第4話「事務的信頼の積み上げ」
ゴブリン討伐の報酬清算の日。
ギルドの受付カウンターは長蛇の列。
レオンたちが依頼書を提出する中、俺は周囲を観察していた。
カウンターの奥に、眼鏡をかけた女性。
20代後半。茶髪。事務的で無表情。
サラ。この街ギルドの評価管理担当。
冒険者のランクを決める実質No.1権力者。
(地味だけど超重要)
サラの評価が悪ければ、良い依頼が来ない。
パーティの生死を握る存在。
レオンが報酬を受け取る。
「銅貨30枚か。まあ初依頼じゃこんなもんか」
サラが淡々と書類に記入。
「次回はB級以上推奨。連携は良好」
その一言で、レオンの機嫌が良くなる。
(サラの評価=パーティの未来線)
俺の出番だ。
列が途切れた隙に近づく。
「サラさん、いつも正確な評価ありがとうございます」
事務的タイプには**「仕事への敬意」**が効く。
媚びじゃなく、「プロとして認める」。
サラが眼鏡を直しながら見上げる。
「礼はいらないわ。仕事よ」
手厳しい。感情ゼロ。
「でも、さっきのゴブリン討伐の評価。
『連携良好』って具体的に書いてくれて助かります。
他の受付だと『討伐数○体』だけですもん」
「他の人と差別化」+「具体的な感謝」。
事務員は「自分の仕事を認められる」のが好き。
サラの手が一瞬止まる。
「…観察してるのね、あなた」
効いてる。
「職業は?ステータス見せて」
即鑑定。無駄な感情はない。
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【鑑定結果】
職業:人間
知力:40(異常値)
運:50(観測不能)
サラの目がわずかに見開く。
「職業なし…時間切れ?珍しい失敗パターンね」
「はい。戦闘は一切無理です」
正直に弱み出し。
「でも、サラさんの評価のおかげで、
パーティが次の依頼を狙えます。
その分の報酬で、装備を少しずつ良くしていきたいんです」
「長期的な信頼構築」を匂わせる。
事務員は「継続的な良い客」を好む。
サラが小さく頷く。
「なら、次はこれを」
引き出しから一枚の依頼書。
「薬草採取&魔物警戒(B級)」。
「戦闘少なめで報酬良いやつ。
あなたのパーティ構成に合ってるわ」
特別待遇ゲット。
「ありがとうございます!」
深くお辞儀。レオンたちも驚いた顔。
その夜、宿屋。
レオンが感心したように言う。
「サラに気に入られたぞ。あいつ、頑固なんだが」
ミレイが分析。
「評価管理の権限握ってる。あれでパーティランク上がるわ」
ルナが笑う。
「あなたって、誰とでもすぐ仲良くなれますね!」
(当たり前だ)
戦えない分、人間関係が全て。
翌日の薬草採取依頼は大成功。
サラの読み通り、戦闘ほぼゼロで高報酬。
ギルド内での評判も上がる。
サラがカウンターから一言。
「次も期待してるわ、人間さん」
事務的信頼、獲得。




