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ホワイトコスモス③

筋肉だるまとの鬼ごっこが始まった。

構図としては女子高生を追いかける巨漢という最悪な構図だ。

ジムから逃げ出して学校内の廊下を走り続けている。


流石の【ラブドリーム】でもこんなにも酷い構図はなかったわね。

夢菜ちゃんが体力も筋力も結構あって、信じられないような身体能力をしていたから、私も鍛えておいて正解だったわ。


でも、にしてもよ、ね。

いつまで追いかけてくるのよ!この筋肉だるまは!

あの筋肉は見せかけだけではないのはなんとなく理解していたのだけれど、それにしても速さも持久力も持ちすぎ!上半身の筋肉が特にすごいから体重的にもどちらもあまり持ち合わせていないと思っていたのに!


彼女の中では、体と言うか、本能と言うか何かが危険を感じている。

薔薇の美眼(ウーラニアー)』も全力でやつから逃げろと訴えかけているように、彼が近づけば近づくほど頭が締め付けるように痛かみを感じていた。


あれがどんな能力を持っているのかは分からないけど、私も能力を使わないわけにはいかなかった。

だから私は自分自身に『薔薇の美眼(ウーラニアー)』を使用している。

理性を蒸発させて洗脳するこの能力は私自身の肉体の制限にも使用できる。

だから既に肉体の限界を超えて走れているのだけれど…。


それでも追いかけてくるあれは何。本当にたった一人の筋力なの?

あんなの人ではないわよ。


「HAHAHA!私と一緒にランニングで鍛えようってことかな!いいともいいとも!にしても君は見かけによらず足が速い!ちょうど足の筋肉が足りないと感じていたところなんだ!だから私の筋肉が君に反応していたのか!ならばこそ!さあ!私と一緒にランニングで鍛えよう!」


肉の塊が全力で追いかけて来てるって実際に体験するとトラウマものね!



 それでも、流石に追いつかれるのも時間の問題ね。

私の能力の本来の使い方を見せてあげるしかないじゃない!

「視える範囲片っ端から行ってらっしゃい!!!!!!」


そうして私は、廊下に視える全ての人達に命令を下した。

廊下で会話をしていた者。教室内で勉強していた者。楽しそうに、卑屈そうに、退屈そうに、嬉しそうに。そんな()()()ことを無配慮に、なんも気にせず能力を使用して塗りつぶす。


そうして、先程までごく普通に 生活していた人間たちは血眼になって筋肉だるまの方に向かって行った。


まるで、それらは何かに取り憑かれたように、それらは、何かに狂っているように、彼らが本来持てる全ては蒸発し、その目は常世を捉えておらず、過去を見直してるようにも見えた。


「HAHAHA!!!!!!す、素晴らしい!!!!!!これが君の能力かい!?ますます君が欲しくなるよ!全く!」

それでも尚、筋肉だるまは追いかける。


まるで自分自身の夢を追いかけるかのように、筋肉男の目は夢菜にしか向いていなかった。

己の伸縮自在の筋肉を、自分の能力を、全力で駆使し、男は己に向かってくる夢菜に魅入られた者たちを蹴散らしながら走ってくる。


男が追うのは夢菜か?夢か?

男にとってはそんな事はどうでも良かった。

何せ男にとって欠けている部位が目の前にあるのだから。


「HAHAHA!君はおそらく足の筋肉だ!!!!!!!さあ、一緒にトレーニングしよう!!!!!!」

欲しがっていたものを見つけた子供のように目を輝かせながら男はただひたすらに夢菜を追いかけていく。


足の筋肉って何のこと⁉私人じゃなくて筋肉認定されてるの?足の筋肉と一緒にしないで!


「遠慮しますと伝えているでは無いですか!足の筋肉を褒めて貰えるのはありがたいですが、それとこれは別です!」

 不味いわ…もう廊下が突き当たり!逃げ場がない!

 

まずまず、ただ一緒にトレーニングしようって誘われてるだけなのに私の『薔薇の美眼(ウーラニアー)』が過剰に反しているのは何故!?


