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ラブドリーム  作者: 白いシロ
第一章

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15/20

フィリア家の会合

言語って難しいですよね。

明星町という町は円形の領域を持つ町である。

それぞれ8つの区画に分かれており、円の中心には広大な土地を持つ屋敷が建っており、そこがフィリア家の本拠地となっている。

それ以外のエリアは分家のフィリア家が統括しており、7等分の領土となっていた。


明星町の中心にある大きな館。その庭には5人の男女の青年が円卓の席に着いていた。3席の空席がありながら。


そしてその中に入るには少々歳の離れている妖艶な魅力を持つ、いつもと変わらない赤いドレスを着た女性が最後に席をついてから話し合いが始まる。

「今日は全員来てくれてありがとう!私は非常に嬉しいのだわ。今日の議題に移ってもいいのだけど色々反したいこともそれぞれあるだろうから特別に聞いてあげるわ!」

そう言って女性はその場にいる面々を見渡す。

その場にいる面々はそれぞれが個性的で他の連中からすればまさか一人でこの子たちを()()()()()とは思わないだろう。それほどまでに個々人として存在していた。


少しばかり自身の苦労を思い出し感傷にふけっていると一人の男が喋りだす。

「HAHAHA!それならぎもんをぶつけさせてもらおう!なんで怠惰と嫉妬が空席なんだい⁉彼らの領地のことも気になるけど、それぞれのことは実験材料としては大事なはずだろう⁉」


面倒くさい勢いとしゃべり方のせいでものすごい真剣にしゃべっているように聞こえてしまうが、実際の彼の様子は笑みが絶えず面白そうな話題を見つけたと言わんばかりに目を輝かせている。

()()()彼は面倒で厄介なのだ。

ただ、彼の感じる疑問ももっともで、この場に居る他の4人も同じように気にはなっている様子で頷いて賛同している。


「まあ、そうよね。当然疑問にはなるわよね。嫉妬に関しては以前説明した通り、実験内容の変更によるものよ。正直今までの彼女はみんなに比べるとあまりにも場違いだったもの。彼女の要素は他の子に分けた上で、嫉妬の座は他に受け渡しておいたわ。まあ、その子はフィリア家ではないことにしてあるのだけどね。まあだからこの場には居ないわ。領地の管理は引き続き依蔓君に任せるわね。」

「好き勝手出来る土地が増えるのはいいからね!もちろんいいとも!」


自身の利益につながっている以上は『暴食のフィリア』「藤枝依蔓」が断る理由がなかった。

それに彼にはこの話だけで、『嫉妬のフィリア』と称されるべき人間がどこの誰なのかは検討がついていたため答え合わせができて得をした気分だった。


この場に集まるフィリアの面々は同じ血族と言うだけで特に思い入れもない敵同士だ。一時的な利害の一致で共闘することがあろうとも最終的に殺し、殺されあってきた敵だ。

それ故に依蔓が不用意に他の人間に余計な情報を与えるつもりはなかった。


「あとはそうねえ。怠惰に関してなんだけど…あんまり言いたくはないことであるのだけど。まあ仕方がないわね。消えてしまったわ。魂も肉体も。」


それを聞いてその場にいた面々は凍り付いた。

以前までの『怠惰のフィリア』は『強欲のフィリア』とタメを張るほ強者だった。

そんな彼が跡形もなく消えたということはいったいどのような状況なのだろうか。

戦闘能力で彼が負けるとは思わない。だが、実験の繰り返しで、肉体か魂に何らかの摩耗が起き、そのうえでの消滅と言うのであればこの場に居る全員も同じようなことが起きる可能性があることを示唆しているものだった。


「あ、決して実験の結果の消滅ではないわよ。それに消えたとは言ったけど、あくまで姿が。怠惰の能力の痕跡と気配はあるのよね。ただそれ以外が全くの不明なのよね。この場には嫉妬以外のフィリアは強制招集しているから居ないはずは本来ありえないのだけれど。まあ能力として生きているのなら私はあまり気にならないからそれはそれでいいのだけれど。」


そう言って女性は『怠惰のフィリア』に関する話を打ち止めにした。

「まあ所長がそう言うなら良いのだが、実に腹立たしいものだな怠惰は!今までもずっと思ってはいたがこのような局面に至ってもまともに動かないだなんて!()()としての自覚はあるのか⁉次もし見つけたらギッタギタのメッタメタだ!」

と学ランの上に特攻服をきた黒髪に金のインナーカラーを入れたリーゼントのガタイの良い青年『憤怒のフィリア』が見た目と相まって餓鬼大将みたいなことを語る。


「あ、それと怠惰の領土は私の部下がとりあえずは管理するからよろしくね。ほら挨拶しなさい。」

そう呼ばれて、館の奥からその場にいるどの面々よりも明らかに若い小中学生程度の全身を黒色の学生服で統一している少年が姿を現した。


「実験都市[テッラ・アルギロサ]の管理及び実験を行う組織アヌンナキが所長代理を行っております。我々は特に名がなく、意思疎通可能な特殊個体が私のみのためこのような任に着かせていただく運びとなりました。特に皆様の誰に着くとかもないので、仕事をただしているとさえ認識していただければ結構です。」


