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冒険したくない冒険者〜生涯賃金を稼いだら冒険者辞めてもいいよね?〜  作者: 茄子の皮
第2章 王都編 ③貧困街改造計画
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違法奴隷商人

よろしくお願いします。


 時刻午前9時。


 貧困街には、多くの人が集まっている。


 リール達3人、ドグラ達大工30人、昨日雇った労働者84人、サンクとゾロダロン商会の魔法が使える職員5人の合計123人だ。



「それでは、家の解体と道の整備、家の建築をしていきます!」

 リールは皆に指示を出す。細かい事はドグラ達大工に任せていく。



 リール達3人は、家の解体を始めていく。


 犯罪者や浮浪者が家の中に住んでおり、働きたい人は全て雇っていく。犯罪者は衛兵に報告するため、麻痺毒で動けなくしてまとめていく。


【ロンダール南東地区】と昨日壊した家の土地に見えるように木の看板を作り、リールの土地を区別していく。



「いやー、こんなにいろんな人が集まってくるとは、思いもしませんでしたね。」

 サンクは驚きながら作業を見ている。


「そうですね。仕事が無い人がこれだけいるとは、思いもしませんでした。」

 リールは答える。



 作業をしていると、新たな浮浪者達が集まって働きたいと訴えてきた。

 昨日雇った浮浪者達と知り合いらしく、身なりも良くなって生き生きと仕事をしているのを見て、自分も変わりたいと思って来たらしい。


 リールは全ての浮浪者達を雇い、大工達の手伝いをしてもらう。食事と身だしなみを整えてから働いている。

 食事とシャワーはミランダレ商会に頼んでいる。



 昨日よりも早く解体作業を終わらせていく。




「テルクさんの家だな。」

 リールは周りの家より立派な家の前に着いた。


「テルクさん!いるか!リールだ!」

 リールは家のドアを叩いて話す。



 ガチャ。家のドアが開く。


「久しぶりだな。」

 元傭兵の男性2人が顔を出す。



「貧困街を建て替えている。テルクさんはいるか?」


「入ってくれ。」


 リールは家の中に入る。



「久しぶりです。テルクさん。」

 リールは頭を下げる。



「久しぶり。外が騒がしいから、始まったのは知ってるよ。ここも壊すのかい?」

 テルクが話す。


「はい。壊しますが、後でも大丈夫ですよ。」


「そうだね。出来たら住む家が出来たらがありがたいね。住む場所が無くなってしまうだろ?」

 テルクは笑っている。



「そうですね。周りの家を壊してからでも大丈夫なので、家も建てながら作業してます。」



「そうかい、貧困街に住んでいた犯罪者や浮浪者は、どうしたんだい?」


「犯罪者は全員捕まえて衛兵に引きとってもらいました。浮浪者は雇って労働してもらってます。」


「そうかい。仕事が無くてしょうがなくここに住んでいる奴もいたからね。働く場所があるならありがたいだろうさ。奴隷商人の所は行ったかい?」


「いえ、どこにあるんですか?」


「あの大きなホテルの少し先に小さいホテルがあってね。そこに奴隷商人がいると思うよ。」


 ギラン一味がいたホテルより先にあるらしい。

 正式に登録されていない奴隷商人は違法となる。サンクが登録されている奴隷商人を全て知っている。


「そうですか。いずれ行きます。」


「出来たら早めに行ってやりな。奴隷にされているのは一般市民や他所の街の人達だからね。」


「そうですね。話を聞いたら直ぐに行かないと気になりますね。」


「人手は足りるかい?あんた達手伝ってやりな。」

 テルクは元傭兵の2人に言う。


「リール。俺たちが奴隷商人の所まで案内してやる。奴隷なんて好かないことをやってる奴は、潰したほうがこの街のためだ。」

 男達は熱を込めて話している。


「分かりました。奴隷商人はさっさと潰して来ましょう。それでは行ってきます。」

 リールは男達を連れてテルクの家を出る。

 リールはテルクを皆に紹介して安全を確保する。




 リールと元傭兵の2人と一緒に奴隷商人の所へ向かって歩く。

 ユリカ達は作業してもらっている。



「そう言えば名前って何て言うんだ?」

 リールは2人に聞く。


「俺はスピロだ。」

 黒髪の男は言う。


「俺がジョルジだ。」

 金髪の男は言う。


「そうか。名前も知らなかったからな。」


「いや気にするな。それより、奴隷商人はどんな作戦で潰すんだ?」

 ジョルジが言う。



「もちろん正面突破だ。護衛がいる奴隷商人は基本違法らしいからな。普通場所の登録もしているみたいだ。」

 リールをサンクに聞いていた。


「そうか。黒幕が誰かは聞いた方が良いぞ。後で面倒な事になるからな。」


「ああ、わかった。」



 リール達は歩くこと10分で小さなホテルに着いた。



「ここにいるらしい。」

 ジョルジがホテルの前を見て言う。3人は隠れて見ている。


 ホテルの入口には4人の武装した男性がいる。


「弱そうだな」

 リールは呟く。


「そうだな。レベル20くらいだろうな。中にはもっと強い奴がいると思うぞ。」


「面倒だからさっさといくぞ。」

 リールは正面からホテルへ向かっていく。


「なんだお前達は!客じゃ無いな!」

 目の前の男が騒いでいる。


「奴隷達はいるのか?」

 リールは聞く。

 男達の10メートル手前で話す。


「お前に関係ないだろうが!」

 男が騒いでいる。



「バカみたいに騒が無くても聞こえいる。耳が悪いのか?」


「ふざけた奴だ。おい!こいつらも商品にしてしまえ!」

 男達はロングソードを構える。



「やかましいな。ウィンド!」

 リールを右手を男達に向け風を吹かす。


「は!こんな風で俺たちに聞くか!」



 バタバタン!


