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フィリアの書『ラブドリーム』

私はとても幸せだと思った。


どんな幸運でこの家に行きついたのだろう。どうして私が生まれたのだろう。


私は欲することを祝福される。


私はなんでも許されるこの環境を享受して生きている。

両親は私を愛し、私は両親を愛している。

恵まれた環境にある私は、両親の愛情に報いる責務がある。


両親だけじゃなくて、他の家族や友人、知り合い、隣人、そしてこれから関わる可能性のある人々すべてに私は愛情を与え、そしてそれらの愛情に報いさせなければならない。


学校に登校するとき、必ず友人と登校する。私が何を発するでもなく、彼彼女たちは私のいる場所に集まって、行動する。

世に存在している出会った人々は必ずと言っていいほど私にこう言ってくる。

「産まれてきてくれてありがとう」と。


家に帰ってくると玄関前で母が家に向かい入れてくれた。


「お帰りなさい夢菜。お母さん夢菜が返ってくるのを楽しみにしていたわ。学校はどうだった?」


母がいつものように笑顔で私に問いかけてくる。

「今日も学校楽しかったよ!今日はね、体育の授業でかけっこをしたんだけど、私が一番速かったの!」


私は母から向けられたあ条を正しく返せるように聞きたいであろう学校の様子を語る。

いつも通り母とのそうした団欒の時間を過ごしていると夜になり、父親が帰ってくる。


「ただいま~。私の愛しい天使ちゃんはどこかな??」

父の間の抜けるようなふざけた声が居間にまで響いてくる。

「ここだよ~お父さん!」


私は父親に抱き着き、互いの愛情を確かめ合う。

確かにある親愛に心を躍らせながら。


しばらく抱き着いた後、父親が夢菜を床に戻す。

「今日は夢菜が大好きなケーキを買ってきたぞ!ご飯の後でみんなで食べよう!」

「ありがとう!お父さん!」


私は生まれながらにして恵まれている。


私は秋桜夢菜。10歳。

頭もいいし、運動神経も抜群。特に足が速い。

そして何より私が特出して他の人よりも優れていると言える点は顔だ。

生まれながらのピンク色の髪に、ピンク色の目。

すっきりとして整った顔立ち。


私が今まで生きてきて困ったことはない。

まさに幸福な人生だ。


だけど、もうそろそろ小学校を卒業して、中学校に進学しなければならない。

中学校に行くと、小学校とは違った新しい環境で、楽しいことや新しい経験もたくさん増えていくのだろうと思う。

だけど、不安なこともいっぱいだ。人が今まで以上に集まるということは、可愛い子や、頭のいい子、運動神経の良い子だとか。

私がすべての一番にはなれなくなってしまうかもしれない。


恵まれている私は恵まれていない他の子たちに対して、愛し愛されないといけないのに。


そんな風に考えて過ごしていたある日。私は運命に出会った。

私の考え方がどれほど浅はかで、どれほど稚拙の領域を脱しない生き方をしていたのかを知る機会を。


いつも通り小学校で友人たちに机を囲まれながら話す休み時間を過ごしていたところ、明日転校生が来るという話があった。

「一体どんな子なんだろう!」「来るのは男の子だって!」「え!イケメンかなあ!」

などと見たことも聞いたこともない転校生の様相を妄想し、意見を交わしあっていた。


私としては普段と変わらずその人のことも愛そうと考えていた。

しかし、そんなことにはならなかった。いや、なりえなかった。


「今日から転校してきました。学校のことについて分からないことだらけですがよろしくお願いします。」


この世にはメラビアンの法則と言うものがある。初対面の人に対する印象付けの半分以上が視覚情報でその次には聴覚情報、残り10%程度が言語情報だ。

そしてその人間の印象は八割がた初対面時の印象に左右されやすいというモノだ。


彼は視覚情報も嗅覚情報も。彼から得られるどのような情報も酷いものだった。

そこで生まれて初めて人のことを嫌うという感情を理解した。


酷い肥満体系で顔も見るに堪えない。

春なのに、汗も酷くて近寄ってほしくない。

そして、聞くに堪えない野太い声。


初めての、嫌悪感と言うモノを感じた。


ただ、それでも私は私。

他人を愛し、愛されるもの。


まずは相手がどういう人なのかを判断する必要があるわ。

私は休み時間になって、いつも通り私の周りに集まってくる人たちの内男の子と女の子と一人ずつに話をしに行くように指示をした。


その結果は悪くはなかった。

別に見た目が悪いからと言って中身が悪いわけでもない。

そのことを知れたのは良かった。


だから、私は勇気をもって、彼に近づいてみた。

「初めまして!私は秋桜夢菜って言うの!転校してきたばっかでまだ分からないこといっぱいでしょ?だからこれからみんなで学校探検するんだけど一緒に行かない?」


彼は緊張からか俯きながらも頷いた。

そうして、私はみんなを引き連れて学校を散策した。


彼の隣を歩き、感想などの声などを聴いた。

「みんな。ありがとう。僕、転校してばっかで、友達とか出来なかったけどここでなら何とかやっていける気がするよ。」


彼はとても良い子だった。見た目は醜いが、中身はとても清らかでおとなしい。友人に対しての接し方も上手く。当たり前のようにクラスに馴染んで、友達も増えていった。

そんな良心的な彼を嫌うものなど居なかった。私を除いて。


ただただ気持ち悪かった。

ヒトだと認めたくなかった。認めてしまったら私は愛さないといけない。

見た目が悪く、中身も悪いのであればまだよかった。

ただ中身がよかったことで、私の中で整合性が取れなくなって気持ち悪くなった。


だから私は瞼を閉じた。

何がどう変わったのかといえばあまり分からない。

ただ表現するのならば()()()()()()()|。


私は友人たちにお願いして、彼を殺してもらった。

死に際の走馬灯とか何かを考えていることですら気持ち悪いから、寝させて学校の屋上から突き落とした。


何のためらいもなく、ただ通り道にものがあったら邪魔だからどかすような認識で。

私はそのときから、人か人以外かで分けるようになった。

人未満の畜生も世の中にはいることも今回のことで理解した。


そんな生命体は憐れで仕方がないから、早く現世から解放してあげた方が良いのだということも。


「私は貴方を愛さない。」


これが秋桜夢菜の12歳の誓い。


次回!中学校編!新たに降りかかる夢菜に対する試練とは⁉ご期待ください。



少女漫画とはって感じですねえ。。

それはそうと五月病にかかってしまって、ベットと同棲してしまっているので助けていただきたいです。


それではまた次の夢で

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