そういった後に、では。とだけ言葉を残してその場を去った。

その後ろ姿は見た目とは裏腹な強者の気配と見た目相応の年齢ではなさそうという感想を抱かせた。


「フン。いけ好かん奴だ。だがかなり強そうだったな認めてやろう。それにあれは所長の手の者であって誰の者でもないのだろう?私がもらってやろう。私であれば文句も言わずについてくるであろうて。まあ、今の余である限りはな。」

と全ての格好を金色に染め上げ、プラチナブロンドの髪色をした成金のようにも見えるスーツをまとった青年『傲慢のフィリア』が腕と足をそれぞれ組みながら偉そうに語る。


「まあまあ。そんな決まりきったことはやめない?あなたの能力と性格じゃついてくるわけないじゃない。それに比べて美しくて全てから愛されて全てを愛す。この私こそあの子がついてくるはずだわ。以前までの私とは違って、色んな経験と愛を知っている私なら誰も並ぶ者は居ないわ。」


ピンク色の長髪でくっきりした可愛い目鼻立ち。そして、最後に見た人を震え上がらせる血のような赤い眼。過去の自分がした後悔を生まれ変わった私が全てを塗りつぶす。愛すのが下手だっただけの私とは違って今の私は愛すのもより上手い。誰にも負けない。そんな気概を身に着けながらも友愛だけは未だに見失った居る美しい女子高生。『色欲のフィリア』()()()()がそこにはいた。


「ね?あなたもそう思うでしょ?()()()。」


そう言って夢菜は自身の横の席で踏ん反り返って興味なさそうに聞いている、金髪でどかか抜けていそうでワイシャツをだらしなく着こなしている宇留木累(うるぎるい)と呼ばれている『強欲のフィリア』に話題を振った。


「そうだねー。きっとそうだよー。これで満足?正直、嫉妬も怠惰も興味ないんだよね。俺、最後の実験どうせ参加できないしー。俺より強い奴なんていないしー。さっさとメインの議題話してこんな退屈な会実験ごと終わらせてしまおうよー。しょちょう~。」


そう言って彼は円卓に足を乗っけながらひどい態度で会話に参加しだす。

だが、()である彼に口を出す者など存在せず、何よりも話すだけ無駄なほど彼の性格は面倒くさい。だから基本的に彼に話しかける人間はフィリアの関係者には居ない。夢菜を除いて。


「え、実験早く終わらせたいの?ダメよ。面白い人間ドラマや喜劇もなーんも観れないじゃない。私は私の愛を示すためにも他の人達には自分なりの愛の形を会得してほしいんだから。予言しとくけど、今回行われる最後の実験は、目的は果たせるけど、かなり苦労するわ。でもだからこそ面白そうじゃない。」

その夢菜の発言に賛同する形でルイは言う。

「まあ気持ちは分かるけどね。俺も予言しとくと実験は必ず成功するとも。私の完成形をもってしてね。そこだけは確かだからそれはもういいんじゃない?早く内容の話しようよ~」


一瞬だけ真面目な雰囲気を出したものの先ほどまでとは変わらないおちゃらけた様子で催促する。

周りのフィリアもまた始まってしまったと内心思いながらも、早く話を終えたいのは確かなので、これ以上話が広がらないように一度黙った。

その様子を見た所長と呼ばれる女性はため息をつきながらも自分自身もめんどくさがり屋なのを()()()()、本題である【ベーレト・バビリ】について話すことにした。


「以前から言っている通り今回の実験がこの世界で行われるラストの実験よ。全ての魂と肉体を総動員でね。コンテストの形式は以前のサバイバルと少し似ているけどチーム戦。自分の領地の人間でもそうでなくてもいいし、開催中の裏切りやチーム替えもあり。その上での生き残り戦よ。最後の一人とかにならなくて大丈夫。本来のこの土地の役割は兵隊造りだけど、それ以外の目的もある。嫉妬はいい兵隊として売り飛ばすし、本来の目的も上手く行ける。せいぜい最後のお祭りを楽しませて頂戴。私の可愛い子供たち。」


そう言って妖艶な魅力を持つ彼女は不気味にほほ笑む。

それを観ている5人は全員で口をそろえてこう言う。

「すべてはアヌンナキ。アエーシュマのために。」


こうしてフィリア家と呼ばれる血族の会合は終わった。

その後明星町の町中に今回の【ベーレト・バビリ】についての話が周知されていったのだった。

いつもお世話になっております。

作者の白いシロです。

先日大学の授業で星の俳句を詠んだのですが、あまりにもポエムチックになっていてくそ恥ずかしいです。

ないとは思いますが、あれが賞とか取りませんように。

それではまた次の夢で。

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