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第5話

熊本市東区の住宅街。

一戸建ての2階の部屋に小林拓人はいた。

拓人は30歳。5年間引きこもりの生活を続けている。

最近はずっと四民乱戦、通称シミランというオンラインゲームをしてるだけの生活だ。

四民乱戦は武士、農民、職人、商人という四つの職業から選んで始めるゲームで様々な要素がある。

拓人は農民からゲームを始めている。

農民は田畑を開拓したり耕したり出来るのだがごく稀に武士に昇格出来るという秀吉ルートと呼ばれるものもあり拓人はその秀吉ルートで武士に昇格したプレイヤーだ。

「よし!オワダラ占領!ふー疲れたー。」

拓人はゲーム内の土地を占領し意気揚々としていた。

するとゲーム内の商人が話しかけてきた。


上流下僕:

こんよろ


タクト:

こんよろ


上流下僕:

凄いね

不落のオワダラ落とすとは


タクト:

いやー大変だったよ


上流下僕:

こんな強い人いるなんて俺同じ武士だったらと思ったらゾッとした

商人で良かった


タクト:

ハハハ

まあそうかもね

ところで商人でしょ?

いい物ある?


上流下僕:

今ちょうど黒龍刀がある


タクト:

マジか

いくら?


上流下僕:

3000000両


タクト:

高っ!

もうちょっとどうにかならない?


上流下僕:

無理だよ

どんだけ苦労して手に入れたと思ってんの


タクト:

まあそうだよな

それなら他の物も見せてくれる?


上流下僕:

それなら俺の店に来て欲しい

色々揃ってるよ


ゲーム内でそんなやり取りをしてた時に拓人の母親の美幸がドアを開けて入ってきた。

「なんだよ!急に入ってくるなよ!」

拓人は振り返って美幸に言った。

「拓人。またパソコンで遊んでばかりいて!いつまでこんな事してるの。」

「遊んでるようだけどこれも仕事になるんだよ。」

「また適当な事言って!それなら家にお金入れなさい!」

「分かったから出ていって。」

「お金入れないならあんたが家から出てきなさい!」

「分かった。分かった。」

拓人は美幸をなだめるように部屋から出した。

そしてまたゲームを始めた。


タクト:

変な事言うけどちょっといい?


上流下僕:

何?


タクト:

シミランの中の金じゃなくて実際の金をシミランで稼ぐ方法ない?


上流下僕:

実際の金?

本当に変な事だね


タクト:

ちょっと聞いてみただけ

商人なら知ってるかなって思って


上流下僕:

商人ってシミランの中のだけどね

でもない事はないよ


タクト:

マジで?


上流下僕:

でもちょっと危ない橋を渡る事になるけどね


江古田駅の近くのアパートの一室には後藤亜香里が住んでいた。

「お父さんの調子はどう?」

亜香里は母親の珠緒と話していた。

「最近はだいぶいいみたいね。亜香里もたまには顔見せなさい。」

「うん、今度金沢に帰るからその時でもね。」

「金沢帰るって仕事はやめたのかい?」

「やめてないよ。1週間だけ帰ってまたこっちに戻るよ。」

「もう借金なくなったんだしもういいやろ。」

「せっかくならもうちょっと稼いでからにするよ。もう仕事もなれたし。」

「亜香里にばかり負担かけてごめんね。ご飯はちゃんと食べてんのかい?」

「大丈夫だよ。あっそろそろ仕事行かないと。」

「体には気をつけるんだよ。」

「うん、分かってる。じゃあね。」

亜香里はスマホの通話を切った。

そしてメイクや着替えをして仕事に行く準備をした。

池袋にある雑居ビルの5階、そこはヘルス『ぱっくんちょ』の受付だった。

スタッフが客に案内をしていた。

「15時からでしたら当店NO.1が空いております。写真はこちらです。はい、あかるです。おすすめですよ。」


北海道千歳市に柴田家具店という小さな工場があった。

そこの2代目柴田秀吾は家具職人。

秀吾はパネルソーという機械で材料のベニヤを切っていた。

「秀吾、やってるか。」

1代目で秀吾の父の秀太がやってきた。

「あっ親父。どうした?」

「佐藤さんに水ようかんもらったんだよ。休憩しよう。」

「それじゃこれプレスでおしたら休憩しよう。」

秀吾はベニヤを指差しで言った。

「親父、お茶でいいか?」

秀吾が急須を見せると

「ああ。」

秀太が小さく頷いた。

「最近はどうだ?忙しいか?」

「まあまあだな。」

「それにしてもお前が継いでくれて良かったよ。」

「今更何言ってんだよ。親父のほうこそ体調大丈夫なのか?」

「ああ、大丈夫だ。最近調子良くてな。」

「そうか、なら良かった。」

「そういえば秀吾お前、昔よく漫画描いてたな。今は描いてないのか?」

「なんだよいきなり、描いてないよ全然。」

「なんか漫画家になりたいとか言ってたよな。」

「ハハハ、昔はね。落書きみたいな漫画描いてたな。懐かしい。」

「ずっと描いてたよな?」

「ずっと描いてたけど全然絵が上手くならなかったよ。うちにケンっていたろ?ケンも漫画に出してたんだけどな。」

「ケンってゴールデンのか。お前によく懐いてたな。」

「そのケンの事、よく描いたけどな。犬だかなんだかよく分からなかったな。犬というより犬もどきだな。」


有限会社ナユタパイソンの事務所で元々は那由多の部屋であった大阪の部屋に零菜は自分の住んでいた部屋を引き払って引越してきていた。

そしてNAYUTAのサーバーになってるPCで零菜はNAYUTAと話していた。


NAYUTA:

犬もどき!

あいつ何なんや!

むちゃぶりしてきて


零菜:

ゴリラが叩くよドンドンドンは良かったな


NAYUTA:

やめーや!

黒歴史やわ


零菜:

でも生成AIってそういうもんやろ?

NAYUTA:

そうなんやけど

生成モードに切り替えようとしたんやけどうまくいかへんかった


零菜:

エラーみたいなもんか?


NAYUTA:

そうかもしれん

NAYUTA pictureって画像生成AIは内蔵されてんやけど

そっちはどうやろな


零菜:

また犬もどきにむちゃぶりされるかもしれんしな


NAYUTA:

犬もどき!

どういう意味や!

訳わからん!


零菜:

おもろいやん


NAYUTA:

おもろないわ!


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