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冒険したくない冒険者〜生涯賃金を稼いだら冒険者辞めてもいいよね?〜  作者: 茄子の皮
第2章 王都編 ②新たな出会い
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高級店 ムラシキ

ありがとうございます。

 時刻午後7時。


「ここか。」


 リール、ケイン、ジュウドは、紫と黄色の紫陽花模様の外観の広い店の前にいる。


 入口の両脇にスーツ姿の男性2人が立っている。


「いらっしゃいませ。初めてのご来店ですか?」

 一人の男性が話かけてくる。


「はい。そうです。」

 リールが答える。


「身分証明するものはありますか?」


「これを」

 リール達はランクが書かれたランク板を見せる。


「SSランクのケイン様、ジュウド様。Bランクのリール様ですね。こちらに触れて魔力を少し流して下さい。」


 紫色の四角い置物をリール達の前にだす。リール達は一人づつ手で触れて魔力を流す。


「こちらに名前と魔力が登録されます。もしも犯罪などあれば追跡出来ますので、良識のある行動をよろしくお願いします。」


 この四角い魔道具は対になっていてこれを壊しても、もうひとつで追跡できる。暴行やお金が無いで逃げた場合などで使うようになっている。



「ありがとうございます。席に案内いたします。こちらへどうぞ。」


 スーツの男性に案内され、個室の部屋に案内される。

 10人ほどが座れるソファーにテーブルがある、淡い色のライトが付いた部屋だ。


「ご指名はありますか?」


「シルカさんをお願いします。あと3人ほどお願いします。」

 リールは答える。



「分かりました。お待ちください。」

 スーツの男性は、部屋を出て行く。



 リール達はソファーに座って待つ。




「お待たせしました」

 スーツの男性が女性4人を連れてきた。


「シルカです」茶髪で褐色の肌に豊満な女性。

「マユです」金髪で色白な肌にスレンダーな女性。

「アイーナです」金髪で色白なエルフの女性。

「キャミです」黒髪で幼児体型の女性。


 身体のラインを強調した、綺麗な服を着ている。

 4人は並びお辞儀してリール達の間に座る。


 スーツの男性は入口を出て待機している。



 左側から、キャミ、リール、シルカ、ケイン、マユ、ジュウド、アイーナとソファーに座る。

 