 男達は床に倒れこむ。2人は倒れた拍子にロングソードが刺さって出血している。



「風魔法だよな?何をしたんだ?」

 スピロが聞く。



「ん?風魔法の中に毒魔法を混ぜて体を麻痺させただけだ。」



「普通に2重魔法使うんだな。初めて見たら絶対食らうだろうな。

 」


「それよりさっさと行こうか。」

 リールは壁に手を当てて魔力を込める。


 ホテルの壁はサラサラと砂にゆっくりと変わっていく。


「え!行くって言っておいて壁を分解するのか!」


 入口があった壁一面は全て砂に変わり、雨ざらしになっている。



「楽だろ?」

 リールはホテルの中に入って行く。


「「いや、何が楽かわからない」」

 2人は思う。



 中に入ると3人の男達がいた。

 黒いスーツと武装した2本剣の2人だ。



「なんだお前達は?」

 黒いスーツを着た茶髪の40代くらいの男性が言う。


「奴隷達はいるのか?」

 リールが聞く。


「いるぞ買いたいのか?」



「いや、違法だから捕まえに来ただけだ。」


「そうか。なら生かして帰す訳にはいかないな。」

 黒スーツの男性は他の2人に促す。武装した2人は前に走りだす。


 2人はロングソード2本を構え、リール達に斬りかかる。


 スピロとジョルジがソード1本で迎え撃つ。



 ギン!ギギン!

 上下左右から両手剣で攻撃されている。


 スピロとジョルジは2本のロングソードを1本で捌いている。


「ファイアーアロー」

 黒スーツの男が魔法を唱える。

 炎の矢4本がリールへ向かってくる。



「ファイアーアーマー」

 リールは無言で唱える。体の周りに炎の膜を張る。服が燃えない様に、風魔法を内側に張り炎を調整している。

 透明の炎の膜が出来あがった。


 炎の矢がリールの体に直撃する。

 体に炎が広がるがダメージは無く炎の矢は消える。




「ファイアーアロー!ファイアーアロー!」

 スーツの男性は何度も唱える。


 リールに直撃するがダメージはない。



「応用が出来るな。」

 リールは呟く。


 2本剣の二人とジョルジとスピロはまだ斬りあっている。


 長いな。

 リールは斬りあっている4人の中に歩いていく。

 炎の膜と身体強化の魔法を使っている。



「おらぁ!」

 ジョルジと斬りあっていた男がリールに斬りかかる。


 ドン!


 リールに2本のロングソードがぶつかり、後ろに5歩ほど飛ばされる。

 2本のロングソードは熔けて鉄の棒になった。

 リールはダメージない。


 ズバン!ザシュ!

 ジョルジが男を斬り伏せた。


「リールさん大丈夫ですか?」

 ジョルジが聞いてくる。



「ああ、大丈夫だ。打撃は無理だったな。剣が一瞬で熔けると思ったが熔ける前に斬られてしまったな。」

 リールの思っていたのと結果が違った。


「また変な事を。」

 ジョルジは呆れている。



「スピロ下がれ。」

 リールはスピロの前の男に近づいていく。


 男は2本のロングソードでリールに斬りかかる。

 リールは2本剣を両手で受ける。

 リールは毒の風を吹かせる。


 男は倒れて動かなくなった。



「終わりだな。」

 リールは黒スーツの男を見る。

 黒スーツの男は床に這いつくばっている。ジョルジとスピロが捕まえていた。



「くそ!お前らは何なんだ!」

 黒スーツの男が叫ぶ。


「うるさい。騒ぐな。それより奴隷達はどこだ?」


「誰が言うか!」


「絶対言わ無いのか?」


「・・・・」

 男は無言だ。



「面倒なのは嫌いなんだぞ?」


「・・・・・」

 無言だ。



「実験するか。離れてくれ」

 ジョルジとスピロが離れる。


「洗脳と拷問どっちが良い?」


「・・・・・」

 男は無言だ。



「まずは拷問だな。サイレント。」

 リールは風魔法で男の声を聞こえなくする。


「止めて欲しい時は言えよ。アイスロック」

 リールは男の手首と足首を氷で固め、床に大の字で仰向けに固める。


「アイスアロー」

 氷の矢を10本作りだす。


「いくぞ。それ。」

 氷の矢を男の上に投げる。氷の矢が男に落下する。


 グサッ!

 男の右太腿に突きさる。


 男は苦悩の表情を見せ大口を開いている。

 リールは刺さった氷の矢溶かす。床に血が流れ出す。


「次いくぞ。」

 氷の矢2本を上に投げる。


 グサッ!グサッ!


 男の腹と右肩に突き刺さる。


 男は汗を流して大口を開けバタバタと動いている。



「大丈夫か?まだ止めて欲しく無いのか。元気だな。」


 男は大口を開けて訴えているがサイレントの魔法で全くの無言だ。


「飽きたな。」

 リールは4本の矢を投げる。


 男の両手足に突き刺さる。


 男が苦悩の表情で叫ぶ動作を見せている。

 氷の矢を溶かし、床一面に血が広がる。



 男は涙を流し動かない。




「生きてはいるな。」

 リールはサイレントの魔法を解除する。


「奴隷達はどこにいる。」


「・・・」

 男は無言だ。


「生きているだろ?聞こえるから話せ。」


「お願いします。もう止めてください。」


「どこにいる。」


「地下です。」


「案内しろ。ヒール」

 リールは手首足首の氷を溶かし、出血を止める。


 男は立ち上がりフラフラと歩きだす。

 リール達は後ろに付いていく。



 後ろで見ていたジョルジとスピロは心の中で誓う。


『絶対この人を裏切りません!』



 リールは地下へ向かっていく。



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