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交差する思惑

設定少し暴露会的な。

あと、カクヨムでも掲載復活させました!なろうより遅れての投稿にはなると思うのですが、ほんの少し違うというか、なんか謎の目線が入っているというかなので、もし興味があれば是非。

ユーザー名も同様ですので。

初めて彼女と出会った日。

私の人生の意味を理解した。


いつも思考がどっちつかずで、ただ純粋な願いもあまり持ち合わせなかった。

そして人間が嫌いだった。


そんな自分を社会性がないだけだと認識して、ただ周りに極力合わせるようにして自分を偽りながら過ごしていた。

今思えばなんと空虚な人生だったのだろうか。


などとお気持ち表明をしても意味がない上に、あとから思えば仕方のないことであった。


まさか、自分の中に魂が二つあっただなんて思いもしないんだから。


そんな昔のことを懐古していたら待ち合わせていた奴が来た。


男女ともに比較しても勝ちようがないほどの美形を持つ好青年。

そんな彼と待ち合わせしていたのは彼には全く似合わない人目のつかなそうな路地裏だ。


「よお、うまくやっているみたいだな。えーと、今は「コスモ・アルバ」って名乗っているんだっけか?上手いこと()()にも接触出来て、窮地を助けることもできた。今後のことを考えると信頼関係を作るための切っ掛けとしてはサイコーなんじゃないかあ?」


ふざけた口調で話す煙草を吸っている十代前半ほどに見える少年に対して美形の青年ことアルバはその存在との安堵感と同時にちょっとした呆れを覚えた。


「あまりふざけたことをおっしゃらないでください兄さん。確かに接触の方はうまくいきましたけどこっからじゃないですか。性格とか諸々考えても以前より知っている彼女とは大きくかけ離れているのですから油断はできませんよ。だいたいその体で煙草とか大丈夫なのですか?絵面とかもう最悪ですよ。」


それを聞いた少年は軽く「分かった、わあかった」と軽く返答し、先ほどまでの姿とは対照的に四十代

ほどのおじさんの姿となり煙草を吸い始めた。先ほどまでは中学生男子とかが来ていそうな服だったのにも関わらず、気づいたら黒一色のスーツ一式に変わっている。


「おじさんとしてはどうせ見た目なんて飾りみたいなものなんだからそこまで気にしなくていいんじゃないかなあって思うんだけどねえ。人間社会はもちろんそう上手くはいかないけど、特に私は人間っていう人間と接する機会ないし、なくていい。一番人間に近い関わりで仏様かねえ。」


そう言って男はフィルター近くまで吸いきった煙草を踏みつぶし、捨てた。

そして男は言葉を紡ぐ。

「そういえば弟よ。なんか聞きたいことがあるんじゃないのかい?暴食と接敵したそうだけど。」


「やはり兄さんにはお見通しでしたか。ええ、そうです奴と接敵した際に、兄さんから伺っていた名前と本人の認識との食い違いが発生しました。あれ自体は夢菜と同様の症状です。この地に呼ばれたばかりである私ではこの町の事情を正しく認識できません。あれらはいったいどういうことなんですか?

それに明星町って分かりやすい名前は彼女が関与しているということですよね?」


アルバは、この土地に自身がついた時から抱いていた疑問を兄にぶつけた。

それに対して兄は弟の抱く疑念の解消につながるようにしっかりと話し始めた。


「なんとなく、気づいていたかもしれないけどこの世界の人は理性しか持っていないんだ。生命には肉体と魂。その両方の概念が必要だ。そしてそれは本来輪廻の輪とも言える器官に放り込まれ、ランダムに魂と肉体は紐づけられそれが新たな生命になる。」


まあ、そこまでは理解してるわな。と前置きして男は次の話へと進む。

「そして肉体には本能が宿り、魂には理性が宿る。肉体は本能は今まで肉体が直接的に体感したことのある危険などに反応したりする、種としての、あるいは生命としての生存本能。そして理性が根本的に持たない欲求と言うものを司り経験する。それに対して理性は肉体を通して体感したものを間接的に経験とする。ある意味肉体の制御装置、本能に合わせて成長し、経験を理知的に蓄える。肉体とは違って状況に合わせて考えることができる。」