能力を使えと言うかのように頭を締めつけるかのような痛みがあの男が近づく度に襲ってくる。でも、もう私の打つ手はないわ。私らしくはないけど、諦めに近い感情かしら。

それだったら、あの時だって…ん?私そんな追い詰められるような経験していたかしら。

子どもの時の記憶?いや違うわね。何のことを懐かしんでるんだろう私は。


自身に沸き立つ身に覚えのない感情の断片に対して試行していたが、すぐに現実に意識を戻された。


「HAHAHA!いやあ~いいランニングだったね!素晴らしい足の筋肉だ!ハムストリングスも内転筋も捨てがたいが、ふくらはぎも素晴らしく()い!やはり君と私は運命だ!私と共にランニングをして鍛えていこう!」


追いついてきた筋肉だるまが目の前まで迫っていた。

初対面の時とは違い軽薄な脳筋のイメージが消えて、先ほどまでと口調自体は変わらないものの、まとっている雰囲気がまったく変わり、新たな策略、新たな夢、希望、それらを見つけて未来を見出そうとする強者の余裕を感じさせる顔をしていた。


そして筋肉だるまが夢菜に手を伸ばし、触れそうになった時。

割り込んできた細身の腕によって伸ばしていた手は突っぱねられた。


「そこまでだよ。筋肉がお好きな君。彼女を害そうとするのならばこの私が許さない。」


美男子が夢菜と筋肉だるまの間に割って入ったのだ。


もうだめかと思ったところに美男子登場とか最高じゃない!原作再現できてるわ!

じゃなくて!なんでアルバがここに居るのよ⁉


「アルバ!?なんでこんなところに!?」


するとアルバは自身の美形を認識したうえで満面の笑顔を夢菜に向けながら言った。

「私はあなたがピンチの時はどんな時でも駆けつけますよ。特に命に関わる時はね。」

 

え?命?どういうこと?確かに本能的に危険は感じてたけど、命って…

ただ一緒にトレーニングしようとしてくる筋肉の妖精ではなかったの?


自身の発言で戸惑っている夢菜を見てアルバは楽しそうに言った。

「どういうことか分からなくて驚いた様な顔をしていますね、可愛いです。」


か、可愛い⁉いや、それはまあ夢菜ちゃんを意識して磨き上げた夢菜は完璧よ!非の打ちどころもなければ言った瞬間殺すけど。

で、でも今までどんな相手に言われてもそこまで何かを考えたことなかったのに、アルバに言われるとどうしても意識してしまうわ。これが恋っていうやつなのかしらね?

また一歩夢菜ちゃんに近づけたわね!



「ってそうじゃなくて教えなさいよ!」

 本当にこいつの前だと気が狂う…。一瞬今がどういう状況で何の話をしていたのか忘れてしまったわ。


「そうですね。彼の名前はフィリア・ベール・ナブッコ。貴方が警戒しているフィリア家の1人です。」え、フィリア家!?まだ本番でもないのに早速!?

確かに学校の生徒結構使ったけど、それでも全然止まらなかったものね。

強い強いとは思っていたけれど現実に着けつけられると全くもって恐ろしいものだわ。


そんな風に自身考えに納得していた夢菜にアルバが更に情報を投げつける。

「特に彼が性質上1番厄介かもしれません。現在の調査結果だと彼の能力は「名を貪る(ナブー・クドゥリ)(ウスル)」他の人の存在を魂ごと貪り食い自らの存在に加算する能力です。」



あ、危なかったわ…。

あともうちょいであの筋肉だるまの一部になるところだったのね。

あ!まさかさっきの「足の筋肉」ってまさか…。私をそこにぶち込んで力を得ようとしていたのね。

死にそうだったと聞かされて、怖すぎて震えが止まらないわ。


夢菜とアルバのやり取りがあったのも束の間、素直に話が終わるのを待っていた人物が口を開いた。


「HAHAHA!いやあ~能力名まで知られているのはまだ分かるんだけど、少しでも能力の内容までも知られているなんて驚きだね!ものすごい高い情報収集能力だとも!褒めてあげよう!でもね。」


先ほどまでとはまた違う雰囲気をもって更に先ほどよりも筋肉が膨張し続けて体が大きくなっていった。


「私の能力を知っているものを生かすことは出来ないんだ!あの連中に対抗して私の夢を掴み取るまではね!さあ!男の魂も入り混じって雑味が増しちゃったかもしれないけれど!清らかなる食前!用意されている料理は間食しないといけないからね!」


そうしてフィリア家の人間との初戦が火蓋を切った。

いやあ筋肉、筋肉、書きすぎて少し疲れましたね。


これからフィリア家との戦いとかが始まってくるわけではありますが、そのうち軽く設定解説とか夢菜が読んだ『ラブドリーム』の内容を書けたらいいなあという風に考えています。


PV数が増えるだけ私のやる気も増えるので、もしよろしかったらレビューと感想の方もよろしくお願いいたします。


それではまた次の夢で。

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