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冒険したくない冒険者〜生涯賃金を稼いだら冒険者辞めてもいいよね?〜  作者: 茄子の皮
第2章 王都編 ③貧困街改造計画
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貧困街改造計画

ありがとうございます。

よろしくお願いします。

 リール達3人は、街で食事を済ませミランダレ商会へ向かう。


 時刻12時50分。


 ミランダレ商会の前に10人のガタイの良い男性10人とサンクが待っていた。



「こんにちは、リールさん。こちらがミランダレ商会直営の大工の人達です。」

 サンクが大工達を紹介する。リールは、棟梁のドグラ以外覚えられていない。


「サンクさんから話は聞いているぞ。面白い事をやるみたいだな?俺たちに任せれば何も問題ないぞ!」

 年齢50代ほどで、短髪髭面190㎝の大男のドグラが笑顔で話している。


「ありがとうございます。これからお世話になります。」

 リールは頭を下げる。



「それでは貧困街へ向かっていきましょう。」

 サンクが先頭に歩いていく。



「リールさんよ。本当に全て建て替えるのか?」

 ドグラが不安そうに聞いてくる。


「そうだ。手前から全ての家と、道を整備して欲しい。」


「あそこにはどんな奴らが住んでるのかも分からねぇ。闘いになったらいくら俺たちでも勝てるか分からねぇぞ」


「ああ、建て替えの心配じゃ無くて、住人の心配なのか?」

 リールは納得したように聞く。


「当たりめぇだろ?大工の腕は一流でも闘いになるとその辺の奴らには負けないが、犯罪者ともなると万が一があるからな。無駄な怪我で仕事が出来なくなりたくねぇのよ。」


「大丈夫ですよ。戦闘になったら俺がやりますので、仕事に集中してください。」

 リールは、淡々と話す。


「サンクさんは、強いって言ってたが、こう熱量が感じられないからな。強い奴は自信がみなぎってるからな。」


「大丈夫ですよ。ドグラさん。リールさんの強さは一度見れば理解出来ます。見ないとのんびりした優しい人って感じですけどね。貧困街を建て替えるなんて、やろうとしてる人がまともなわけ無いじゃないですか。」

