第22話 マキコ村ダンジョン
毎朝6時投稿予定です。
セスナ172を仕舞ったのち、ターミナルに近づくと、何やら動く影があった。異次元ポケットからショートソードを取り出し、警戒しながら歩いていく。ターミナルの中に入った途端、緑色の何かが跳ねてこちらに飛んできた。咄嗟に躱してショートソードで切り倒す。
(なんだ・・・スライムか・・・)
襲ってきたのは緑色したスライムであった。特に珍しくも強くもない。ボナでも問題のない相手であった。
が、その考えは甘かった・・・。
・・・
(なんで、こんなにいるの!)
建物の中にあった扉を開けると、一面、スライムであった。流石にこんなにたくさんのスライムを相手にするのは分が悪い。万一、酸を掛けられたら危ないかもしれない。
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
ボナは少しづつ向きを変えながらファイヤーボールを打っていく。ファイヤーボールが飛んで行く先にいるスライムは蒸発していった。しかし数が多い。かなりの数のスライムが生き残った。
(あれ?何か出来そうな気がする・・・)
ボナは両手をクロスするようにしたあと
『ガード』
と発したところ、ボナの体の周りに結界が出来た。
(よくわからないが、今はそれどころではない)
スライムが体当たりをしても、酸を吹きかけ来ても全く問題なくガードできている。試しに確認してみたが、ターミナルの外側の出口は開かなかった。
(これは、このターミナルのダンジョンボスを倒す必要があるのかも・・・)
ボナはマトヤの街に西にあった遺跡での戦い・・・カーサ元帥との戦いを思い出していた。
ボナはターミナルの南にある2階に上る階段を駆け上がった。他にいくところが無かったからである。階段を登り始めると、スライムたちはボナを追ってこなくなった。
(スライムはダンジョン1Fのみを住みかとしているということなのだろう・・・たぶん)
ボナは階段の途中に座り、休憩をとった。
・・・
しばらく休憩したのち2Fに上がると、今度はゴブリンが襲ってきた。こちらは細長い通路をゴブリンが駆け込んで来たので
『ファイヤーボール』
『ファイヤーボール』
と2発のファイヤーボールでゴブリンはほぼ全滅してしまった。スライムの時は魔石の回収どころではなかったが、今度は、生き残ったゴブリンにショートソードで止めさしつつ、魔石を回収した、討伐証明部位である右耳は、ファイヤーボールでほとんど焼失してしまったものの、一部、右耳が残っているものは回収した。
(我ながらせこいなあ・・・)
魔石は小銀貨1枚、討伐証明部位は銅貨1枚でしかない。魔石は100個以上あるが・・・今日の宿代くらい感覚で回収するボナであった。
2Fの各部屋ごとにゴブリン殲滅作戦を繰り返し、それが一通り終わったのを確認したのち、3Fに移動する。何故か、3Fは大きなフロアになっていて真ん中に何か大きな形をした何かがいた。
『お前がここのボスか!』
ボナが何か大きな形をしたものに叫ぶと、
『我はビックういろう・・・スライムを進化させたやわらかで、強化された姿・・・』
どうやら、フロアの真ん中にいたのは“ビックういろう”という化け物らしい。スライム進化とか言っているが、ただ大きいだけで、スライムのような俊敏な攻撃も出来ないらしい。しばらく様子を見ていると形を変形冴えながらこちらを覆うように向かってきた。どうやら面で押しつぶす気であるらしい。
(ひょっとして、普通に燃えるんじゃないかな?)
ボナは、ありったけの魔力を込めて、
『ファイヤーボール』
を放った。通常とりも大きく、直径1mくらいファイヤーボールは、“ビックういろう”を貫通して大きな穴をあけた。その出来た穴をボナはくぐって脱出する。すると、“ビックういろう”頂部に光るものがあった
(あれが魔石だろう)
“ビックういろう”は空いた穴を塞ぐように移動していた。どうやら、穴をあけたくらいでは、死なないらしい。
(であれば、魔石を取ってしまえ!)
ボナはジャンプすると、“ビックういろう”の頂部をショートソードで切り取った。切り離した本体と魔石がくっつかないように、魔石を蹴飛ばしてやると、“ビックういろう”の魔石に切り離された部分は急激に腐り始めた。
(げっ!くさい)
どうやら、魔力で強引に日持ちさせていただけらしく、魔石から切り離された結果、腐ってしまったらしい。
慌てて魔石のところに向かうと、魔石の周囲に残った、わずかなういろうがウジのように魔石の周りを這いまわっていた。
(こりゃ、魔石を破壊しないとだめなんだろうな・・・)
ボナは、ショートソードで魔石を叩き壊した。
・・・
魔石を破壊した途端、ターミナル内の全ての魔物は消えてしまった。2F、1Fのゴブリン、スライムも・・・。ボナが1Fからターミナル出口の扉を押すと、今度は簡単に開いた。
(なんかあっけない・・・)
そう思いながらボナが歩き出し途端、周囲を冒険者と思わる集団に囲まれた。
『お・・おみゃー遺跡から出てきたよな』
何故か冒険者の声が震えていた
他人の秘密は甘露?




