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深慮遠謀

元々一話の文章の後にあったものを少々ばかし、訂正して再投稿です。

カツカツと地下のほの暗い空間にヒールで歩く足音のみが木霊する。

その音に気付いた小柄な男、いや、少年はそちらに気づき振り返り、この場における上司の帰還に対して、

問いを投げかける。


「おかえりなさいませ。実験の経過はどうですか?」


すると遠い暗闇から妖艶な魅力を持つ女が現れた。

赤いドレスを身にまとっており、男であれ女であれ誰もが見惚れるほどの美しさと気高さを持ち合わせていそうな女性だ。


彼女はこの実験の責任者であり、この施設内に置いては「所長」と呼ばれているものだ。

彼女は少年から問われた内容に対して、満足そうな笑みで答える。


「大成功ってところね。肉体、魂ともに新しく生まれた物にするまでかなり時間と設備を掛けたのだからそうなってくれないと困るってものですけれど。」


それを聞いた少年もまた同様に満足そうな表情を見せる。

実験の過程として順調で滞りなく進んでいることにとても安堵していた。


「まあそれもそうですね。この調子でいけばあの方もお喜びになるでしょう。」


所長の苦労を分かち合っているかのように少年は意見に賛同しながらそう答えた。

それに対して女も少年の気持ちを理解し、少し嬉しそうにしながらも、ふと先日言われて関心を置かなければならない懸念事項を思い出す。


「これぞ神の贈り物ってところかしら。でもここまで順調だったけどあの方が言う邪魔者って言うのは本当に存在するの?この管理された実験都市に。」


先日呼び出されて話を聞いたところ実験の邪魔を企てている連中がいるとのことだった。

そんな連中がいるとは思えないし、隠れるような場所もないため、余計に言われていた内容に対して、懐疑的だった。


それを聞いた少年は少し考え込む動作をしたものの、すぐに答えた。

「正直私も思うところはあるのですが、警戒して損はないでしょう。」


それを聞いた所長はその空間にある自分用の金色の椅子に腰を掛け、正面に置いてある巨大モニターに目線を遣る。


そこには【フィリア・エンヴィ・レビヤ】という名前が記されていた。

その名前を見ながら女は微笑んで語る。


「そうね、私の夢の為にも我が血族の力を最大限に活用して、兵隊をたくさん創らないとね。そうしていつまでも観ていてあげるから待っているがいいわ。」

どこの誰なんでしょうね?彼ら。

それではまた次の夢で

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