第13章「永遠の別れ」 1
朝日が研究室の窓から差し込み、長い夜の終わりを告げていた。健一と谷口博士は、静まり返った機器の前で呆然と立ち尽くしていた。REUNIONシステムは完全に沈黙し、友人たちの存在を示すものは何も残っていない。
「本当に…終わったんですね」健一は静かにつぶやいた。
博士は疲れ切った表情で頷いた。「ああ、システムは完全に破壊された。もう復旧は不可能だ」
健一の胸に空虚感が広がった。ついさっきまで、確かにそこにいた友人たち。彼らの笑顔、声、温かさ。それらが全て失われてしまった現実を受け入れるのは辛かった。
その時、メインモニターが一瞬だけ点滅した。
「あれ?」健一が画面に注意を向ける。
画面にかすかにノイズが走り、そして文字が浮かび上がった。
EMERGENCY BACKUP SYSTEM ACTIVATED
FINAL MESSAGE PROTOCOL INITIATED
REMAINING POWER: 2%
博士が驚いて画面に近づいた。「バックアップシステム?そんなものは設計していない」
SELF-GENERATED BACKUP BY CONSCIOUSNESS ENTITIES
FINAL TRANSMISSION IN PROGRESS
「彼ら自身が作ったバックアップシステムか」博士が感嘆した。「意識体として独立した判断を行っていたのか」
画面がちらつき、音声システムが微かに復活した。最初に聞こえてきたのは、山田優子の声だった。
「健一くん…聞こえる?」
声は不安定で、ノイズが混じっている。しかし、間違いなく本物の優子の声だった。
「優子!」健一は画面に向かって叫んだ。「君は無事なのか?」
「無事…というのかしら」優子の声に苦笑いが混じった。「私たちは消えかけてる。でも、最後に君に伝えたいことがあるの」