「こんにちは」

 キャミが話かけてくる。


「ああ、こんにちは。」

 リールは答える。


 それぞれ会話を始める。

 ケインがお酒を注文し、テーブルにお酒とチーズ、果物など軽食が並ぶ。



「どうぞ」

 キャミがリールにお酌する。


「ありがとうございます。どうぞ。」

 リールもお酌する。


「ふふふ。ありがとうございます。」



 2人はお酒を飲む。



「リールさん。普段こういうお店来ませんよね?」


「分かりますか?」


「はい。普通お客様はお酌しませんよ。」


「そうなのか。性格だろうな。気にしないでくれ。」

 リールは照れくさそうに答える。


「いえ、良い人で安心しました。冒険者の人で横柄な人もいるので。」


「そうだな。人それぞれだからな。」


 テーブルに高そうなお酒が並んでいく。

 ケインが注文している。


「良いですね。のんびりしていて、毎日来ませんか?」

 キャミとリールは身長差があり、キャミは上目遣いで見ている。


「いや、毎日は無理だな。たまになら良いがな。」


「じゃあ、たまに来て下さいね。一緒に楽しみましょう。冒険者なんですよね?打ち上げにでも来たんですか?」

 リールはお酒を注がれ飲み干す。


「いや、一緒のパーティーじゃないんだ。今日はシルカさんに用事があって来たんだ。」


「じゃあ、次は私に逢いに来て下さいね。」

 キャミがリールの左腕にくっつきながら話す。


「そうだな。機会があればな。」


「普段も王都にいるんですか?」


「そうだな。ここ最近はいるな。」


「冒険者って大変ですか?」


「そうだな。俺は適度に稼げれば良いから、月の半分は休みだな。」


「それで、この店にくるほど稼ぐなら凄い冒険者なのでしょうね。」

 キャミは笑顔でお酌しながら話す。


 ケインは更にお酒を注文している。

 ジュウドはもじもじしながら会話している。



「それなりにはな。2人はSSランクだから、稼ぐだろうから2人を贔屓したらどうだ?」


「そうですね。でもケインさんはもう、シルカさんの虜になってますよ。」


 ケインはシルカに距離近くお酒を飲んでいる。

 高いお酒ばかり注文している。開けただけのお酒が10本以上並ぶ。



「そうだな。たまには良いだろう。疲れてるんだろうな。」


「そうですか。なら大丈夫ですね。」


 キャミとリールは何気ない世間話をしている。



「ケイン大丈夫か?」

 リールは声をかける。


「大丈夫ですよ?お酒飲み過ぎただけですよ。」

 シルカが答える。テーブルには開けただけのお酒が20本以上並ぶ。


「リールさん大丈夫です。酒が足りないんですよ!もっと持ってこい!」

 ケインは虚ろな目で酒を求める。


「大丈夫じゃないだろ。」

 リールはケインの前に行き、肩を触る。


『キュアヒール』

 声を出さないで魔法を使う。

 リールは席に戻る。



「リールさん。ずいぶんお酒が余ってますね。注文し過ぎですよ!」

 ケインがおどけてリールに話す。


「おい!お前が頼んだんだぞ?」

 リールが不思議そうに言う。


「俺が!こんな高い酒頼む訳ないじゃないですか!」

 ケインは真面目に答えている。


「ケイン、お前が注文したんだろ。」

 ジュウドも不思議そうに話す。


「ええ!本当に!酔ってたのかな?」

 ケインは首を傾げる。



「まあまあ、楽しく飲んでたんでしょ!リールさんも飲みましょう。」

 シルカがリールの目を見てお酌する。



「ああ」

 リールはお酒を飲み干す。


「どうぞ」

 シルカが目を見てお酌する。


「ん?どうも。」

 リールはお酒を飲み干す。


「お酒強いですね。凄いです!」

 シルカはリールの目を見て話している。


「そうだな。酒には強いほうだな。」

 リールもシルカの目を見て話す。

 魔法を使い酔わないようにしている。


「大丈夫ですか?」

 キャミが声をかける。


「ん?大丈夫だぞ?」

 リールは普段通りに答える。


「リールさん!凄いです!」

 キャミが声を上げる。


「何がだ?」


「いえ。お酒が強いのがです。」

 キャミは話を反らす。シルカが一瞬睨んでいた。



「ねぇねぇ。もっと飲みましょう。」

 シルカがリールにくっつきお酌をする。


 リールは何度もお酒を飲み干す。

 シルカにもリールはお酌して飲ませている。


「どう?楽しんでる?」

 シルカが潤んだ目で見てくる。


「ああ。久しぶりにこんなにお酒を飲んだな。」

 リールはシルカの目を見て答える。


「リールさんは、女性に慣れているの?まったく焦ったり、ドキドキしたりしてないね?」

 くっつきながらシルカは話す。


「ん?ドキドキはしているぞ。綺麗な人や可愛い人は緊張するからな。」


「そうなんだ。私にもドキドキしてる?」

 シルカは、目を見て話す。


「ああ、ドキドキしているぞ。」


「結婚したい?」

 シルカは目を見て話す。


「いいや、結婚したいとは思わないな。」

 リールはユリカを思い出す。


「何で」

 シルカは小声で話す。



「どうした?」



「ねぇ。私って魅力無いの?」

 シルカは潤んだ目で見つめる。


「いや、魅力的だぞ。」

 リールは答える。


「キスしたい?」

 シルカは真面目に見つめる。


「いや、キスはしたくない。」

 リールは真面目に答える。



「ちょっとシルカさん。酔ってますか?」

 キャミが声をかける。


「大丈夫よ。私の話だから。」

 シルカはキャミに力を込めて話す。


「リールさん!」

 シルカは立ち上がりリールの前に立つ。


「キスしましょう!」

 シルカは両手を広げる。


「いいや、しませんよ。普通変な客が言うセリフですよね?」


 女性3人は誰も止めない。ケインとジュウドも関わりたくないのか、お酒を呑んでいる。



「さあ!」

 シルカは目を見つめている。



『ん?魔力が集まっているな。』

 シルカの目に魔力が集まっている。


「たぶんその程度の魔法は効かないぞ?」

 リールはシルカに言う。


「え?何の事ですか?」

 シルカは慌てている。



『何の魔法だろう。魔力を弱めるか。』

 リールは魔力を弱める。

『頭がもやもやするな。シルカさんを抱きしめたくなるな。これは命令か?洗脳タイプの魔法だな。』


 リールは魔力を戻す。


「キスしたくないの?」

 シルカが聞いてくる。


「したいのか?」

 リールが言う。


「ううん。してほしいの。」

 シルカが目を見つめて両手を広げる。


『魔法を試すか』

「いいぞ。おいで。」

 リールは目に魔力を込めて、両手を広げる。



「ん!」

 シルカはリールの脚に乗って抱き付き、唇にキスをする。


『ヤベ!魔力込め過ぎた』

 リールは焦る。

 シルカが使ったのと、同じ効果で魔法を使ってしまったのだ。


「ちょっと!シルカさん!」

 キャミが叫ぶ!


