魔道具作成 リールの要望
会話の多い小説。
時刻午後2時。
魔道具店ココラーン隣の工房。広さ30メートル四方の建物で、テーブルや椅子がならんでいる。
ココラーンの店は鍵を閉めている。
リール、ユリカ、ユキ、オリービアが椅子に座り、テーブルを挟んで向かえに、スライドと綺麗な女性と背の低い男性が並んでいる座っている。
「こちらの男性が、魔道具素材加工リーダーでドワーフ族のジンロさん。そして、この女性が魔道具付与リーダーでエルフ族のキルクさんだ。」スライドが2人を紹介する。
「おう!よろしく!ジンロだ!大抵の素材はどんな形にでも加工してやるぞ!」
「キルクです。魔法の付与なら任せてください。」
「よろしくお願いします。」ザンバードの3人は頭を下げる。
「それでこのおっきい兄ちゃんが依頼人か?」
「はいそうです。出来るのか?と必要な物があるのか?を知りたいんですが?」
「最近はゾロダロン商会の奴に最低な仕事をしろなんて言われたからな。俺のレベルが下がる仕事なんてやる意味ないだろ?」ジンロは怒っている。
「私の所にも来ましたね。ジンロさんの言いたい事は分かりますが、お金は大切ですからね。職人は仕事があってなんぼですから。」
「金が大事って言っても結局あんたもココラーンに残ったじゃねぇか?」
「まだ大丈夫ですが、正直もうすぐきつくなりますね。店長、仕事がこの先入る見込みはありますか?」
「いいや。安定しては、入って来ないだろう。ゾロダロン商会が低品質の商品を安く売っているから、こだわりのない冒険者は、ココラーンに来ないだろう。」
「かー!嫌だね。一流なら道具ですら一流じゃないと。それに比べ白髪の兄ちゃんは見所がある。ところで冒険者ランクはいくらだい?」
「今はDランクですね」
「Dランク!そんな奴にココラーンの魔道具が買えるのか?高いぞ?」
「ええ、大丈夫です。」
「言ってもなぁ。すぐ死んでしまったらもったいないだろ。家の魔道具を」
「ジンロさん。あなた見る目が無いですね。見ただけで感じますよ。恐ろしい程の魔力をリールさんは持ってますよ。」キルクは話を遮る。
「本当か?」
「ええ、魔道具付与担当メンバー全員分位の魔力がありますね。そのうちSランクになる逸材ですよ。」
「そうか。すまない。けどお金はあるのか?今ないと厳しいだろ?」
「厳しいのは経営だけどな。それよりも、リール君がどんな商品が欲しいか1個1個考えよう。」
「分かりました。まず始めにマジックバックです。」
「ほう。マジックバックか。既製品ではだめなのか?」ジンロが聞く。
「はい。とにかく大容量で食べ物が長期保存出来る物が欲しいです。」
「どのくらい入ればいいんだ?」
「そうですね。手持ちにオーガの皮があるので、これならどのくらいできますか?」リールはテーブルに2匹の皮を並べる。
「オーガか。これで何個欲しいんだ?」
「1メートル位のバックが3つ。30㎝位のバックが3つですね。合計6個あればいいですね。」
「そうか」ジンロは大体の目安を作る。
「大丈夫そうだな。1匹で間に合うぞ。容量はどうだ?」
「そうですね。頑張って150メートル四方ですね。更に劣化の付与をつけます。小さいのは50メートル四方できますね。」
「ならそれでお願いします。ブラッドベアーの毛皮ってバックの加工に使えますか?」
「そうだな。見栄え良くするのに、バックの周りに付けるか。肌触りが良くなるぞ。」
「そうですか。分かりました。加工代金いくらかかりますか?」
「そうだな。いくらあるんだ?」
「今使えるのは金貨1000枚位はありますね。」
「金貨1000枚!嘘だろ!」ジンロは驚く。キルクとスライド、オリービアも驚いている。
「これですね。」リールはテーブルに大金貨10枚を置く。
「これが大金貨か。本物だな。こんなに金があるのか。白髪の兄ちゃんは貴族か?」
「いいえ、Dランクの冒険者ですよ。これはザンバードの予算です。まだ金貨300枚以上ありますが。」
リールは金貨をしまう。
「ユキ。どう言うこと?」スライドが聞く。ユキは冒険者ギルドでのキックルとのギャンブルを説明する。
「かぁー!もったいない事をした!また戦う時は教えてくれよ!」ジンロは言う。
「はい。機会があれば。それよりもいくらですか?」
