表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

シュークリームと栄養ドリンク≪桜咲≫

(桜咲)

「ハイ終了!ペン置いて答案は裏返しねー!」

この科目のテストで2学期の期末テストは終了。


「答案は後ろから前に渡して、一番前の子は先生までって来てね」



さぁ、ここから怒涛の日々が始まる。

採点に通知表作成、親も来ての通知表渡し、3学期の準備。


ゆっくりできるのも今日まで。


答案をまとめて職員室に戻る桃子。

咲良も職員室に向かってきた。



「やっと終わったけど、始まるね…」

咲良とお茶を飲みながら、一休み。



「そうだね、通知表渡しまでにやることいっぱいだしね。それに私、生活指導で夕方は補導員の人たちと巡回。桃子は?」



「今日は早めに帰ろうかな?」


「たまには良いんじゃない。ゆっくりしなよ。」



咲良も言ってるし、今日は早く帰ってゆっくりしよう。





ピロリローン・ピロリローン


イートインを見る。

この時間に居るはずのない人を探す。


今日は栄養ドリンクを飲むほどの疲れは、無い。

シュークリームとコーヒーで良い。

イートインで時間を贅沢に使い、来るはずのない人を待ってみる。

昼は電車の本数も少ないし、次まで時間はまだある。


待ってみる。


昼のデイリーリーフの景色は簡単には変わらない。


電車の時間まであと15分。


来るわけないか…



桃子はゆっくりと歩きだし、駅に向かった。




桃子が駅に向かった後、ほんの少しの時間差で咲良が補導員を引き連れ、デイリーリーフに現れた。


「ちょっと待ってて。」

ベテランそうな女性補導員は、店長に声を掛けに行った。

親しく話をしている様子から、ここへ寄るのもいつもの巡回ルートって感じる。


コンビニの人と仲良くなれば、桃子に情報提供できる。

ちょっとした探偵気分。


咲良はこの業務が楽しくなってきた。



--- --- ---



昭和の時代。


学校が、生徒が、荒れていた時があったってことを聞いたことがある。


生徒が荒れるにつれ、校則が厳しくなる。

校則が厳しくなると破る者が増える。

悪循環。


制服は長かったり、短かったり、ズボンはダブダブ。

学生カバンはぺっちゃんこ。

帰りの買い食いも禁止。

ポケベルも携帯も無かった時代、生徒同士が連絡を取り合うために自然と集まっていた商店。

商店にはテーブルゲームが数台あり、それを囲んで喋っていた。


バイクに乗り捕まる者。

繁華街のゲームセンターにたむろする者。

学校の窓ガラスが割られたり。

喫煙に飲酒…


先生は生徒にどう対峙して良いか悩む日々。



そんな時代だったそうだ。


--- --- ---


「あ!田中だ。ヤベー」

生徒が数名入ってきた。





咲良は生徒から苗字で呼ばれることが多い。


「ヤベーじゃないでしょ。これから塾?お家に帰るの?」


「みんな一緒な塾だから、ちょっと時間つぶしてから行くんだ。」


「暇つぶしてる間に悪いことすんなよ。ところでさ、君たちさ、先生のこと呼び捨てしただろ?」


「買い物して帰りまーす。さようならー。」


可愛い生徒たち。

少しでも先生と喋れる子なら、そんなに悪いことはしないだろう。




「店長さん、うちの生徒、迷惑かけてませんか?」

咲良はさっきの生徒をきっかけに、店長と話してみることに。


「ええ、良い子ばかりですよ。ちゃんと、ありがとうって言える子ばかり。無駄に長くいる子もいないしね。」


「良かったです。うちの生徒が迷惑かけたらすぐに連絡くださいね。」


「大丈夫だと思うけど、何かあったらね。」


ここへくる子は良い子たちばかりのよう。

それに店長と話せたし、これから桃子のために情報収集ができそう。


「お疲れ様です、おはようございます。」

あの子がやってきた。


「あ、あの子、アルバイトさんですね?」

店長に聞いてみた。


「そう、大学生のアルバイト。今日はちょっと早めに来たみたい。だいたい4時か5時から10時まで、入ってもらってるんだ。」


「1年生?ですか?」


「ううん、4年生。あの子だけだよ、1年からずーっとコンスタントにシフトに入ってくれるの。みんな試験だからとか、卒論で忙しくてとか、で休むし。3年になったら就活で辞めちゃうこと多いし。」


「いい子ですね!」


「ね、こんないい子なのに彼氏は居ないんだって。今の男の子たちはどこに目を付けてんだろうね。」


「ほんとですね。」


この時間までにはそれらしいオジサンは来なかった。


けど、彼女の情報は得られた。


大学4年生で彼氏なし。

シフトの時間は4時か5時から10時。

週に何回か勤務してる。


桃子、この情報欲しいかな?





帰ってからSNSで報告。


---お疲れ様、桃子。今日、生活指導で補導員とコンビニに行ったんだ...---











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