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084_探索者の無駄遣い。

シーン:命の危険が薄れた探索者の業務には緊張感が足りなくなるのではなかろうか無理無茶無謀な探索業を行うことによって保険料金、その掛け金が膨大なものになってしまう可能性を鑑みるにこの命が保障される保険そのものを秘匿することによって仕事に対する意識を高めることその改善ができるのではなかろうかなどと提案してみるもそれはそれで保険をかけていることによる安心感からの安定的な行動に劣るものではないかという真っ当な指摘もあるわけでありこの辺りは塩梅が難しいのではなかろうか?そこのところどのように思われますか?


「いやもういつものことではありますがシーン指定とかじゃないですよね、ええいいですけれども。情報はできるだけ開示しておきその上で最後の手段として保険もありますよという立場でいくべきではあるかなと、そもそもその迷宮での救出保険が万全に完全に常に行われるとは限らないのでありますから?」意見を述べる見た目は幼女、その実色々と大人な情勢にして実は妊婦な迷宮探索者にして武芸者の斧野小町二十歳。


「積極的に危険な任務に飛び込ませるのであるならば最低限命の保障はありますよということを示しておいた方が忠誠度がますとは思います。まあそもそも自らの命を惜しんで使命を果たさないという状態で一端のニンジャとしては運用させていないわけではありますが。それはそれとして育成の手間を考えると安易に使い捨てる判断には行かないわけではありますね」見た目は大人の女性、その実、就学児童、11歳な斧野向日葵。裏の諜報やら情報やら暗躍やらを派手に行うニンジャ部隊の統領的な立ち位置であり、自身も各種ニンポウ、ニンジュツを駆使するクノイチ。


「即死でなければ助かります。それほどの安全度が高めな生命保険なのですよ我が社インマー保険の保険業務体制は。そして大きな声では言えませんが、死亡してても蘇生できます。もっとも蘇生したモノが人間であるかどうかとか迷宮の外に出して良いものになっているかどうかそもそも迷宮外に出られるかどうかわからないといような、結果に振れ幅はあるので、できるだけ即死は避けてもらいたいとは思いますが」にこやか営業、保険外交員、迷宮怪異、淫魔の田沼イチロー、見た目は二十代後半の筋肉質な背広男、あと眼鏡が光る。


「死んでも大丈夫なのは聞いてない」小町。

「大丈夫とは言ってないですね、死んだ状態からなんらかの形で復帰できるだけです、ええと、動く死体とか、吸血鬼とか、屍鬼とかそんな感じから、迷宮怪異に成り上がるか成り下がるかは認識の違いではありますが、変異させて記憶と自我を引き継がせてしまいます」とうとうイチロー。

「それは確かに大丈夫ではないですね」向日葵。

「全く大丈夫ではないな!というかそれは助かっているのか?」小町。

「一度怪異になり変わっても、いくつか手順を踏めば見た目人間みたいなモノには戻れますので、おおよそ大丈夫と言って良いと思います、ええ安心設計ですね」にこやか成り行き提示のイチロー。

「不安しか感じられない」げっそり小町。


「具体的には死亡してからどのくらいまで大丈夫なのでしょうか?」実利確認冷静管理者向日葵。

「迷宮内で、すでにインマー保険に加入済みならば丸二日までは復帰できますね、復帰先の形体は肉体や魂、脳みそとか魂魄とかの損傷具合によりますが、完全に肉体が消滅してたら、基本幽霊、霊体系での復活からになりますね、逆に魂魄、自我やら記憶やらその手の情報が喰われていたらば」ちょっと考えて、言葉が止まるイチロー。

「流石にそうなっていると復活は無理なのかぁ」小町が差し込む。

「迷宮の根本記録からの復帰になるので時間がかかりますね!」明るく陽気に続ける淫魔。

「「魂魄消えても蘇るんかーい」」びっくり仰天小町と向日葵。

「流石に記録の複合まで丸一日はかかりますが」残念ながらと肩をすくめる迷宮怪異。

「十分早いし、いや、非常識なまでに。え、嘘?じゃあ、実質迷宮内での死が克服されてしまってるの?」本気かお前的な表情、小町。

「死は状態以上に過ぎない、正しく的確に対処せよ、とかなんとか昔の偉い怪異が言っていたような気がしますね」韜晦目眩し戯言淫魔。


「まあ、それも先に印をつけておいて復活させる準備をさせておく、それ専任の怪異、淫魔をつけておいてこその話ではあります」手品の種を説明する淫魔。

「ああ、なるほど無条件に復活できるわけではないという」安心したような誤魔化されたような小町。

「そうですね、あらかじめ記録を追えるようにしてないと、復活させるには時間がかかり過ぎますから。あと、資源の消費も半端なくなります」しれっと淫魔。

「それって、採算を度外視すれば復活そのものは可能ということなの?」恐る恐るそんなことはないよねと、小町。

「技術的には可能ですね」しれっと怪異。


 育成資源やらと復活に必要な資源との比較をすると話にならないくらいの非効率さが見えてくるので経済、効率的には実質不可能でありますね、とか続けた迷宮怪異の言葉に、乾いた笑いを返す、斧野姉妹であった。


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