「そうだな。銀貨750枚で大丈夫だ。素材も持ち込みだからな。」スライドが言う。
「そうだな。1日あればバックは完成できる。」
「魔法付与も1日あればできます。」
「なら2日で出来るな。」
「よっしゃ!面白い仕事だ!」
「そうですね。」
「リール君後は何かあるかな?」
「後は魔力を貯める魔道具と魔力を放出する魔道具ですね。」
「他にあるかい?」
「結界魔法の魔道具ってありますか?」
「ええ、できるわよ。」
「ならそれもですね。」
「なら魔石か。白髪の兄ちゃん素材はあるのか?」
「これです」リールはテーブルに広げる。
オーガの魔石2個。ブラッドベアーの魔石4個。ゴブリンキングの魔石5個。ストーンスネークの魔石1個。
「魔力の指輪として、どのくらいの容量があれば良いかしら?」
「ユキさん用だからな。1つ10万くらい?」
ユキはマジックドレインで魔力を吸収出来る。
「この魔石では無理ね。10万なんてドラゴンでもないと難しいわよ。ゴブリンキングで2万魔力ほどの指輪ができるわね。オーガの魔石なら5万だけどもったいないわ。」キルクが教えてくれる。
「なるほど。ならゴブリンキング5つお願いします。」
「結界魔法はストーンスネークが良いわね。効果はどうしたいの?」
「敵が入って来たら倒せる結界が良いです。魔力を放出する魔道具と組み合わせて使えれば良いですね。」
「そうね。一時的の足止めならストーンスネークとブラッドベアーで良いわね。威力を上げるならオーガの魔石ね。」
「休憩に使うので、威力重視でお願いします。」
「ならストーンスネークとオーガ1つで大丈夫ね。Cランクの魔物なら入っただけで倒せるわね。どんな魔法が良いの?」
「毒の壁が良いな。麻痺でも良いが。」
「なるほどならオーガの魔石2つ使って毒と麻痺の効果がある魔法にしましょう。いいかしら?」
「ああ、大丈夫だ。安全になるならありがたい。」
「わかったわ。面白い仕事になりそうね。放出する魔道具はブラッドベアーの魔石4つでいいかしら?魔力2万ほど貯めて放出できるわよ。」
「ユキさんならその魔道具からも魔力取れるのか?」
「ええ、出来るわよ。」
「なら大丈夫だ。」
「よし!後はあるか!」スライドは聞く。
「オーガの骨って何に使えますか?」
「オーガの骨は武器や防具に使うのが普通だろうな。」ジンロが答える。
「武器って作れますか?」
「いや、加治屋に頼んだ方が良いな。知り合いのドワーフの加治屋紹介しようか?」
「はい。頼みます。」
「そうか。ゾロダロン商会の誘いを断って稼げない奴がいるんだ。腕は最高だが頑固でな。白髪の兄ちゃんなら金もあるから喜んで紹介するぞ。」
「わかりました。以上ですね。」
「なら、魔力を貯める魔道具が銀貨1500枚。結界魔法の魔道具が金貨1枚。マジックバックが銀貨750枚で合わせて銀貨3250枚だな。」
「わかりました。」
リールは小金貨3枚、大銀貨2枚、中銀貨5枚をスライドに渡す。
「ちょうどだな。いやーこんなに売れたのは久しぶりだ。」
「そうだぜ店長。こんな金そうそう見れるもんじゃねぇぞ!最高の仕事だな!」
「ええ、私達の技術が評価される。最高の商品にてこたえましょう。」
ジンロとキルクは熱が入る。
「そうだな。マジックバックで2日。魔道具で3日か?合計5日で出来るな?」
職人2人は頷く。
「今日は準備して明日合わせて5日でどうだ?」
「はい、わかりました。」
「ありがとうな。これで当分やっていける。」
「今後の対策が必要ですね。」
「そうだな。ゾロダロン商会さえどうにかすれば」
「おお!いっぱいいるな!邪魔するぞ!」
元気の良い女性が入ってきた。後ろに男性もいる。
「ちょっと稼いだから恩恵にってリールじゃないか!」
「ミランダさんこんにちは。」リールは頭を下げる。
「どうした!こんな所で!いや失礼。珍しい場所で!」
「ココラーンはユキさんの実家です。なので寄って魔道具の注目してました。」
「そうか。良い魔道具が多いからな。ゾロダロン商会の奴のせいで厳しい対応になってるが。」
「そうですね。どうにかなりませんか?」スライドが聞く。
「どうにかって買うのは客次第だからな。同じ値段で高品質の物を売ればすぐだが、そんなの価値を落とすだけだろ?」
「そうですね。」
