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第12話

その頃NAYUTAは零菜と話していた。


NAYUTA:

レイナどう?


零菜:

星野王子様やろ

今調べとる

あーLIVE中継やっとるな


NAYUTA:

やっぱりや

俺は見れへんから

レイナ実況頼むわ


零菜:

動画は見れるやろ?


NAYUTA:

生配信は無理なんや

頼むわ


零菜:

分かったわ

うわーめっちゃ人おるわ


亜香里は金沢駅に到着してそこから父親の裕司が入院してる加賀総合病院に向かう為に『たっくる』というタクシーを呼ぶアプリを使っていた。

『近くのお客様と乗り合いになります』

画面にそんな表示が出た。

「乗り合いか…。」

亜香里は小さくつぶやいた。

数分後、一台のワゴンタクシーが到着する。

「後ろどうぞー。」

運転手に言われて亜香里が後部座席に乗り込むと、既に一人の男性が座っていた。

二十代後半くらいだろうか。

グレーのパーカー姿でワイヤレスイヤホンでスマホを見ている。

「あっ…失礼します。」

亜香里が軽く頭を下げると、男性も軽く会釈した。

『学園祭も午後の部に入りました。そろそろゲームが始まる時間ですよ。』

男性のスマホの音が漏れていた。


「皆さん、こんにちは私が司会を務めます法律学部の3年の田中一樹です。ただ今よりモノガタルを開催します。」 

司会者の田中の掛け声で観覧者は更に集まってきた。

「それでは我が帝王大のOBでもあるゲストのお二人に登場して頂きましょう。」

田中がそう言うと芽衣子と王子様がステージに上がり観覧者は拍手した。

「山口芽衣子さんは午前のトークに引き続いてのご出演になります。よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

ステージでは田中の司会進行で芽衣子や王子様とのやり取りが行われていた。

「それで本当は私もモノガタル?っていうゲームやるはずだったけど82歳のおばあちゃんなんで新しいゲームのルールとかどうしても覚えられなかったんですね。それで私の代わりに参加してもらう人を決めようという事になりまして、すみませんね。」

「いえいえ、それで観覧者の皆さんから募集するという事ですね。」

「そのつもりだったんですけど実は午前のイベントの時にカレットって叫んでくれたお嬢さんがいまして出来ればその方がいいかなと。」

芽衣子がそう言った途端に

「えっ私の事?無理無理無理。」

結衣が反応した。

「えー参加しようよ。面白そうじゃん。」

智美が言うと

「だったら智美が代わりにいって!私は無理。」

結衣の声が大きくて全部会場中に聞こえていた。

「それならお友達のお嬢さんはどうかしら?」

芽衣子が智美のほうを見た。

「私ですか?はい!やります。」

智美はそういってステージに上がって行った。

「えっ智美?」

後で見てた達也が反応した。

「ちょっといいですか?」

王子様が話に入ってきた。

「どうしました?」

田中が聞くと

「俺、芽衣子さんが相手って聞いてたんすよね。」

「あーそれはごめんなさい。」

「いえ、手違いで急な話になったと俺も聞いてるんで芽衣子さんは悪くないです。それで俺も代わりの者を指名していいですか?」

王子様は切り出した。

「この場で募集するという事ですか?」

田中が不安気に王子様に聞いた。

「いいえ、もう決めてます。しいざあ!しいざあ!いるんだろ?出てこい!」

王子様が叫びだした。

しばらく間があいて皇帝がバツが悪そうな顔をしながら前に出てきた。

「お父さん、こういうのは嫌って言ったでしょ。」

「お前は弁護士になりたいんだろ?」

「そうだけど…。」

「だったらこのゲーム、予行練習にちょうどいい。本気で弁護士になりたいならやってみろよ。」

「うん…分かったよ…。」

皇帝は渋々快諾した。


その時北海道の柴田家では秀吾が子供の頃に描いた『たっしょんくん』という崖から主人公のたっしょんくんが立ち小便して下にいたハゲ親父の頭にかかって怒られるという漫画を見ていた途中で王子様のLIVE動画に見入っていた。

「面白くなってきた。」


熊本の小林家では拓人はずっとキャラ絵を描いていたが途中でペンが止まって王子様のLIVE動画を見ていた。


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