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073_落下傘降下、砲撃で機体制御は前例あり。

シーン:戦車とは何であるのかという自己存在意義やら自我同一性やらそういうお話ではなく定義の問題であり、戦うことのできる車であるならば実のところ全ての車がそれに当てはまるのではなかろうかとか地下鉄を二組の車が踊るように突き進む広告を眺めつつこれはこれで結構な兵器の起動ではないのかなとか疑問に思う今日この頃皆様いかがお過ごしでございましょうか?お暑うございますな、この文章を読んだ方は水分補給をされるとよろしいかと存じ上げ奉りのたまいまくります、なんのこっちゃ?


「シーン指定が熱暴走しているというのも珍しいような普段からそうであるからそれほど珍しくないような、いやこれに慣れてしまうとそれはそれで問題があるような気がするのであるけれども」見た目は幼女、実年齢と経験は色々大人の女性で、探索者にして武芸者であるところの斧野小町二十歳は誰ともなしにつぶやく。

『神様目線で登場人物が語り始めるとその作品はすでに末期であるというような、古からの言い伝えがあったりもしますが、意外と古事記とかもそのような武表現があったりするのですよね、さすが稗田阿礼語り口が半端ない、誰にもできなかったようなことを軽くやってのけるそこに痺れる憧れる』迷宮内機動小型戦車から結構はっきりとした軽口が聞こえてくる、喋り主は遠く迷宮外県境を越えて自宅からニンポウでそれを操っている小町妹、斧野向日葵11歳。



 舞台は岩国迷宮第18層、遠くに険しい山々が背景として見える荒凉とした丘陵地域、枯れているはずではあるもののやけに高くまで聳え立つ大木がいい枝ぶりを見せつけていて、その高い枝には羽を休めているというよりも爛々と目をきらめかせて獲物を物色している鳥型の怪異が鈴なりに生っている。


 頭は烏のようなそれも嘴が太い形をしているが大きさは大鷲のごとく、羽を広げると大の大人が包み込まれるのではないかというほどの全翼で、その大きな体を支える足にはこれまた凶悪で剣呑な鋭い爪を生やしている。

 特徴的であるのはその胴体でありそこには歪んだ笑みを浮かべているような猿の顔が存在している、本物の顔ではなく、羽毛がそのように見せているだけのことではあるものの、じっと見ていると何やら不安な気分にさせられる、それはただ単なる不気味な雰囲気に当てられているというだけではなく、実際に迷宮怪異的な能力によって、混乱と恐怖を呼び起こすためのその怪鳥が持つ能力の発生源とした役割を果たしていたりもする。


 その体躯でいかにして空へと舞い上がるのかというならば、それは峻険なる山から吹き下ろす風を大きな羽根を広げてもってして受けとめ舞い上がるということをするわけではあるものの、実のところここにも怪異的物理法則が働き、自らを舞い上げるための風を吹かせ、なんと平地からでも速やかに遅滞なく舞い上がることが可能となっていたりもする、全くもって理不尽な生き物であるものの怪異とはそもそも理不尽極まりない、理外の物質化、顕現したものであるからして全く対応する側としては飲み込みそういうものであると納得するしかないわけである。


 それら怪鳥が数十羽、山からの気流を気持ち悪いくらい見事に捉え空を舞う、鳥が八分に空が二分、襲いくるからこその視界ではあるものの、それほどの勢いで迫ってきて、


 蚊蜻蛉のように落ちていく。


 つまりは戦車の高機動飛行による背後からの照準確定、瞬時に放たれるやや細め、人の手首ほどのそれが、鏡面装甲より垂直に湧き出でて、曲がり、貫いていく、背後から爪を振り当てようとする怪鳥、しかし全方位に貫き光線を放つことのできる戦車に死角はなく、綺麗に頭を撃ち抜いて、処理されていく。


「圧倒的ではあるけれども、戦車とはなんなんだろう、と考えさせられる絵面ではあるなぁ」呆れ声小町。

『空飛ぶ車くらい普通にある発想じゃない?これが時間移動とかし始めるとかじゃないなら、常識の範囲内範囲内、問題ないない』空中起動している戦車から分たれた通信用独立部品が、小町のそばに鎮座しつつ、軽く、ニンジャ向日葵の言葉が響く。


「時間旅行ができる車って、それはもう車じゃないだろう?」

『見た目が車ならそれは車だよってことなんじゃないかな?』


 空の割合を広くしながら、結構呑気に会話を楽しむ姉妹。




「もう車輪とかいらないんじゃないかな?」もっともな指摘をする淫魔。


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