第11話
帝王大学学園祭当日は雲一つない快晴で多くの来場者で活気に溢れていた。
「結衣、このチュロス美味しいよ。」
「えーだったらちょっとちぎってちょうだい。このたこ焼き一個と交換しよ。」
「うん、たこ焼きも美味しそうだね。」
「ほんとだ!このチュロスやばい。」
智美と結衣がはしゃいでいた。
「今日は東京の帝王大学に来てます。俺ここのOBつーことでゲストで出るんですよね。なんかモノガタルっていうゲームをするみたいなんでLIVE中継するんでお楽しみに。」
星野王子様がyoutubeの生中継をしていた。
熊本の小林家では拓人が王子様のLIVE動画を流しながら四民乱戦のキャラ絵を描いていた。
「んーなんか違うな。」
拓人は考えながらイラストペンを指でくるくる回した。
北海道の柴田家具店の隣に秀吾の自宅があって秀吾は部屋で王子様のLIVE動画を流しながら秀吾が子供の頃に描いた『ケンケンパ』という漫画を見ていた。
それは当時飼っていたケンという名前のゴールデンレトリバーをモデルにしたキャラが主人公の漫画だ。
内容はケンが尻尾を振っていたらその風圧で家が吹っ飛ぶというものだった。
「ハハハくだらねー。」
秀吾は漫画を見ながら笑った。
亜香里は北陸新幹線に乗って金沢に向かっていた。
車窓から景色を眺めながら子供の頃の事を思い出していた。
(あの頃は楽しかったな。)
亜香里は心の中で呟いた。
「山口さん、本日はよろしくお願いします。」
控え室で達也は芽衣子に頭を下げていた。
「こちらこそよろしくお願いします。ゲームの件はすみませんね。」
芽衣子は軽く頭を下げた。
「いいえ、私どもの確認不足で行き違いがあり、こちらこそご迷惑をお掛けしました。」
「私も出来ればやりたかったんですけどね。聞いたのが昨日で私おばあちゃんだから新しいゲームとか理解するのに時間かかるんですよ。」
「本当にすみませんでした。マネジャーの五十嵐さんから聞いております。山口さんの代わりの方を観覧者から選ぶという事で構いません。」
「はい、助かります。」
「それで出来たらプレゼンのテーマだけ決めて頂けると助かるのですが…。」
「テーマ?それはどういう事ですか?」
「なんでもいいのですが、例えば山口さんが普段から心がけてる事だったり生きていく上で必要だと思ってる事だったり興味がある事だったり普通に無人島に一つ持っていくとしたらとかそれを決めてくれたら後はもう大丈夫ですので、どうでしょうか?」
「まあそれくらいなら出来そうですね。ちょっと考えときます。」
「すみません、よろしくお願いします。」
達也は何度も芽衣子に頭を下げた。
皇帝とエンジェルも帝王大学に来ていた。
帝王大学に法学部もあるという事で皇帝もどんな学校か見てみたいという事で王子様に着いて来たのだ。
「しいざあ、何か食べる?」
「僕はどっちでもいいよ。」
「せっかくだから食べようよ。何がいい?」
「じゃあアメリカンドッグにするよ。」
「アメリカンドッグね。私はわたあめでも食べようかなー。」
皇帝よりもエンジェルのほうがはしゃいでいた。
そして午前11時になってステージでは現役の帝王大生が芽衣子に演技論を聞いていた。
「芽衣子さんは役作りはどうなさるんですか?」
「私の場合は台本を何回も読み返して人物の人生を組み立てていきますね。」
大女優の話を聞こうと多くの観覧者が集まっていた。
「人が多すぎて見えないなー。」
智美が背伸びしてステージを見ようとしていた。
「智美、山口芽衣子って人知ってる?私よく分からないんだけど。」
結衣が言うと周りの観覧者がちらっと見た。
「結衣もキャットストリートハマってたでしょ。カレットの声やってるの芽衣子さんだよ。」
「カレット!すごいじゃん!」
結衣が叫ぶと声が響き渡った。
「カレットね。声優はあまり経験なかったしオス猫だから本当に大変でしたよ。」
芽衣子にも結衣の声が聞こえてコメントした。
「すいません…。」
結衣は顔真っ赤になっていた。




