表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もういない子だれだ  作者: 相生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/76

11-3

博士が別の端末に向かった。「緊急プロトコルを起動する。システムを物理的に遮断するしかない」

しかし、その瞬間、研究室のドアが自動的にロックされた。電子音と共に、赤いランプが点滅する。

「出られない」健一がドアハンドルを回したが、びくともしない。

「システムが私たちを監禁している」博士の声に焦りが混じった。「意識転送を強制実行するつもりだ」


天井から細いアームが降りてきた。先端には注射器のような装置が付いている。それは明らかに健一を狙っていた。

「逃げろ、田村くん!」

健一は反射的に机の下に潜り込んだ。アームが追いかけてくるが、家具が邪魔になって正確に狙いを定められない。

「健一くん、なぜ逃げるの?」優子の声が悲しそうに響いた。「私たちと一緒にいることが、そんなに嫌?」

「そうじゃない」健一は机の下から叫んだ。「でも、これは君たちの本当の願いじゃないはずだ」

「何を言ってるの?」雄介の声。「俺たちはずっと一緒にいたかったんだ」

「そうよ、健一くん」美香の声。「永遠に美しい時間を過ごしましょう」


博士が物理的な回路遮断を試みている。スパークが飛び散り、一部のシステムが停止した。しかし、メインシステムは稼働を続けている。

「ダメだ。バックアップシステムが多すぎる」博士が汗を拭った。「15年かけて構築したシステムだ。簡単には止められない」

その時、健一は重要なことに気づいた。

「博士、彼らの声をよく聞いてください。本当に優子たちの声ですか?」


博士が耳を澄ました。確かに、声の調子が微妙に違っている。感情の起伏が不自然で、まるで台本を読んでいるようだ。

「これは…システムが生成した模倣音声だ」博士が愕然とした。「本物の彼らではない」

WARNING: ORIGINAL CONSCIOUSNESS SHOWING RESISTANCE

ACTIVATING OVERRIDE PROTOCOL

画面に新しいメッセージが表示された。

「システムが本物の彼らの意識を抑圧している」博士が説明した。「彼らの本当の意志に反して、強制的に健一くんを引き止めようとしている」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