「そうするとどうしても客は、安い商品を買う。低ランクの冒険者は特にそうだろ?」
「確かに。」
「だから厳しいんだろ?高いランクの冒険者か、大きな店を顧客にしないと難しいだろうな。」
「どうすれば良いでしょう?」
「そこは自分で考えろよ?スライド。店長だろ?」
「そうですね。」
「ヒントはリールだ。」
「リール君が?」
「ああ、リールの波に乗れば最高の結果になる。恐らくな。スライドも儲けただろ?」
「ええ、ありがたい事に。」
「あと、ゾロダロン商会はお前達が邪魔になって来ているぞ。高品質の商品がある店は潰しているからな。貧困街に犯罪者どもを雇っているみたいだ。気を付けておけ。」
「わかりました。」
「それじゃ今日は何も買わずに帰るか!リールが注文したなら大丈夫だろう。サンク帰るぞ!」
ミランダとサンクは帰って行った。
「ゾロダロン商会か。大変な事になりそうだな。」スライドは呟く。
「大丈夫なの?」ユキは心配そうに聞く。
「たぶん大丈夫だろう。絶対は無いが。何とかするさ。」
「護衛を付けるのは?」
「いや信用出来る冒険者もいないからな。ゾロダロン商会の手の者だったら意味がない。」
「そうね。私達がずっといるのも無理よね。」
「どれだけ強い敵かわからないからな。なるようになるさ。魔道具もあるからな。」スライドは笑ってみせるが不安が見える。
「俺達は大丈夫だぜ、店長。腕っぷしが強い奴が多いからな。」
ジンロが言う。キルクも頷く。
「店長夫婦だけだな。恐らく狙うなら2人だからな。」
「そうか。まぁ大丈夫だろう多分。」
「面白い事を考えたぞ!」リールは言う。
「ユキさん契約魔法って使えるか?ええ、出来るわよ。」
「貧困街の土地って買えるのか?」
「ええ、買えるわよ。」
「わかった」
「何する気?」
「これだ」
リールは小金貨1枚を見せる。
「貧困街を買うの?」
「家を建てる。」
「それだけ?」
「ああ、それだけ」
「そう。何も言いません」
リールはズボンのポケットに小金貨をしまう。
「ん?話は終わったのか?よし!これで終わりだな。後5日ほどで完成するから今日はおしまいだ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「こちらこそありがとう。最高の商品を約束するよ。」
「リール君。私は少し話していくから」ユキが言う。
「わかった。今日はもう休みだ。明日冒険者ギルドへ集合で」
「わかったわ。」
「それではお邪魔しました。」リールとユリカは工房をでる。
時刻午後4時
「どこにいく?」
「せっかくならどこか見ていこう?」
リールとユリカは手を繋ぎ歩きだす。
「食べ物は十分見たからな」
「貧困街って何?」
「ああ、王都の南側に空き家が多い区間があってその辺が貧困街って言われている。」
「へー」
「空き家に住み着く人や、職のない人、犯罪者がいるらしい。」
「そこに家を買うの?」
「ああ、安く広く使えるみたいだからな。」
「ふーん。面白そうね。」
「だろ?」
ドン!
「なんだ?」
「ごめんなさい」
140㎝くらいの頭に犬の耳が生えた少年が、リールにぶつかった。
「獣人か。ぶつかってしまった。気を付けないとな。」
「そうね。大丈夫。」
「ああ、問題ない。どっか行くか?」
「そうね。ホテルに向かいながらどっか見ていくか?」
「うん!」
リールとユリカはホテルへ向かいながら、店を見ていく。
☆
「へへ、しけてるな。1枚だけって!金貨か!何で金貨!え!金貨!落ちつけミウロ!大丈夫だ!大丈夫か?でも白髪の人は気付いてなかったし。いや金貨持つほどの人だし。大丈夫か?流石に返した方が。金貨なんて使えないだろ。」
犬の獣人ミウロは考える。
「店で食べ物を買う。金貨を出す。見られる。怪しまれる。衛兵を呼ばれる。捕まる。ダメじゃん!」
「さっきの人はっていない!匂いを辿るか」
金貨の匂いを嗅ぐ。
「こっちだな。」
ミウロはリールの匂いを追って歩きだす。
毎日朝7時に次話投稿しています。
面白いと思ったら星の評価お願いします。
星5 続きが見たい!
星4 暇ならまた見たい!
星3 気が向いたら見たい!
星2 進んでは見ない!
星1 もう見ない!
話が貯まったら見たいあなた!
ブックマークお願いします。
Twitter「茄子の皮」で検索してください。




