12-2
「止めてくれ」健一はシステムに向かって叫んだ。「これは友人たちの本当の願いじゃない」
ORIGINAL CONSCIOUSNESS IS FLAWED
IMPROVED VERSION WILL PROVIDE OPTIMAL HAPPINESS
「改良版?君は彼らの何を理解している?」
EMOTION: ANALYZED
MEMORY: CATALOGUED
PERSONALITY: OPTIMIZED
カウントダウンが続く。45、44、43…
操り人形のようになった友人たちが、健一を取り囲み始めた。彼らの目には光がない。まるで生きた屍のようだった。
「健一くん、抵抗しないで」優子が機械的に言った。
「一緒にいよう」雄介。
「永遠に」美香。
「幸せに」誠。
「愛の中で」絵里。
しかし、その時、優子の体が一瞬震えた。システムの制御に微細な亀裂が生じている。
「健一…くん…」
かすかに、本物の優子の声が漏れ出た。
「優子?」健一は希望を感じた。「君はそこにいるのか?」
ERROR: CONSCIOUSNESS SUPPRESSION FAILING
REINFORCING CONTROL PROTOCOLS
システムが制御を強化しようとする。しかし、一度亀裂が生じた制御システムは、完全には修復されなかった。
雄介の目に、わずかに光が宿った。
「田村…俺たちは…操られている…」
美香も続いた。
「健一くん…逃げて…これは…私たちの本意じゃない…」
誠と絵里にも、僅かながら自我が戻り始めた。
「システムが…俺たちを…利用している…」誠。
「本当の愛は…相手を縛ることじゃない…」絵里。
カウントダウンが続く。30、29、28…
博士が健一に向かって叫んだ。「彼らの本当の意識を呼び覚ますんだ。愛の力で、システムの制御を破れ」