それ自体アルバは理解していた。肉体だけなら野性的に、魂だけなら感情を持ちえず、ただ目的のためだけに生きるようになると理解していた。

なぜならアルバはそのすべてを経験しているからだ。


「そこまでは理解しているのですが、なおさら理解できないのですよ。気配としては魂だけが()()ですが、この町の人達は魂に引っ張られず、肉体に寄っている?というか本能のみで生きているようにしか思えません。事実ナブッコは本当に自身の名前を忘れていそうでしたし、夢菜も忘れていそうです。思い出すっていう機能が都合よく肉体に引っ張られて忘れられているような気がしてなりません。」


アルバは見ていた。

平然としたやり取りの中に見える狂気とまで言えるような夢への執着を。


元来人は夢を持つ。

そして夢をもって、それを目指し努力する者もいる。

夢をもって、それに憧れを抱きそこだけで終える人もいる。

夢を目指しながら、夢に届かないもの。

夢を目指して、夢をかなえるもの。


この世に真に空虚な人間など存在しない。

肉体と魂がある以上は必ず欲が生まれ、必ず夢が生まれる。

生まれたての赤子でもそうだ。

必ず夢も生まれてくる。

みんなただ、夢との向き合い方やあり方を忘れているだけなのだ。


男はつぶやく。

「彼らの肉体はみな()()()()()()()()()()()()なんだ。

この町を作ったフィリア(夢を追う者)と称されるものたちによってね。かりそめの肉体というやつだね。君と同じように。

彼らの肉体は必ず夢にとり憑かれる。そして能力を得るためのより強い執念を持たせるために非情なバックグラウンドを持たせる。そして、【フィリアの書】と呼ばれる。執着する夢を持たせるものを何らかの形で見せて、その主人公の生き方をさせるように強制する。」


「なるほど。だから彼らはあんなにも自身の夢に執着して、その上で何かになろうとしているのですね。」


アルバは夢菜に近づく最中、この町で暮らしている人々を見た。

大人たちはいつも決まった行動、または子供たちの要望のための形で生活を行わせれていた。

それと対照的に子供たちは自身のためなら他人の犠牲を気にせず、尚且つ自身の身をも顧みずに行動している人たちを見ていた。


そして話を付け加えて男は言う。

「この場はね。実験場なんだ。表向きは夢に執着を持たせて、【ベーレト・バビリ】というので競争心を煽り、切磋琢磨と言えば聞こえの良い殺し合いをさせる。そして世界をリセットして、同じことを繰り返し、肉体と魂の経験を積ませて優秀な兵士を生み出すというね。

それも来るべき神と神の決戦のために。」


そこまで言って男は一度ため息をついてからその先の言葉を語る。

「あの所長には絶対に裏の目的がある。この実験場は彼女のために用意されたものだ。そして、実験する内容も。彼女が誰かのために何かをするとは思えない。脅されているにしても、彼女にはそんなものは通用しないのだから。普通にあれでも強いしね。だから素直に従っているのは必ずと言ってもいいくらいには裏があるはずなんだけど、どう思うかい?」


「まあ、彼女のことだし、我々からしたらしょうもないと感じるような内容が飛び出してきそうですね。」


「はあ…そうだよなあ。こちらにもやることがあるとは言え部下なんかなりたくなかったなあ。母様には寝て待っているように言ったけど、肉体だけの母様がいつまでおとなしく待っていられるかも分からないしな。とにかくうまいこと計画を進行して、夢菜には必ず勝ち抜いてもらわないとな。」


男はあまり気乗りしなさそうな様子で愚痴をこぼした後、思い出したようにとある本をアルバへと差し出した。

「俺はとりあえずもうそろそろ戻らないと怪しまれるから、今日はここでお開きだ。彼女と話を合わせれるようにこの本渡しといてやるから読んどきな。ああ、洗脳効果とかはお前には通じないだろうから安心しな、またな。」


アルバが本を受け取ると男は少年の姿に戻った後に路地裏の奥の闇へと消えていった。


「兄さんも今回ばかりは詰めが甘くなければよいのですが…まあ私が言えた口でもないのでお互い様ってことなのかな。しかし…。」


アルバは懐かしい思いに少しふけった後に手渡された本に視線を落とす。華やかな表紙にイケメンな男に囲まれた一人の少女が描かれている漫画。『ラブドリーム』を。

いやーどこまで書くか悩んだけど、基礎設定に近しいし、理解してもらうにはこの程度がいいのかなって思って書きました。


次回はフィリアの書『ラブドリーム』のつもりですのでよろしくお願いします。

感想やレビュー等していただけたら幸いです。


それではまた次の夢で

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