 サンクが嬉しそうに話掛けてくる。



「そうだな。普通ではないのは考えれば分かることだな。俺達はやれることは全力でやるから、ガンガン言ってくれ。街を造るなんて夢のような仕事だからな。」


「はい。自分の家の周りが安全な場所なら後は好きな様にしてもらっても良いですよ。」


「それなら街に出店したい店や、作業場が欲しい職人達とか募集したらどうですか?王都の1/4程の土地があれば家なら500軒程出来ますからね。」

 サンクが提案する。



「そうですね。にぎやかなのも悪くは、無いですね。静かにして欲しい時もありますが、せっかくなら楽しい場所になるように造りたいですね。」

 リールは考える。


「大っきな広場は欲しいよね!」

 リールと手を繋いで歩いている、ユリカが言う。


「そうだな。街の中心部は広場にしてイベントが出来るようにしたいな。」


「広場よるも大きめの道にして、その道全体でイベントができたら店としてはありがたいですね。両脇に出店を出して行けば面白いと思いますよ。」

 サンクが言う。ミランダレ商会は飲食店に強いのだ。


「そうだな。広場とは別に何とか通り見たいにして、飲食店のレベルを競うのも面白そうだな。」



「そろそろ着きますよ、サンクさん。商売の話は建物の目安がついてからでも遅くないですぞ。」

 ドグラが呆れながら話す。


 話しているうちに貧困街の目の前まで来ていた。

 街の人は一切近寄らない場所だ。


「酷い場所だな。建物と土地がもったいない。」

 ドグラ達大工は悲しそうに見ている。普段見ない場所なので気にしていないのだろう。


「ドグラさん。この建物は使う素材ありますか?」

 リールは聞く。


「いや。これはダメだな。木も石壁も劣化が酷いな。一度鍛えてからしか使えないな。」

 ドグラは目の前の家に触り確認している。


「家はどうやって壊しますか?」


「木は新しい物を使うが、壁の石やレンガは魔法で砂にして強化すればまた使えるだろうな。」


 家の材料は砂を魔法で固めて、保護や劣化防止の魔法を使いながら新しい材料に作る事ができる。古い建物でも魔法を使えば再利用できるのだ。


「なら片っ端から砂にしていきますね。」

 リールは目の前の家のドアに手をかける。鍵がかかっているが力ずくで開ける。


 貧困街の土地は全てリールの所有物なので、人がいても関係ない。もしいたら犯罪者として合法で処理出来る。


「誰もいませんね!」

 部屋にリールの声が響く。

 リールは壁を風魔法で削っていく。家が崩れない様に慎重に屋根から崩れて砂になる。木材は小さい欠片にしてまとめていく。

 ユリカやユキと大工の魔法使い3人も手伝っている。

 家は木と砂を固めたブロックで作るのが基本となっている。鉄などは使われていない。



 5分もすると家は砂と木の欠片だけになっていく。大工の人達がマジックバックの中に砂と木の欠片を全てしまっていく。


 家がまるまるなくなってしまった。


「早いな」

 見ていたドグラが呟く。


「そうですか?」

 リールが聞く。


「普通5人でやったら20分は掛かるだろうな。仕分けまでまぜると30分は掛かるだろう。リールさんとそっちの娘さんの魔法が強力なんだろうな。」


「役に立てて良かったです。ガンガン行くのでよろしくお願いします。」


 リールは家のドアを開け、人がいないのを確認すると家を壊していく。



 ガチャガチャバキバキ


「誰かいませんか!」


「てめえ!誰なん」


「犯罪者ですか?」


「うるせぇ!」


「面倒だ」

 リールは魔法で麻痺の風を吹かせて動け無くする。

 犯罪者達を麻痺させて動けなくしていく。




 ガチャンバキバキ!


「誰かいませんか!」


「ん?すみません!仕事も住む場所も無かったんです!命だけは!」


「働く気はあるか?」


「はい!まっとうに生活できるなら喜んで!命だけは。」


「わかった。家を壊しているから、大工さん達の手伝いをしろ。最低限の面倒は見てやる。」


「分かりました。」



 家の中にいる人は両極端の人達だった。


 反抗的な人達は問答無用で麻痺させてまとめておく。謝ったり、事情があって職を失った人達は労働者として使っていく。

 労働者達は、満足に食事が出来ていないため、リールが街で買っていた料理を食べさせてから、砂と木の欠片をマジックバックにしまうのを手伝わせる。

 魔法が使える人は、家を壊すのを手伝ってもらう。



 家を壊せば壊す程、人が増えていった。


 犯罪者21人。


 労働者女性13人男性71人。家に居ないで近くにいた人や、知り合いの人達が集まって来て増えていった。

 魔法が満足に使えるのが女性4人、男性5人。2軒位は一人で壊す魔力を持っている。

 他の人達は砂や木の欠片運びを手伝っている。

 ドグラや大工達がリーダーとなり指示を出している。



 時刻午後4時30分。


「今日はこの辺で終わりにしよう」

 リールは皆に声をかける。



「いやー。ずいぶんと見晴らしが良くなったな!」

 ドグラが家が無くなった道を見ている。


 家が80軒程無くなった。


「明日は区別したいから家が無くなった辺りから、家を造る準備をお願いします。」

 リールはお願いする。


「そうだな。分からねぇ奴は、良い土地にしか見えないからな。今まで貧困街とか言ってたのに王都の街よりも立派になったら面白いだろうな」


「どうせなら貧困街って名前じゃ無くて、新しい名前を決めたいな。」

 リールは貧困街って名前が気にいらないのだ。


「リール街とか?」

 ユリカが言う。


「そんな名前はしないだろ。自分の名前は嫌だな。」


「王都の街なんだから街って使うのは変でしょ。」

 ユキが言う。


「確かに。地区か?ロンダール南東地区とか?」

 リールはそのままの名前を言う。


「それが無難ね。王様に目を付けられる用な事はしないようにね。」



「そうだな。ロンダール南東地区って看板を立てて家を造っていきましょう。」

 リールはドグラに伝える。


「わかった。明日はもっと多くの職人達を連れてくる。他の仕事よりもこっちを優先した方が楽しめるな。」

 ドグラは後20人ほど連れてくるらしい。



「今日はこの辺で終わりですね。この人達はどうしましょう。」

 リールはサンクに聞く。


 労働者84人がいる。


「家のホテルに宿泊してもらいましょう。服も新品のを用意しておきます。」

 サンクはミランダレ商会のホテルを提供してくれる。


 犯罪者達は、労働者達が衛兵を呼んでくれたので、連行されて行った。



「明日は午前9時から始めますか。ここに集合で大丈夫ですよね」


「大丈夫だ。俺達も直接ここに来た方が楽だからな。」

 ドグラ達も現地集合だ。


「分かりました。それではお疲れ様でした。」


 リール達全員は、街へ戻っていく。

 97人がぞろぞろと街を歩く姿は異様な噂になってしまった。



 浮浪者達をまとめる怪しい集団の噂は近い未来、英雄譚として語られていく。








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