飛ぶか・・・ちょっと遠いけど)

トレアセント島からゴシマカ地方までは約660kmある。セスナ172は約6時間飛行できるから90㏏(167km/h)程度として4時間で行けるはずである。


『よし・・・お前の名前はユウだ。私のことは、ボナと呼んでくれ』

ボナ何か決断したように、開き直って言った。


『ユウ・・・僕はユウ・・・でもなんでボナなの?ジュアル=ラィシカーラクセンじゃないの?』

ボナの周りを飛び回る手のひらサイズの布・・・ユウは無邪気に言った。


『えっ!』

(何故真名を知っている!)

ボナは無邪気に飛び回るユウを見ながら呆然としていた。


・・・


(燃料が足りないな・・・)

ゴヤナまで・・・正確には、マトヤの街の脇にあった滑走路からマキコ村の滑走路まで飛行しているので、そのままだと燃料が足りない。そして、インストールされている記憶だと、トレアセント島にはセスナ172の燃料は無いはずだった。


(途中で探せばいいか・・・)

『飛行機の燃料を補給しないと行けないから・・・・途中、何処か寄るからな!』

ボナはユウに話掛けた。


『大丈夫だよ』

ユウは、無邪気に飛び回り続けながら答えた。

大きな布・・・もう何かお気づきですよね


 ボナはジュアルという名前に違和感があるのか、今まで名乗っていたボナに戻ってしまいました。この様子を見ていた存在・・・神とボナに名乗った彼は、この街での出来事をもみ消す工作をしていたのです(知らぬはボナばかりなり・・・)。

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