065_人殺しの技ではなく壊し崩しのそれ。
シーン:斧使いの武芸者は本来数が少ないというよりも皆無なものであるはずであった歴史的にみても武器としては扱いづらいというよりは武器として認めれていないそれはただの道具であり作業具であり木を加工するものという認識で世間から見られているものでありそれを武芸までに発展させようという奇妙な発想に至る武芸の一門が発生したことはある意味奇跡的なもしくは幾重もある偶然が実を結んだからに過ぎない、ということはなく、ただただそれが好きで好きであの重く頭に重心がよっている鉄塊を振り回すことが好きすぎた存在が祖にあっただけのただそれだけの話であったわけで、脈々とそれが受け継がれてきたのは兎にも角にも好きものが続いただけの話であるわけである、ただまあもちろんそれが全くの役に立たないありていにいって弱い武術ではないということもまた確かであったわけではある。今回の舞台指定は斧術家の心えなどが中心になる稽古事の描写である。
「盛大に貶されているようなそうでもないような」首を捻るのは見た目は幼女、その実大人、成人女性にして女武芸者で迷宮探索者、斧野小町(20)。
「まあ癖があるのは確かだからなあ」かかかと呵呵大笑、相対するのは見た目は幼児、その実親父、中年と呼ぶにはちょっと見た目の違和感が仕事をしすぎる武芸者にして師範にして迷宮探索者、斧野小鉄(36) 。小町の実父、小鉄16歳のときに今の妻に手籠にされきっちり種を搾り取られて孕ませられる、当時見た目犯罪ではと呼ばれた関係にまあいいかと豪快に受け入れてしまうくらいにはいい加減な性格。
道場、対峙、獲物は刃先に革布を被せて安全に配慮していますよとお為ごかしている、いつもの巨斧、実戦さながらの稽古。
「まあ、実戦ではないわな、だいたい巨斧同士の戦いなんて普通起こらんし」身も蓋もない指摘な小鉄。
「いやほんとそれね、私もそれなりに武芸者とか探索者とかやってるけど、相手が巨斧はおろか斧っぽいものを使っている対戦相手って、いなかったわ」ならばどうして巨斧どうして立ち会い稽古をするのか?などという疑問を提示する小町。
「斧術の取り回しを見取らせる、感じさせる、試させる、受けさせる、にはまあ手っ取り早合いからなぁ、あとまああるとすれば」ゆらりと身体を動かす小鉄。
「あるとすれば?」同じくゆらり、ふわり、くしゃり、すたり、動いているようで動いていないようでその実動かしている足使いな小町。
「立ち会いそのものが相手が誰であろうとも楽しい!からだなぁ!」緩急ではなく、静止から爆動、入りの気配を消した瞬間に爆風が遅れてくるような、踏み込みからの押し付け。
「同意!」わははと笑いつつその爆動を爆動で押さえ返す小町。
中空でしばし静止。
ずるりと重心を合わせて回転を止めてそのまま反発するように激特音だけを残して飛び後ずさり縦回転からの横っ飛び違いに左へと周り板張りの床を足五指でつかみ横への動きを縦へと変換そのまま両手に持った巨斧を横から振り抜いて相手の斧へと叩きつける。
轟音と共に斧が跳ねる、向きを制御、反発を次の行動に繋げるのは巨斧使いの基礎、重心を向こう側へと放り投げ、空を舞うように間合いを潰し、くるりと柄の部分で薙いで、ぶつける甲高い音と共にまた打ち合い跳ねる。
「想定している敵はでかい固いしぶとい!」小鉄が吠える。
「まあだから渾身の一撃までのあれこれは牽制にしか過ぎず、ただその軽さが対人戦術に向く、でしたか親父殿。耳にたこができるくらいに聞いたですね」小町が付き合う。
「うむ、まあそうだな!無駄にはならないけれども真髄ではない!いやそれにしても、なんだか急に腕が上がった気がするぞ!」かかか呵呵大笑褒める小鉄。
「先日迷宮内でコツを掴みまして」ちょっとどうだこれな顔の小町。
「面白い、もう少し付き合ってもらうぞい!」嬉々として小鉄。
「望むところです!」つまりは同じ穴のむじなな小町。
「戦闘民族なのは血筋なのですねぇ」納得の淫魔。




