第24話 ゴヤナの街
毎朝6時投稿予定です。
ゴヤナの街に入る人の長い列にボナは並んでいた。
(このあたりでは最大の街のはずだが、それにしてもこの商人の数は多いような気がるが・・・)
順番を待っているボナに、すぐ後ろに並んでいた商人が話しかけてきた。
『そこの冒険者さん。この街は税金が安いからなんだにゃあ~。だからゴヤナの街に優先的に来ているのだにゃあ~』
恐らく真面目に話しているのだろうが、ボナには
(こいつら猫か?)
と思わざるを得なかった。商人の話では、税金が他より1割安いため、他に売るより得らしい。ボナは門番に冒険者証を見せて中に入った。特に何も言われなかったことから
(マキコ村のことはまだ伝わっていないらしい)
街の中にある冒険者ギルドを見つけると、中に入った。
入るとすぐに水晶が目に入った
(最近、見てないからな・・・一回確認しよう、あの、自称神様がどのように書き換えてくれたのかも気になるし・・・)
ボナは、水晶に冒険者ギルドのカードをかざしてみた
登録名:ジュアル
レベル:E
HP 15/100 MP105/505
STR(力) : 70
VIT(体力) : 70
INT(知力) : 130
MID(精神力): 170
AGI(俊敏性): 250
DEX(器用度): 130
スキル
操縦(固定翼)
真名:ジュアル=ラィシカーラクセン
備考
異界からの訪問者、異世界のパイロット、異次元ポケット持ち、カーサ元帥討伐者、ビックういろう討伐者
(レベルがEなのは仕方がないとして、他のパラメータはかなりアップしているな・・・だが、備考欄にターミナルのダンジョンボス討伐者が残る?!・・・聞いたことがない)
備考欄が増えていることに多少の疑問を感じつつ、当座の資金を得るため、異次元ポケットに収納してあるオーク肉や魔石たちを買い取ってもらった。大きい街の冒険者ギルドだけあって、大量のオーク肉も魔石も買い取ってもらえたのであった。
金貨の袋を受け取ってボナが冒険者ギルドを出ようとしたとき、
『ジュアル。ちょっと待ってくれにゃ』
ギルドの奥から、髪の毛全て直毛のおじさんが声をかけてきたのであった。
・・・
2階にある会議室のような個室にボナは連れ込まれてしまったかと思うと、部屋の中にある、ソファーに座るように促された。ボナが座ったソファーの反対側にあった椅子に座った男は、
『おれは、ゴヤナの冒険者ギルドマスターをしているワムラカというものだにゃあ~』
と大声さ話始めた。
(出た、直毛猫星人!)
ボナは、警戒心を強めてワムラカを睨んだ。
『そんなに睨まないでほしいだにゃあ~。おみゃー討伐量があまりに多かったんで、何処で狩ったものか知りたかったのだにゃあ~』
ワムラカは、ボナが睨んでいるのを気にする感じを見せず、言い放った。
(こいつら・・・)
ボナは、右手で拳を作っていた。
『私は王都から来た冒険者だ。空からマキコにある空港に入り、ターミナル3Fの“ビックういろう”を討伐した。その後、空港の外に出た所でマキコ村出張所の冒険者たちに見つかり、私の討伐方法を聞き出そうと尋問し、宿に軟禁しようとしたので脱出してきたところだ。いったいどういううつもりだ!』
ボナはソファーの前にあったテーブルを右手の拳で叩いた。
『なに・・・空港のダンジョンをクリアしただとにゃあ~』
ワムラカは心底おどろいたように、のけ反った。
『あれは、どうやっても中に入れなかったのだにゃあ~。すごいのだにゃあ~』
ワムラカは、最初の言葉を忘れてしまったのか、独り言のように呟いた。
『・・・』
『・・・』
しばらくの沈黙の後、
『私は、放伐方法について説明する気はない。マキコ村出張所での扱いに納得していない。ゴヤナのギルドマスターとしてどういううつもりか答えてくれ!』
ボナは再びワムラカを睨んだ。
ワムラカは諦めたのか正気に戻り、
『確かに討伐方法を無理やり説明してもらう権限は、冒険者ギルドにはないのだにゃあ。だが、その方法を知りたいのだにゃあ~』
ワムラカは真剣な顔つきになってボナを見た。
(こいつ、マキコ村出張所の出来事を知っていてわざとしているな)
ボナは、この部屋の奥に見覚えのある冒険者が隠れているのを見つけ、確信した。
(この街はダメだ。早く脱出しよう・・・)
『もう一度だけいう、私はお前たちに討伐方法を話すつもりはない』
ボナはそう言うと会議室を出た。意外なことに、引き留められることも、妨害されることもなった。
脱出するにも、飛行場はそれほど沢山有るわけではない。だが、マキコ村に戻るのはボナには悪手に思えた。
(街の南にある島を目指そう・・・)
ボナは、そのまま島を出て一旦東に向かった後、海岸沿いに島を目指すことにした。
・・・
(確か、タチ村というのがあったはず・・・)
多少、回り道をしたが、5時間掛かってタチ村まで移動したボナであった。宿は1軒あるそうで、ボナはそのまま宿に入った。
『1人なのですが・・・』
『銀貨5枚!』
カウンターにいた、オークと間違えそうな体格の女性が面倒くさそうに言った。ボナは銀貨5枚をカウンターに置いたところ、オーク女は鍵らしき木の板を出してきた。
『夕食は、直ぐに食えるよ。明日の朝は、パンを置いておくから勝手に持って行ってくれ。2個までだからね』
そう言うと、厨房に消えてしまった。ボナがオーク女のおいていった木の板を見ると、
“2F1号”
と書いてある。ボナは階段を登って2階に行くと登ってすぐの部屋が1号室であることを発見した。
(酷い宿だ・・・)
モデルは・・・言うまでもないですね