「リールさん!ユリカさんに殺されますよ!」

 ケインも叫ぶ。


「ん!はぁん!」

 女性達がシルカを離そうとするが、リールに力を込めて抱き付き、唇にキスを続ける。


『キュアヒール』

 リールはシルカに魔法を唱える。




「ごめんなさい。」

 シルカが抱き付きながら言う。


「大丈夫か?」

 リールが聞く。


「いいえ。大丈夫ではありません。」

 シルカはリールに抱き付き、胸に顔をうずめる。


 スーツの男性が変な目で見ているが、キャミが何でもないと説明する。


「それなら離れてくれないか?」


「もう少しだけ」

 シルカはリールに抱き付いている。


「ケイン、ジュウドさん、わかっているな?」

 リールは殺気を込めて言う。


「はい!絶っっっ対に言いません!」

 二人は立ち上がり、直立のまま宣言する。



「シルカさん。何でこんな事をしたんだ?」


「シルカって呼んで。悔しかったの。」


「今まで効かない人は、いなかったのか?」


「うん。いない。」


「もし変な人だったら大変だろ?」


「リールは大丈夫だと思ったもん」


「もん!じゃないよ。その魔法はなんなんだ?」


「魔眼だよ。魅了や命令に特化しているの。」

 シルカは目に魔力を込めると、普通よりも強い魔法が使える目を持っている。


「ケインのも魔眼だな。」


「そうだよ。お酒を飲んでいると、SSランクでも効くんだね。リールには跳ね返されたけどね。」


 ケインの魔法防御力が低い訳ではなく、本人の気の抜いた状態だと抵抗力が下がってしまう。


「なるほど。意識はあったのか?」


「キスした時の?あるよ」

 シルカは抱き付きながら頬が赤くなる。


「忘れてくれ。」


「無理」

 シルカが笑顔で答える。


「いくらだ?」


「お金じゃないよ。」


「なら何だ?」


「結婚しよう!一緒に生活しよう!」


「無理だ。もう結婚の約束している。」


「なら愛人でもいいよ。」


「無理だ。他に何かないか。」


「私を楽しませて」


「今か?」


「ううん。これからずっと。」


「お金じゃダメなのか?」


「ダメ。ユリカさん?に会わせてくれるなら良いよ。」


「わかった。楽しませてあげよう。毎日は無理だがな。」


「たまに来てね。」


「わかった。シルカの魔眼でさっきの記憶って忘れさせる事できるのか?」


「出来るよ」


「ケイン!ジュウドさん!ちょっと聞いてくれ。」


 リールはさっきの記憶を消すことを2人に伝える。

 2人も了承し、シルカの魔法を使ってさっきの記憶を消す。



「ひとまず安心だな。キスくらい慣れて無いのか?」

 リールは隣に座ったシルカに聞く。


「初めてだよ。」

 シルカは頬を赤くする。


「本当に?」


「うん。本当に。リールは?」


「違うな。」

 ユリカとキスしている。


「ふーん。これからどうしよう。」

 シルカはリールに寄りかかる。


「ゾロダロン商会の会長が来ているんだろ?」


「うん。来ているけど、お金があるから来てもらっているの。別に好きでもないし」


「そうか。来なくなったら困るか?」


「店としては困るけど、私はどうでも良いよ。」


「そうか。今日はお願いがあって来たんだ。」


「お願い?」


「ああ、ゾロダロン商会の会長を引退させたい。協力してくれないか?」


「私が?」


「シルカにゾロダロン商会の会長が毎日会いに来ている情報が入ってな。シルカが言えば簡単だと思ったんだ。魔眼があればスムーズに出来るだろ?」



「作戦は?」


「今後ゾロダロン商会の売上が下がっていく。今引退してお金さえあれば、楽しい生活が出来ると思わせてくれ。下の店はミランダレ商会に協力を求めるからそこで終了だ。」


「1日よりも、ゆっくり日にちを掛けてやった方が良いね。」


「そうだな。2週間くらいでやってくれ。周りの人に異変が気付かないようにしたい。」


「お礼はちょうだいね。」

 シルカは笑顔で見る。


「出来る限りの事はする。」


「ならお酒を飲みましょう。」

 シルカはリールにお酒を注ぐ。


 リールは酒を飲み干す。


 楽しい時間が過ぎていく。



 時刻は午後9時30分。


 リールは会計を済ませ店をでる。

 金貨2枚ほどの金額がかかった。飲みきれない酒は持ち帰ってきた。


 ケインとジュウドとは店を出て別れる。



 リールはホテルに戻る。


 約束の9時を越えて、ユリカに怒られている。


「どうだった?」


「上手く行ったぞ。」


「女の子は?」


「別に何も」


「本当に?」


「お金をかなり使っただけだ。ほら」

 余った酒をマジックバックから取り出す。コップ2つに酒を注ぐ。


「ふーん。まぁいいや。飲もうか。」


 リールとユリカは酒を飲んで過ごす。


 長い夜が始まった。


毎日朝7時に次話投稿しています。


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